[前回] ゼロトラストのディープダイブ(4)-SASE(Secure Access Service Edge)
はじめに
前回まで、SASE(Secure Access Service Edge)と、
SASEに求められる機能やサービスを勉強しました。
- SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)
- SWG(Secure Web Gateway)
- CASB(Cloud Access Security Broker)
- ZTNA(Zero Trust Network Access)
- FWaaS(Firewall as a Service)
- WAAP(Web Application and API Protection)
- RBI(Remote browser isolation)
- Network sandbox
- DNS protection
- API-based access to SaaS for data context
などなど、キーワードが盛沢山。
これでは、木を見て森を見ず
になってしまうので、
クラウドセキュリティに立返って、全体像を俯瞰します。
クラウドセキュリティの4つの必須技術
ガートナーの「クラウド・セキュリティのハイプ・サイクル:2021年」に登場した4つの必須テクノロジ
からの抜粋です。
-
背景
- パブリック・クラウドがプライベート・データセンターのワークロードを上回るといった予測
- クラウド・セキュリティは、情報セキュリティ・テクノロジ/サービス市場で急成長しているセグメント
- 特にリモートワークやデジタル・ビジネス加速をサポートするイノベーションに関心が集まっている
-
課題
- 法規制を遵守しつつ、効率的かつ統制された方法でクラウド戦略を実現したい
-
Web
、クラウド・サービス
、クラウド・ネイティブ・アプリケーション
へのアクセスのセキュリティを強化したい
-
クラウドセキュリティを確保するための4つの必須テクノロジ
- SASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)
- 機能
- クラウド・ベースの新興アーキテクチャ
- 以下、ネットワークおよびネットワーク・セキュリティの関連サービスの組み合わせ
- CASB
- NGFW
- SD-WAN
- SWG
- ZTNA
- 対象範囲
- 企業ネットワークにおける主要な拠点だけでなく
- 在宅勤務の環境
- パブリック・クラウドへのアクセス
- 以下のコンテキストに沿ったセキュリティ・ポリシーを適用
- ユーザーID
- デバイスの種類
- ネットワーク種別
- メリット
- 主にクラウド・デリバリ・モデルを介して
- 重要なネットワークとネットワーク・セキュリティのサービス提供と運用を簡素化
- ビジネスの迅速性と柔軟性、セキュリティを高める
- 機能
- SSE(セキュリティ・サービス・エッジ)
- 機能
- Web、クラウド・サービス、プライベート・アプリケーションへのアクセスのセキュリティを確保
- 以下の方法で、許容可能なサービス利用を制御
- アクセス・コントロール
- 脅威保護
- データ・セキュリティ
- セキュリティ・モニタリング
- すべての制御は、ネットワークやAPIベースの統合によって実行される
- メリット
- セキュリティ・ポリシーの施行にクラウド中心のアプローチを用いる
- 時間や場所を問わず従業員をサポートできる
- 複数の異なるセキュリティ機能を単一のプロダクトに統合し、複雑さを軽減
- ユーザー・エクスペリエンスを向上させる
- 機能
- SSPM(SaaSセキュリティ状態管理)
- 機能
- セキュリティ状態を管理するテクノロジ
- SaaSアプリケーションのセキュリティ・リスクを継続的に評価
- 以下の情報を提案
- ネイティブSaaSセキュリティ設定に関するレポート
- アイデンティティ許可の管理
- 構成を改善しリスクを軽減するための提案
- メリット
- クラウド・セキュリティ障害の元となる構成ミスを継続スキャン/排除し、リスク低減
- ※ CASB(クラウド・アクセス・セキュリティ・ブローカ)は、SaaSレイヤで機密データへのアクセスを保護するが、高度な攻撃や複雑な構成ミスには対応できない
- クラウド・セキュリティ障害の元となる構成ミスを継続スキャン/排除し、リスク低減
- 機能
- CNAPP(クラウド・ネイティブ・アプリケーション保護プラットフォーム)
- 機能
- 開発環境と本番環境両方で、クラウド・ネイティブ・アプリケーションのセキュリティと保護を支援
- セキュリティとコンプライアンスに関連した機能セット
- 以下の機能を統合
- コンテナ・スキャン
- CSPM
- IaCスキャン
- クラウド・インフラストラクチャ・エンタイトルメント管理
- CWPP
- メリット
- 単一の統合プロダクトを使用し、クラウド・ネイティブ・アプリケーションのライフサイクル全体を保護
- ※ 従来の、クラウド・ネイティブ・アプリケーションのセキュリティ確保
- 複数ベンダー提供の、複数セキュリティ・テスト/保護ツールを使用する必要あり
- 開発の速度が落ち、リスクを断片的にしか把握できなかった
- 複数ベンダー提供の、複数セキュリティ・テスト/保護ツールを使用する必要あり
- ※ 従来の、クラウド・ネイティブ・アプリケーションのセキュリティ確保
- 単一の統合プロダクトを使用し、クラウド・ネイティブ・アプリケーションのライフサイクル全体を保護
- 機能
- SASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)
おわりに
クラウドセキュリティ関連技術の全体像、その中でSASEの位置づけが見えてきました。
次回から、どのようなソリューションや技術が実際使用可能か探っていきます。
お楽しみに。