最近、SNSでプログラミングスクールについて色々な投稿を見かけますよね。
で。流れに乗って採用した側の話を書いてみようかなと思いました。
(勢いで書いたので消す可能性もありつつ)
弊社についてざっくり
一言で表すと、最近悪とされている「SESをやってる会社」です。社員も十数名と小さな会社です。
金融系の基幹機系の現場に行っている人〜フルリモートでWebアプリを作っている人、それぞれ言語もバラバラです。
最近の悩みは高齢化です。
私についてざっくり
かれこれ20年弱この業界にいて、SES、受託開発、自社開発と経験をしていますが、一番長いのはSES、という人間です。
金融系から入り、気がついたらPHPのエンジニアになっていました。
SESでエンジニアとして従事している側、人事、営業、を兼務している、一見するとブラックに見えるかもしれない働き方をしていますが、本人はとても充実した日々を過ごしています。
そもそもなぜスクール卒を採用することになったのか
会社を設立してから表立った採用を行ったこともなく「縁故採用」を繰り返し行ってきました。当初はそれでよかったのですが、今のままだと高齢化してしまう傾向にあり、若い風、新しい風を入れたかった、というのがあります。
そんな折に参加した交流会で、プログラミングスクール卒業生の採用を斡旋している企業の紹介を受けました。
ざっくりと以下の点が売り文句になり、それを「良い」と思いました。
- 前職をやめてスクールに参加しているため、意気込みが違う
- 自分でお金を払ってスクールに通っている(ので意気込みが違う)
- エンジニアになるということの厳しさを伝え、エンジニアになる決意の確認を行っている
エンジニアは楽じゃないってことを事前に伝えているというのも良いなーと思いました。特にうちみたいなSESでしかも何百人もエンジニアが参画しているような大規模案件だと、想像してたのと違う、になりかねないですから……ね。
あと、社会人経験があるならそこの教育も省けるね、ってのも理由になりました。
採用基準
採用基準はざっくりと以下の3点です。技術力は後からつければいい、という考えなので、人物やポテンシャル重視です。正直な話、SESの会社ではそんなに高望みできないと思っています。エンド直案件とかあれば別かもしれませんが、ね。
- 既存メンバーと合うか
- いい人
- コミュニケーション能力
面談をしてみて
いいな、と思った人の特徴
採用したい! って思わせる人はやはりいます。面接をした6人中2名は以下ほとんどに当てはまり、本当に採用したかったです。
- 会話が成り立つ
- 主体性がある
- 目標がはっきりしている
- 将来のビジョンがはっきりしている
- 成果物を提出後もブラッシュアップしている(ポートフォリオにするためにAWS契約してサーバ立てて面接時にデモンストレーションしたり)
ごめんなさい、と思った人の特徴
……なかったです。
みなさん社会人経験があるからか大抵上記の1には当てはまるからです。あとは素直でいい子そうだなー、とか、きっとこの社員と話が合うんだろうなーとか、プラスな印象しかなかったです。
採用をしてから
いざ採用してみると当然困りごとも出てきます。
2名採用したのですが(上記とは別の方です)、その2名が対極的で、一人は手がかからず自発的に進んでいくタイプで、もう一人は……下記の通りです。
困ったこと
大きなところとしては、プログラミングスクールはその名の通り「プログラミング」しか教えていないので、ITとはなんぞやから教えないといけなかった点です。
- インターネットの仕組みがわからない
- 当然ながらWebサイトが表示される仕組みもわからない
- サーバって何それ、美味しいの?
- 思っていた以上に覚える(学習する)ことが多い現実を突きつけられて挫折しかけた
- 自己学習の習慣がない(業務外の勉強について抵抗がある)
正直なところ、1〜3 はスクールでやってきているものだとばかり思っていたので(カリキュラムをちゃんと確認しろ案件ですが)、まさかここまでとは、というコストです。面接の時に分からなかったのかよ、というお叱りの言葉を受けても反論の余地がありません。本当にその通りなのですが、色々事情がありました。
あと、新卒採用時に使う外部の言語研修とは、内容も目的も違うものなのだとここで初めて知りました(スクールにもよると思います)。
よかったこと
もちろんよかったこともありますよ。
- 早々に既存メンバーと馴染んだ
それだけかよ! と思われるかと思いますが、これは結構重要で、気軽に相談できる先輩社員がいるというのは大きいと思っています。昨今若手を採用していて思うのは、メンタル面でのケアを手厚くしていかないと挫折してしまったり体を壊してしまったりすることが多いということです。結果、辞めていってしまった前例もあるので、同じ徹は踏まないぞ、ということでできるだけ相談しやすい環境作りに努めています。
みなさんのおっしゃる通り、なところもある
自己学習や自発的に何かやると言う点ではやはり劣るものがありました。でもこれから身に付けてくれたら御の字で、エンジニアの中にはこういうタイプでも仕事している人はいるのだから、スクール卒は〜とか言いたくないなって思ってます。
向いてるか向いてないかで言ったら向いてないかもしれないけれど、向いてないからってエンジニアになっちゃいけないことなんてないですから。
最後に、思うところ
未経験は未経験だけど
新人採用時に使用していた外部の言語研修くらいはやってきているだろうと思っていたので想定外でした。スクールに通ってても、未経験は未経験なので、コーディングする力はさておいて、成果物がどんなに悪くても、実務に入ってみて、実は応用力があってどんどん吸収していって……ということがありました。人の隠れた能力って本当に分からないです。いつその人が開花するか、またはしないのか、採用なんてバクチなので、そのワクワク感がよくないですか。
単純にコストとは言えない
紹介手数料は理論年収の30%と決して安くはない金額でした(採用と言う点では一般的?)。金額に見合うか見合わないかはまだ分からないかな、と(希望的観測です)。
将来的にみたらトントンかそれ以上に化けるかもしれない、いや、化けてくれ! と思ってしまうのですが、きっと化けたらSESなんてやってられない、って辞めてしまいそうです。そうでなくても、そのうちSESは嫌がるかもしれません。すぐに転職してしまうかもしれない。けれど、それがその人のためになっているのならば、社会貢献だったと思って笑顔で手を振りたいと思います。この辺りは、普通の採用と同じことではありますね。
後悔はしていない
採用したことに対して後悔はしていません。
IT業界は怖くないよー。