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GmailをOutlookに移行する

Last updated at Posted at 2024-02-14

本記事では、Google Takeout でダウンロードしたMBOX形式のメールをOutlookに取り込む手順について解説しています。

もし移行元のGmailに今でもOutlookで接続できているなら、Outlookデータファイル(PST形式)をローカルに作成してインポートする方が簡単です。この場合の具体的な手順は次のサイトで紹介されています。

さて、MBOX形式をPST形式に変換する手立ては色々あるのですが、お客様のデータをお預かりしている以上、無料のサードパーティ製ツール(インストール型、Webオンラインサービス型を問わず)は怖くて手が出せません。

ここでは、Thunderbirdと簡単なExcelマクロで変換してみます。

Gmail全体のダウンロード

Googleのバックアップツールでmboxファイルをダウンロードします。

次に挙げるのは、有料サービスの Google Workspace(旧G Suite)で確認した手順です。
メールアドレスが @gmail.com で終わる無料Googleアカウントで出来るかどうかは試していません。

下準備

先に、不要なメールは削除しておきましょう。

  • ゴミ箱と迷惑メールフォルダを空にする
  • 容量が大きいメールは削除

など。

Gmailの検索欄に例えば larger:30M と入力すると30Mバイトより大きいメールを検索できます。

メール本文は残し、添付ファイルだけ削除できると良かったのですが、そのような方法は見つけられませんでした。(Google Apps Script を書けばできると思いますが)

後述するThunderbirdなら、良いアドオンが見つかるかもしれません。

エクスポート

Gmailにログインした状態で、Googleアカウントの管理画面に入ります。

左のメニュー「データとプライバシー」から「データをダウンロード」をクリックします。
image.png

「メール」にチェックが入っていることを確認し、「次のステップ」をクリックします。
image.png

エクスポート先を「Googleドライブに追加」、ファイルサイズを10GBなどのようにして「エクスポートを作成」をクリックします。
image.png

メールの総量にも依りますがエクスポートに数時間から数日かかります。
「エクスポートの進行状況」からいつでも確認できるので、完了したらGoogleドライブからダウンロードします。

ZIPファイルを解凍すると、mboxファイルがあります。
任意のフォルダに展開しておきましょう。
image.png

Thunderbird で mbox を eml に変換

前のメジャーバージョンである102系の最新を、次のFTPサイトからダウンロードします(記事執筆時点では 102.15.1 が最新)。
前バージョンを使う理由はアドオンが対応しないためです。

64bit版Windowsで日本向けなら、ディレクトリを次の位置まで辿れば良いです。
組織内ネットワークからアクセスしている場合、組織のセキュリティポリシーでexe形式のダウンロードが制限されているかもしれません。
どちらを選んでも良いのですが、一般的には、より安全なmsi形式が好まれます。

image.png

ダウンロードして実行すると、デスクトップにショートカットが追加されます。
image.png

ショートカットからThunderbirdを起動すると、アカウントのセットアップ画面になるので、ダミーのアカウントを作成します。
名前とメールアドレスは適当に入力し、パスワードは空欄、"パスワードを記憶する" のチェックを外して「手動設定」をクリックします。
image.png

下の方にスクロールすると「詳細設定」があるのでクリックします。
image.png

ここで警告が出ますが「OK」で続行します。
image.png

ダミーのアカウントが作成されました。

続いて、上部メニューから「アドオンとテーマ」をクリックします。
image.png

「アドオンを探す」に ImportExportTools と入力します。
image.png

先頭に「ImportExportTools NG」があると思うので、緑のボタンをクリックします。
image.png

アドオンが追加されました。

続いて、左ペインに表示されている「ローカルフォルダー」を右クリックし、「新しいフォルダー」を選びます。
image.png

フォルダーの名前はなんでも良いです。
image.png

作成したフォルダーを右クリックし、[ImportExportTools NG]-[mboxファイルをインポート]-[個々のmboxファイル] を選択します。

先ほどダウンロードしたmboxファイルを指定します。
image.png
すべてのメールがThunderbirdにインポートされたと思います。

「すべてのメール(迷惑メール、ゴミ箱のメールを含む)」を右クリックし、[ImportExportTools NG]-[フォルダー内のすべてのメッセージをエクスポート]-[EML形式]-[メッセージとHTMLインデックス] を選択します。
image.png

任意のフォルダを指定し、emlファイルを出力します。

なお、バージョン102系のThunderbirdは今でもサポートが継続されているものの、将来的にはセキュリティアップデートがされなくなるバージョンなので、使用は今回の用途のみとした方が良いでしょう。

Outlookに取り込み用のフォルダを作成

Outlookで既定アカウントの受信トレイを右クリックし、「フォルダーの作成」から「インポート」という名前のフォルダを作成します。
image.png
後述のマクロでは、このフォルダにemlファイルを取り込みます。

Outlookに複数のアカウントが登録されている場合、必要に応じて既定を変更して下さい。
image.png
image.png

マクロでemlファイルをOutlookに取り込む

手順は、

  1. 任意のフォルダにExcelを置き、標準モジュールに以下のコードを貼付
  2. Excelを置いたフォルダに「未処理」という名前でサブフォルダを作成
  3. 未処理フォルダに、先ほど出力したemlファイルをコピー
  4. コードを実行
Sub 一括インポート()
    Dim olApp As Object, olFolder As Object, oFSO As Object, oFile As Object, oWsh As Object
    Dim sBaseDir As String, s未処理dir As String, s処理済dir As String
    
    ' フォルダ作成
    Set oFSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
    sBaseDir = ThisWorkbook.Path
    If Right(sBaseDir, 1) <> "\" Then sBaseDir = sBaseDir & "\"
    
    s未処理dir = sBaseDir & "未処理\"
    If Not oFSO.FolderExists(s未処理dir) Then oFSO.CreateFolder s未処理dir
    
    s処理済dir = sBaseDir & "処理済\"
    If Not oFSO.FolderExists(s処理済dir) Then oFSO.CreateFolder s処理済dir
    
    ' オブジェクト生成
    Set olApp = CreateObject("Outlook.Application")
    Set olFolder = olApp.GetNamespace("MAPI").GetDefaultFolder(6).Folders("インポート")
    olFolder.Display
    
    Set oWsh = CreateObject("WScript.Shell")
    
    ' メインループ
    For Each oFile In oFSO.GetFolder(s未処理dir).Files
        oWsh.Run "outlook /eml " & Chr(34) & oFile.Path & Chr(34), , True
        olApp.ActiveInspector.CurrentItem.Move olFolder
        oFSO.MoveFile oFile.Path, s処理済dir
        DoEvents
    Next
End Sub

Outlookはマクロが起動するので、Outlookを予め起動しておく必要は無いです。

emlファイルを1件ずつ取り込んでいくので時間がかかります。気長に待ってあげて下さい。
取り込んだemlファイルは「処理済」のフォルダに移動してくれるので、エラーになったら単純に再実行で良いです。
強制中断はESCキーの長押しです。

最近リリースされた「新しいOutlook」はCOMアドインをサポートしないので動かないかもしれません。
マイクロソフトとしては、自動化は PowerAutomate+Copilot にしたいのかもしれませんね。

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