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ゼロトラストのディープダイブ(7)-SSPM(SaaSセキュリティ状態管理)

Last updated at Posted at 2022-05-12

[前回] ゼロトラストのディープダイブ(6)-SSE(Security Service Edge)

はじめに

前回まで、クラウド・セキュリティの四つの技術

  • SASE(Secure Access Service Edge)
  • SSE(Security Service Edge)
  • SSPM(SaaS Security Posture Management)
  • CNAPP(Cloud Native Application Protection Platforms)

の中から、SASEとSSEを勉強しました。
今回は、SSPM(SaaSセキュリティ状態管理)を勉強します。

SaaSセキュリティの背景

  • テレワーク導入が進み、SaaSアプリケーションの利用が増えた
    • SaaS(Software as a Service: サース)とは
      • インターネット経由のソフトウェア提供形態で、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できる
    • SaaSの例
      • Web会議システム
      • チャットツール
      • オンラインストレージ
  • SaaSで機密データを扱うには、高度なセキュリティが求められる
    • SaaSアプリケーションから情報流出などインシデント発生
  • インシデントの原因は二つ
    • サービス提供者: SaaSアプリケーションの脆弱性
    • サービス利用者: アクセス権限の設定不備による情報漏洩

クラウドセキュリティの責任共有モデル

  • セキュリティ設定の適切な実施/監視は、サービス利用者の責任
    • 全体のグローバル設定
    • 個々のユーザーロールと権限設定
  • SaaS管理者による設定ミスや誤ったレポート共有などが情報漏洩の元
    • セキュリティ担当者は、アプリケーション/ユーザー/設定を把握し
    • 業界/企業のポリシーに準拠しているか確認する必要あり

現状、SaaSセキュリティ対策の問題点

  • 大量のセキュリティ設定/アクセス権限の把握に、手間や負担が大きい
  • SaaSアプリケーション設定が可視化されず、把握が難しい
  • 進化が速く複雑化するクラウド・セキュリティに対するスキル不足
  • SaaSアプリケーションにおける管理能力とガバナンスの欠如

SSPM(SaaSセキュリティ状態管理)とは

  • 定義
    • クラウドの設定不備を監視しセキュリティ状態を管理するソリューション
    • SaaSアプリケーションのセキュリティリスクを継続的に評価
  • 目的
    • 脆弱性がサイバー攻撃に利用される前に、設定不備に気付き迅速に対処
    • 設定ミスを監査し、コンプライアンスに準拠しているか継続的にチェック
  • 機能要点
    • モニタリング
    • アラート
    • 修復

SSPMに求められる機能

  • SaaSセキュリティ設定を詳細レベルで可視化
    • セキュリティ・チェックによりリスク領域を減らす観点から、SaaS環境の設定状況を把握
    • 設定に関する詳細情報を提供し、モニタリング/アラートを実施可能にする
    • ネイティブSaaSセキュリティ設定に関するレポート機能
  • セキュリティ設定の継続的な監視と修復
    • 設定不備とリスクを継続的に監視
    • リスク軽減策の提案と設定ミスの修復
  • SaaSアプリケーションとの統合
    • SSPMとSaaSアプリケーションの統合により、あらゆるタイプの設定ミスをチェック/対応可能
    • 簡単に導入でき、新しいSaaSアプリケーションを監視対象に追加可能
  • セキュリティ・チェックの網羅性
    • セキュリティ・チェックの範囲と深さにおける網羅性
    • ドメイン全般に対し、セキュリティリスクを追跡/監視
  • アイデンティティ許可の管理
    • 内部ユーザーのアイデンティティとアクセス管理
    • 外部ユーザーのアクセス制御
  • プライバシー保護と制御
    • コンプライアンス・ポリシーの策定
    • セキュリティ・フレームワークの導入
    • ベンチマークによるセキュリティ診断

SSPMが企業にもたらすメリット

  • クラウド・セキュリティ障害の元となる構成ミスを継続的にスキャン/排除し、リスク低減
    • 担当者の目視では発見が困難な設定ミスを、機械的に検知可能なソリューションを提供
    • ※ CASB(クラウド・アクセス・セキュリティ・ブローカ)では対応しきれない
      • CASBも、SaaSレイヤーで機密データへのアクセスを保護するが
      • 高度な攻撃や複雑な構成ミスには対応できない
  • SaaSセキュリティ体制を可視化し、業界標準や企業ポリシーへの準拠をチェック
    • 一部SSPMソリューションは、複雑化するSaaS設定ミスを自動修正する機能を提供
    • セキュリティ対策効率が大幅に向上し、機密データの保護が可能に

おわりに

SSPM(SaaSセキュリティ状態管理)の理論について勉強しました。
次回は、クラウド・セキュリティの四つの技術で、残りの
CNAPP(Cloud Native Application Protection Platforms)
を勉強します。お楽しみに。

[次回] ゼロトラストのディープダイブ(8)-CNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)
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