開設して間もないサイトが急にアクセスできなくなった。
Google Chrome での表示
NXDOMAINというキーワードから「あ~その名前のドメインが存在しないのだな」というのがエンジニアならピンと来るだろう。そうでなくても「IPアドレスが見つからない」とわざわざ言ってくれているのだから話が早い。
これが IE とか Edge になると「このページを表示できません」としか案内されないので、ヘルプデスクとしては Chrome を推奨したい理由のひとつにもなっている。
ネームサーバに聞いてみよう
digコマンドでドメインを問い合わせてみる。
ちなみに、hoge.com も hogehoge.com も hogehogehoge.com も hogehogehogehoge.com も全部実在するドメインだったのは笑った。英語圏でメジャーな foo、bar、baz を組合せたドメインも実在する。
$ dig hogehogehogehogehoge.com
; <<>> DiG 9.11.3-1ubuntu1.11-Ubuntu <<>> hogehogehogehogehoge.com
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NXDOMAIN, id: 40185
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 0, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
見るべきところは status:
の直後。通常なら NOERROR(正常)が返るはずだが、ここが NXDOMAIN(名前が存在しない)になっているので名前が引けてないのは明らか。ステータスには他にも REFUSED(リクエスト拒否)、FORMERR(フォーマット不正)、SERVFAIL(DNSサーバ異常)などがある。
whoisサーバに聞いてみよう
WHOIS情報はレジストリまたはレジストラが提供している。
レジストリとはICANNの認定を受けドメインを管理している機関(例:JPRS)。レジストラとはレジストリと登録者の間に入ってドメインの登録申請・審査・情報登録を行う事業者(例:お名前ドットコム)である。さくらインターネットなどはレジストラを通してドメインの登録・販売を行う代理店だ。
今回は、開設して間もないサイト、というのがポイント。
何らかの不備があって、レジストラがレコードを無効にした可能性がある。
$ whois hogehogehogehogehoge.com
Domain Name: HOGEHOGEHOGEHOGEHOGE.COM
:
Registrar WHOIS Server: whois.discount-domain.com
Registrar URL: http://gmo.jp
:
Registrar: GMO Internet, Inc. d/b/a Onamae.com
Domain Status: clientHold https://icann.org/epp#clientHold
Name Server: NS-1437.AWSDNS-51.ORG
Name Server: NS-1701.AWSDNS-20.CO.UK
Name Server: NS-427.AWSDNS-53.COM
Name Server: NS-900.AWSDNS-48.NET
DNSSEC: unsigned
URL of the ICANN Whois Inaccuracy Complaint Form: https://www.icann.org/wicf/
見るべきところは Domain Status:
の直後。
gTLDドメインやccTLDドメインの主なステータス文字列を下表に示す。汎用JPドメインはステータス文字列がちょっと違う。
ステータス文字列 | 意味 |
---|---|
active / ok | ドメインは使用可能 |
inactive | ネームサーバが設定されていない |
renewPeriod | ドメインの有効期限がレジストラによって更新された |
pendingRenew | ドメインを更新するリクエストがレジストリに受信され、処理中である |
pendingTransfer | ドメインを新しいレジストラに移管するリクエストを受信し、処理中である |
clientTransferProhibited | レジストリに対し、現在のレジストラから別のレジストラへのドメイン転送リクエストが拒否されている |
clientHold / serverHold | レジストラによってドメインが停止された |
今回は clientHold になっていた。何の事はない、アクティベーションが済んでいなかっただけだ。
【参考】お名前ドットコム ヘルプサポート
クレジットカード決済をした人(購入手続きをした人)にメールが届いているはずなので、メール本文に記載のURLへアクセスし、認証を完了してもらった。
本番移行前だったので、事なきを得たが、代金未払いとかでも起こり得る話なので、いざという時のためにも切り分け方は覚えておくと良い。
迷惑メール等を恐れ、whoisに架空のメールアドレスや住所を登録する人もいるらしいが、近年レジストリによるチェックが厳しくなっており、存在しない情報を登録したまま放置すると、ある日突然ドメインが停止されることもある。
気をつけよう。