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マルチプロダクト戦略における「繋げる」戦術

Last updated at Posted at 2022-12-19

はじめに

この記事はHRBrain Advent Calendar 2022カレンダー1の20日目の記事です。

どうも、HRBrainでプロダクトマネージャーをしている近藤です。

弊社はマルチプロダクトとしてサービスを提供していますが、ここ1年ほどで一気にサービスが増えました。
そこで、サービスが増えたことによる様々な負の部分への解消策として、気づけば意識して行うようになっていた「繋げる」戦術についてお話ししようと思います。

「繋げる」戦術って何〜?と、思いましたね?
ネーミングセンスのかけらもないそのまんま語録で申し訳ありませんが、あえてのまんまで行かせてもらいます。

サービスの急成長

我々のサービスはここ1年程で5サービスから9サービスへと一気に増えました。
※タレントマネジメントの領域が4サービス合わせた提供になっています
内部的なシステムの区分けで行くと20弱にも上る状況です。
そしてPdMチームの体制も、3名から6名体制に。
Screen Shot 2022-12-13 at 15.16.30.png

当然、急激な成長は至るところで様々な種類の悲鳴をあげることになります。
色々挙げ出すとキリがないので今回はプロダクトグロースの観点で私が今とても大事にしている考え方と落とし込み方についてお話ししようと思います。

HRBrainのプロダクトマネジメント

まず、ユーザーが必要としている機能というのは、湧き出る泉の如く常に溢れているものですが、(ご要望を頂けているという事実は大変喜ばしいことですね)その中からも様々な観点で選ばれた「今期作るべき機能」があります。

トップダウンで降りてくることもありますし、チーム毎にボトムアップで出していくこともあります。

ではやると決まったその機能を実際どのように、何を提供すれば顧客が価値を感じて使ってもらえるのか?に関してはPdM・デザイナーがリサーチをして業務フローをまとめ、最小の提供価値へと落とし込んでいます。
※実現性のところでエンジニアに入ってもらい、仕様を詰めていきます。

体験を「繋げる」

今までのやり方だと、それぞれの機能単体での体験の最適化に注力しており、サービス間、PdM間での繋がりは最小限でした。

各PdMがそれぞれの担当サービス内で行いたいと考えている機能や、各サービスで持っているデータをどう扱うべきかを個別で考えていたので、それらをHRBrainとしてどう再現・保持し、サービス全体としてどう活用出来るのか(すべきなのか)をPdMチームとして共通認識を持てていない、という状況です。(今もまだこの課題は有り)

それにより、例えば新しいサービスがリリースされた時に、そもそもデータを「こう保持していれば」この実装自体しなくてもよかったよね、といった開発や、サービスの裏側起因で難易度の高い設定が入り込み難しい仕様になってしまっているもの、同じような機能こっちにもこっちにもあるよね。。などの現象が見受けられるようになりました。
コストや工数などを鑑みたその時の最適な決断だったとは思うものの、ユーザーにとっては分かりづらい仕様になってしまう可能性があり、それがサービスが増えたことにより散見されるようになってきたなと感じたのです。

こういった背景から、機能単体での体験の最適化は当然のごとく、全体最適も併せて考えていく必要性があると考えました。
個々のサービスや機能を独立させるのではなく、「繋げて」いく必要があるのです。

上記課題に対しての検討はまだまだ始まったばかりなので、実際に検討した結果何を成し遂げられたか、成し遂げられなかったかは1年後くらいに記事に出来ればな〜と思います。
今回は1つだけ、既に行うことが出来た整理と提案の落とし方について順を追ってご紹介したいと思います。


機能Aと機能Bがやるものとして決まる

それぞれの機能の課題整理、業務理解のためのヒアリングを行う
(※今件はトップダウンで決まった機能だったのでこの順番で改めてPdM、デザイナー側で課題整理とヒアリングを行いました)

AとBの業務フローをFigmaでまとめる
Screen Shot 2022-12-13 at 14.35.22.png
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共通の重要なアクションがあることに気づく
Screen Shot 2022-12-13 at 14.57.19.png

さらに既存のサービスからも同じアクションがあることに気づく
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先々で想定している別のサービス構想の中でも存在するアクションであることが想定される
Screen Shot 2022-12-13 at 15.14.36.png

これらを一括でまとめて管理、閲覧できる場所が必要だと考える
Screen Shot 2022-12-13 at 15.36.16.png

チームメンバーへ説明→PO,PdMに説明→改めてチームメンバー+PdMで整理→PO,PMMへ説明、承認→社長へ提案、承認を得る
※この際、やると決まっていた機能Bに関してはヒアリングやリサーチを重ねた結果、現状の顧客のペインとしては小さい且つ事業へのインパクトも小さいとして今はやらない、という意思決定も同様に承認を得ました。


ここでやったことは、顧客の大きな要望からというよりは、マルチプロダクトとしての併用体験の最大化を図るための施策として、ユーザーにより良い体験をして欲しいという想いを形にすることでした。

私の今の担当はタレントマネジメント領域ではあるものの、その中だけに留まらずサービス横断での機能や体験として提供する必要があるものは、タイミングと必要度合いを判断し、どんどん提案していくようにしたいと考えています。
こちらの機能は実際に今、開発着手し始めた状況です。(リリースが楽しみ!)

サービスとサービスを繋げ、ユーザーの体験を繋げ、単体で使って貰うよりも併用してもらった際に3倍、4倍、5倍の価値を提供出来るサービスにしていきたい!と思うのです。

まとめ

今期、自身のミッションとして「繋げる」ということを掲げており、お話ししたようなサービス観点での繋げる戦術、少しづつではあるものの取り組み始めている組織観点での繋げる戦術、そしてロードマップを作成する際のプロダクトの未来と現在を繋げる戦術など、まさに今注力して試行錯誤をしている状況です。

まだまだ始めたばかりで結果は伴っていないものの、私たちのHRBrainがどんなサービス、組織になって欲しいのかを日々真剣に考え、向き合っています。

ボトムアップでの提案を受け入れてくれる経営陣もさすが懐が深い、と、改めて良い環境に身を置けているなあと気付かされることもしばしば。

最後に

課題、やりたいことは沢山ありますが、そんな中でもプロダクトにも組織に対しても真剣に向き合ってくれる、そんな方と一緒に働きたいなと思っています。

少しでも興味を持っていただけた方は是非お気軽にお話ししに来ていただければ嬉しい限りです!

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