「マザコン」との関連
心理的安全性をこれまでの知識と照らし合わせたとき、
心理学安全性が欠如している状態と「マザーコンプレックス」の状態は非常に似ていると思いました。(あくまで個人の意見)
そもそも「マザーコンプレックス」の定義とは何でしょうか?
マザーコンプレックスの定義
簡単に言えば「母親にすべての判断をゆだねてしまう」という症状である。
実際の表現としては、「母親離れしていない」「自己決断力に欠ける」などが適切です。
別の表現では自分と母親の境界線が引けなくなった状態と説明している。
癒着の状態は、「お母さんはお母さん。私は私。」という線が引けなくなっている状態です。癒着していると、自分の気持ちがどうかよりも、「お母さんがどう思っているのか?」と母親の顔色をうかがったり、「お母さんが気に入るかどうか?」で決めようとしたりしがちになります。
似ていると思った点
心理的安全性が保たれていない状態は以下のような状態です。
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(1)無知だと思われる不安(Ignorant)
質問や確認をしたくても「こんなことも知らないのかと思われないか」と不安になり、その結果、気になることがあっても質問しづらくなってしまいます。 -
(2)無能だと思われる不安(Incompetent)
ミスや失敗した時に「仕事ができないと思われるのでは」と不安になり、自分の失敗や弱点を認めなかったり、ミスを報告しなかったりするようになります。 -
(3)邪魔をしていると思われる不安(Intrusive)
自分が発言することで「話の邪魔をしていると思われないか」不安になり、提案や発言をしなくなっていきます。 -
(4)ネガティブだと思われる不安(Negative)
改善を提案したくても「他の人の意見を批判していると否定的に捉えられるのでは」と不安になり、現状の批判をしなくなったり、意見があっても言わなくなったりします。
以下の記事を参考にしました。
4つありますが共通点をとらえると、上司をがっかりさせたくないという心理があります。
上司をがっかりさせたくないと思った結果、質問も確認もネガティブだと思われる発言もミスの報告もできなくなってしまうのです。
この上司をがっかりさせたくないという心理はマザーコンプレックスの子の心理と非常に酷似していると思います。
マザーコンプレックスの原因:母親の過干渉と期待に答えようとした
もっともわかりやすく、そして簡略化された母親との癒着の原因は次の通りです。
子供に「ああしなさい。こうしなさい。」「これしちゃダメ、あれしちゃダメ。」と口出しをする母親がいたとします。実は、母親として自信がなかったから過干渉にならなければならなかったのだとしたら、傍に居る子供が感じる気持ちは、母親の不安です。子供の心では、自分が母親の言うことを聞くことで母親が安心するならばと、いい子ほどがんばります。
from https://www.counselingservice.jp/lecture/3310/
つまり、母親の過干渉から親の不安を感じ取り、「母親の不安を取り除くにはどうすればいいか?」を成功の指標としてしまう。 ということが根本の原因の用です。
「自分にとって最大の利益は何か?」「自分はどうしたいのか?」ではなく、「母親の不安を取り除くには?」を第一に考えてしまうのでしょう。
母親に笑顔でいてほしくて、自分の気持ちをがまんしてまで、母親を優先してきたことに気がつけると、子供のやり方ではない母親とのかかわり方が見つけやすくなるでしょう。
from https://www.counselingservice.jp/lecture/3310/
この理屈を心理的安全性の欠如に当てはめると
- 上長の過干渉
- 目標のすり替え(「自分にとっての最大の利益」ではなく、「上長の不安を取り除く」を第一に考えてしまう)
この二つが心理的安全性の欠如につながります。
改善策:自分の心理状態に気づく、目的と役割責任範囲の設定
まずは気づくこと
心理的安全性の確保のために重要なことは、まずは自分の心理状態に気づくことです。
虐待を受けた子供への心理療法で最も難しいのは、自分自身が病気である、親からひどいことをされたと認識することです。
ですのでこの記事を読んだときに、自分の上長はよい人だ、今の組織がなんかよくないのは自分が原因だと言い聞かせる状態は危険であると認識したほうがよいと思います。
その意味ではこの記事を読んでいる時点で改善に向けたスタートラインには立っています。
目的の設定
次は目的を設定しましょう。
ここでの目的とは、プロジェクトにおけるゴール、開発チームにおけるゴールのことです。
ここの認識を1on1の機会ですり合わせることで、「目的は上長の期待に応えることではない」
「目的はプロジェクトを成功させること」で一致させます。
このようにすることで、目標のすり替え(「自分にとっての最大の利益」ではなく、「上長の不安を取り除く」を第一に考えてしまう)を防ぐことが出来ます。
役割,責任範囲の設定
目的が決まった後はチームの中での自分の立ち位置、責任範囲の話をしましょう。
- 目的のために自分の役割は何か?
- 役割に伴う責任にはどの程度のものが含まれるのか?
このように自分の動ける範囲をあらかじめすり合わせることで、目的を達成するために必要なことはなんでもやろうという自主性が出てくるように思えます。
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