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熟考の心理でもさぼろうとしている

前回の記事では「直観の心理」というものを扱った。
ここでは、

  • 普段は直観で動いている
  • 直観の心理の大部分を占める「習慣」はキュー,ルーティン,リワードの関係であること
  • 日常の行動を変更するためにはキュー,ルーティン,リワードのすべてに訴えかけることが大事であること
  • 習慣によって、日常の判断をアウトソーシングし、楽できること

を学んだ。

熟考の心理では、キューやルーティーンのような体系的知識はないが、「楽しようとする」という点は同じである。

この、熟考の心理における楽をしようとするための性質をヒューリスティックと呼ぶ

ヒューリスティック一覧

質問を置き換えてしまう

人間は質問に答えるのに苦労してしまうことがあり、別の質問に置き換えて回答してしまうことがある。

自分と似た人間を選んでしまう

選挙や面接において、その人の能力ではなく

  • 「この人は自分と似ているか?」
  • 「この人の顔面は魅力的か?」

で選んでしまう傾向がある

選択をほかの人に委ねてしまう

多数派意見の尊重

ある行動をやるべきかどうかを判断するときに、「他の人がいいねをおしてくれるかな?」と考えることを社会的証明 と呼ぶ。

例えば、テレビの後ろで流れる笑い声の音声があることで、視聴者は安心して笑うことができる。

専門家意見の尊重

専門家の意見についてはほかの人の意見よりも高い比率で捉えられることが多い。

例えば、エンジニアが話した機能の提案よりも、コンサルタントが提案した機能のほうが案として成立しやすい(たとえそれが同じ内容であっても)

人間の選択能力の限界

たとえ上記のヒューリスティック一覧を克服できた時でも、人間の脳には物理的に限界がある。

記憶力の限界

いわゆる 7+-2 というやつである。
即自的な記憶の数が制限されており、これらの塊しか脳内にためることができない。

注意力の限界

人間が一度に視認できるものは一つだけである。
二つ同時に認識することはできない。

精神力の限界

精神的に困難なタスクは以下の状態に結果が依存してしまうらしい。

  • 脳の疲れ
  • どれくらい前に食べたり休んだか?
  • どれくらいの仕事をこなしたか?

サウジアラビアの裁判の例では、仮釈放を認める割合が「休憩時間から判決までどれくらいの時間がかかったか」に依存するという。

我々は一つ選択するたびに大きなエネルギーを消費する。
エンジニアが意識するべきこととして、 プロダクトがユーザーに選択を課すたびにユーザーは疲弊していることがある。

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