🍵 エンジニア心理学
対象者
- 同僚のパーソナリティを理解しようとするエンジニア
- 同僚の一時的な感情を理解しようとするエンジニア
- 信頼関係を構築したいエンジニア
- 同僚に動いてもらえる確率を少しでもあげたいエンジニア
概要
心理学が抱える課題を事前に洗い出し、エンジニア心理学を展開するにあたって不安点、疑問点を解消する試みです。
🏁 エンジニア心理学の目標
エンジニア心理学の目標は次の二つです。
- プログラマーとチームリーダーの摩擦を解消する方法論をまとめチームの価値を最大化する
- 顧客の言葉を理解し、信頼関係を構築し、品質とコスト面で駆け引きを行う方法論をまとめる
これらを心理学を用いてプロジェクトの成功率を最大限高める試みです。
😨 心理学の課題
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心理学の課題
心理学を探求するにあたって、直視しなければならない問題点が現時点で2つあります。
- 再現性の問題
- 定義の難しさ
それぞれ順に見ていきます。
再現性の問題点
もう10年前の記事になってしまいますが、心理学の実験において再現性に疑念が生じる研究結果が発表されました。
追試対象となった研究は,Psychological Science(PSCI) 誌,Journal of Personalityand Social Psychology(JPSP) 誌,Journal of Experimental
「再現性が確認できた研究は 100 件中の39 件」全体の 39% だった
これは,追試を実施した研究者たちの主観的評価,つまり「オリジナルの結果が再現されましたか?」という質問に「はい」と答えた比率が 39%だった点を取り上げたものと思われます。
より客観的なデータを見ると,オリジナルの論文のうち 97%は統計的に有意な効果が得られていた(つまり 3%は nullefect〔効果なし〕研究だった)のですが,追試では 36%,追試の効果量の 95% 信頼区間に元論文の効果量が含まれていた(つまり「ほぼ」も含めて再現されたと考えてもよさそうな)研究は 47%でした。
上記の内容を解釈すると
- 2008年以降の心理学雑誌で取り上げられた研究100件を対象
- 追試を行った研究者の質問で、「オリジナルの結果が再現できたか?」という主観的な質問に39人が「はい」と答えた(残りの選択肢は不明)
- 統計的には 97% は有効な結果が得られた。
追試を行った研究者は、オリジナルの実験が有効であると断言できなかったのが61%であるという結果であり、統計的には有効でした。
統計的には有効であるとはいえ、心理学への再現性の危うさ、ふわっと感は心理学の博士院生でも感じているようです。
実際の研究の結論は、だいたいふわふわしているのです。
定義の曖昧さ
二つ目の問題点は、心の動きを定義することの難しさという点です。
僕は現在生徒の「モチベーション」について研究をしています。モチベーションについて研究をしている人は他にもたくさんいます。こうした研究者を百人同じ部屋に集めて、「モチベーションってなんですか?」という質問をしてみましょう。
どうなるでしょうか。喧嘩です。
全員が全員、眼鏡をクイクイしながら持論を展開することでしょう。モチベーションの研究をしているのに、モチベーションの定義が専門家の間で定まっていないのです。これは他の分野ではありえないことです。例えば幾何学者の間で、「三角形とはなんぞや?」という議論が発生する事はありません。知らんけど。心理学は往々にして研究対象が実体を持たないので、研究対象の定義がなんなのか、さらにはそもそも研究対象が研究対象たりうるものかどうかから考察しなければいけないのです。
https://note.com/sugo_ron/n/nff9282091a07
心理学の博士院生が語る、心理学ってうさん臭くね?という話
心理学の立ち位置
心理学は「人の理解の一助」という立ち位置
心理学は、最終的には人の理解の一助としての立ち位置になるかと思います。
心理学専攻で人の気持ちがわかるか、というと、答えはNOです(泣)
そして、肝心の授業はというと、学部までですと、まず心理学の歴史と、たとえば◯◯効果などの「こういう現象があります」という説明が大半であり、「相手が髪を触ったらウソをついている」的な人心掌握術はまったく教わりません。というかそういうものがすべて眉唾なのだなあと思うようになります。教育心理学の授業ですと、イメージでは「学級崩壊の立て直し方」みたいなのを学ぶかと思いきや、学ぶのは「発達の最近接領域 - Wikipedia」みたいに、人間の知能がいかにして発達するかみたいなところばかりであり、現場的なものはまったく出てきません。
心理学とは、相手が何を感じているか、考えているかを他者から見透かす取り組みではなく、「人間は何を感じ、どう考えるのか」を知っていく取り組みなのだと、今はわかります。
上記の引用である通り、「人間は何を感じ、どう考えるか」を探求する取り組みであると考えます。
私個人の考えでは、ある程度確率的に推測することは可能かなとは考えてます。ですがこの方は少なくとも、心象把握は大学で教わらないですし、そのような取り組みに意味がないと考えているようです。
心理学にできること
一番わかりやすいのは1on1での有効活用かと思います。
- パーソナリティを理解する
- 一時的な感情を推測する
- 相手に好印象を与え、信頼関係を構築する
- 相手に動いてもらえる確率を少しだけあげる