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AWS公式資料で挑むSCS認定(16)-Inspector

Last updated at Posted at 2022-03-06
[前回] AWS公式資料で挑むSCS認定(15)-GuardDuty

はじめに

「Security, Identity & Compliance」サービスの続き、Amazon Inspectorです。
脆弱性診断を自動化するサービスで、Amazon EC2にエージェント導入が必要。

教材を選ぶ

AWS Black Belt Online Seminar [Amazon Inspector] 資料を使用します。

恒例となりつつありますが、本資料のベストスライドは、
「脆弱性診断の種類(レイヤー)」です(すみません、個人的見解です)。
理由は、脆弱性対策の全体像が、一枚にまとまっているからです。
やはり森が見えると、木も理解しやすくなりますね。

  • 脆弱性とは
    • コンピュータのOSやソフトウェアにおいて
    • プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生する
    • 情報セキュリティ上の欠陥(セキュリティホール)

Amazon Inspectorとは

Amazon EC2にエージェントを導⼊し、
プラットフォームの脆弱性を診断する、
ホスト型診断サービス。

Inspectorのアーキテクチャ

image.png

引用元: https://d1.awsstatic.com/webinars/jp/pdf/services/20160622_AWS_BlackBelt-Inspector-public.pdf

セキュリティ診断

⽬的はリスクの可視化

セキュリティリスク

リスクの要因と管理可否

  • 脅威(Threats)
      • 標的型攻撃
      • マルウェア
      • サイバー攻撃
    • 管理可能か
      • 外部脅威の管理は困難
  • 脆弱性(Vulnerabilities)
      • セキュリティホール
      • 設定ミス
      • ⼼理的要素
    • 管理可能か
      • 脆弱性は社内にあるため対応は可能
  • 情報資産(Assets)
      • 機密情報
      • 個⼈情報
      • 知的財産
    • 管理可能か
      • 管理可能
      • 重要度はビジネス側の要請に依存

脆弱性診断の種類(レイヤーの観点)

脆弱性攻撃と対策およびそのレイヤー

  • SQLインジェクション
  • クロスサイトスクリプティング
  • OSコマンドインジェクション
  • パラメータ改ざん
    • 対策
      • WAF
    • レイヤー
      • Webアプリケーション
    • 診断種類
      • Webアプリケーション診断
  • エクスプロイト
  • DoS攻撃
    • 対策
      • IPS
    • レイヤー
      • OS/ミドルウェア
    • 診断種類
      • プラットフォーム診断
  • ポートスキャン
    • 対策
      • Firewall
    • レイヤー
      • ネットワーク
    • 診断種類
      • プラットフォーム診断

脆弱性診断の種類(トポロジーの観点)

2種類:

  • 外部ネットワーク型診断
    • 目的
      • 外部攻撃からシステムを保護できるか
    • 想定する脆弱性
      • システム全体のセキュリティホール
    • 実施時の例
      • システムのサービスイン時
  • 内部ネットワーク型診断
    • 目的
      • マルウェア感染した内部端末の攻撃からサーバーを保護できるか
      • 内部不正アクセスを防げるか
    • 想定する脆弱性
      • サブネット内のセキュリティホール
      • 設定ミス・構成ミス
    • 実施時の例
      • ネットワークやサーバー構成の変更時
  • ホスト型診断
    • 目的
      • 各種設定が企業ポリシーに準拠しているか
    • 想定する脆弱性
      • 設定ミス・構成ミス
    • 実施時の例
      • 監査のタイミング毎

Inspector の機能

  • システム設定や振る舞いの分析エンジン
  • 組み込みルールパッケージ
    • CVE (Common Vulnerabilities & Exposures)
      • 共通脆弱性識別子 (CVE) とは、一般公開されているコンピュータセキュリティの欠陥のリスト
      • 個別製品中の脆弱性が対象
      • ⽶国の⾮営利団体のMITRE社が採番
      • CVE識別番号は「CVE-⻄暦-連番」で構成
      • EC2インスタンスが次のリストのCVEにさらされているかどうかを評価
      • CVEリストは定期的に⾃動更新される
    • CIS (Center for Internet Security)
      • OSのセキュリティ設定ベンチマーク
      • CISとは⽶国のインターネットセキュリティ標準化団体
      • 業界標準のOSセキュリティ設定ガイド(ベンチマーク)を提供
      • CIS準拠のAMIをAWS Marketplaceなどで提供
    • セキュリティのベストプラクティス
      • 重要度High
        • システムディレクトリに対するアクセス権限の設定
      • 重要度Medium
        • SSH経由のrootログインを無効化する
        • SSHバージョン2のみをサポート
        • SSH経由のパスワード認証を無効化する
        • パスワードの有効期限を設定する
        • パスワードの最⼩⽂字数を設定する
        • パスワードの複雑さを設定する
        • アドレス空間配置のランダム化(ASLR)の有効化
        • データ実⾏防⽌(DEP)の有効化
    • 実⾏時の振る舞い分析
      • 重要度High
        • 安全でないアクセス権限を持つrootプロセス
      • 重要度Medium
        • 安全でないクライアントプロトコル(ログイン)
        • データ実⾏防⽌(DEP)のないソフトウェア
        • スタックCookieがないソフトウェア
      • 重要度Low
        • 安全でないクライアントプロトコル(⼀般)
      • 重要度Informational
        • 未使⽤のリッスンするTCPポート
        • 安全でないサーバープロトコル
  • 推奨対応⼿順が含まれた詳細レポート
  • API連携による開発プロセスとの統合

Inspector の特⻑

AWSリソースに対するセキュリティ評価サービスの特徴:

  • オンデマンド
  • ⾃動的
  • 詳細
  • 事前申請不要
  • 繰り返し/再利⽤可能
  • 推奨対応⽅法を提示

Inspector エージェント要件

  • パブリックエンドポイントへのネットワークパス
    • Amazon Inspectorサービスエンドポイント
    • Amazon S3サービスエンドポイント
  • サービスエンドポイントとのTLS通信
    • 全ての接続はAWSエージェントからのアウトバウンド通信で確⽴
    • セキュリティグループでインバウンド通信を許可する必要なし
    • 経路中にプロキシサーバーがある場合は利⽤不可
    • インストールにはOSの管理者権限が必要

Inspectorのユースケース

  • 設計開発時
    • 継続的なデプロイ+セキュリティ評価
  • 本番運⽤時
    • セキュリティの⾃動拡張
      1. Auto Scalingグループの起動設定でエージェント導⼊
      2. スケールアウトによるインスタンス⽣成
      3. Auto Scalingグループタグを評価ターゲットに設定することで、⾃動でセキュリティ評価対象になる

評価結果対応の簡易ワークフロー

  • 評価結果に属性を追加することで、対応処理の簡易ワークフローが実現可能
      • キー: 状況, 値: 緊急
      • キー: 担当者, 値: ⽥中
  • 評価結果のデフォルト属性を設定可
      • キー: 担当者, 値: 共通基盤チーム

Amazon Inspectorのまとめ

  • ホスト型プラットフォーム脆弱性診断
  • オンデマンド・⾃動化・詳細なサービス
  • いつでも何度でも簡単に使える

おわりに

Amazon Inspectorの脆弱性診断は、運用のみならず、
製品開発のセキュリティテストでも活用できそうですね。
次回は、Amazon Macieです。お楽しみに。

[次回] AWS公式資料で挑むSCS認定(17)-Macie
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