😍 エンジニア心理学
対象者
- 同僚のパーソナリティを理解しようとするエンジニア
- 同僚の一時的な感情を理解しようとするエンジニア
- 信頼関係を構築したいエンジニア
- 同僚に動いてもらえる確率を少しでもあげたいエンジニア
🏁 目標
この記事はエンジニアを説得し、前向きに動いてもらう方法を模索する試みです。
参考
影響コミュニケーションとは
気軽な頼み事から相手の考えを変えようとする説得まで、他者に働きかけるコミュニケーションを
「影響コミュニケーション」と呼べる。
- 「影響の与え手(influence target)」は「受け手(influence target)」に働きかけるようメッセージの作り方に関心をもつ
- 受け手としては、不当に与え手から影響を受けないような防衛策に関心を持つようになる。
そして、受け手の行動や態度を変化を生じさせることを総称して「影響(influence)」と呼んでいる。
説得研究は 「ホヴランド」 によって始められたと考えられ、説得を受けた受け手の反応に影響を及ぼすと考えられる要因は、
オキーフ(1990)が4つに分類している。
それは、送り手、説得的コミュニケーション、状況、受け手 で、詳細は以下の通り。
- 送り手
- 専門性
- 信頼性
- 好感度
- 説得的コミュニケーション
- 結論の明治の有無
- 一面提示と両面提示
- 論拠の提示順序、フレーミング
- 恐怖喚起、ユーモア
- ストーリー仕立て
- 状況要因
- メディア(文字、音声、動画など)
- 妨害要因(騒音、蒸し暑さなど)
- 説得の予告
- 受け手
- 心理的リアクタンス
- 自尊心、知能、認知要求支援
- 説得テーマへの字が関与度
- メッセージ検査への動機づけ・能力
- 事前・事後感度の確信度
- (送り手との)対人関係
🤔 「結論を明示する」は大きな説得効果はない
結論を明示することの効果量は(r=.12)(範囲は0.00~1.0)という程度であり、
結論を明示しないよりは、明示したほうがやや説得効果が大きくなるという程度であった。
確かに、送り手として、説得の結論(受け手にとって欲しい行動)は明示した方がよいと考えられるが、
これは「相手の心理的リアクタンス」を喚起する可能性も考えられる。
「結論を明示するかどうか」は状況によると考えて良い。
😀 「両面提示」+「反論を促す」+「それを反芻」は効果がある。
- 送り手の主張を支持する根拠のみを提示することを、一面提示という
- メリット : 受け手の反論を促す可能性は低い
- 反対に、送り手の主張に不利な要素も合わせて提示することを、両面提示という
- メリット : 「公平な立場から説得している」と受け手に捉えられやすい
さらに、両面提示の不利な要素に対して反論することを、反芻という。
この「両面提示」+「反論を促す」+「それを反芻する」というセットは
説得的コミュニケーションほんの少し効果があるとされる。(r=.08)
相手の知識量が自分より少ない と判断し切れる場合は、一面提示でも問題ない。
例えば、十分な説明を不要とする顧客に対しては一面提示で十分と考えて良い。
😎 エンジニアを説得する技術
しかし、エンジニア心理学 では説得する相手は顧客だけとは限らず、
技術的な決定を覆したいケースでは知識量が対等な相手がほとんどであろう。
私の「十分な知識量がある相手を説得するための戦略」は以下の通り。
- 結論ファースト(理由は次の章より)
- 一面提示を行う(メリットのみの説明)
- 相手の反応をみて、疑念が出ている場合は「質問を誘導する」
- 「確かに~」から始めて、両面提示に自然に移行させる(この「自然に」がポイント)
- 反芻する
上記のように質問が出る場合は「自我関与度が高い状態」であるため、こちらも着目しておくこと。