異常検知について、その考え方や手法を調べ整理しました。ここでは、自分なりの解釈や理解も含めてまとめたいと思います。私の思い込みで間違った解釈や記述がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
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1. 異常検知とは
異常の定義は、“通常の動作”として期待されない状態が認識される状態を検知すること、またそのデータパターンである。異常には以下の3種類が存在する。
①外れ値 : データセット内で他のデータポイントから大きく外れている値
②異常状態 : 通常のパターンや期待される挙動から逸脱している状態
③変化点 : データのパターンや分布が突然変化する点
2. 異常検知の目的
■異常を早期に発見
早期発見により障害の拡大を防ぐことができる
例えば企業のセキュリティ対策で導入している時も、障害の内容や原因、解決策、復旧の見込みなどを早い伝達が可能になる
■作業の自動化
自動で検知を行ってくれるので、チェック作業などが不要となり
業務効率の向上や作業員の負荷の軽減につながる
■ヒューマンエラーの予防
外観検査を含む人による目視検査をAIの導入によって減らすことができる
人間が目視での確認をしていると意図せず見逃したりした時に、異常検知を導入することで見逃しがなくなる
■コスト削減
異常検知の導入を行うことで検査員の数を減らすことができる
人件費や置き替え設備を持つ検査員の採用手間の削減につなげることができる
3. 特に使用されている分野
異常検知は特に製造業、IT・セキュリティなどの分野で広く活用されている
■製造業
機械の故障検知や品質管理が迅速に行わる代表的な異常検知の活用例である
・異常を早期に発見
機械の稼働状態を常にモニタリングすることで、異常な動作やパフォーマンス低下の兆候を早期に発見し、重大な事故を未然に防ぐ
・作業の自動化
異常を検知すると自動的にアラームを発生し、機械の操作を調整しないといけない処理を自動で行うことができ、人の介入の必要が減少する
・ヒューマンエラーの予防
人間が行う検査業務を異常検知によって置き換えることで、見逃しを防ぐことができる
・コスト削減
重大な故障や事故を予防し予防的なメンテナンスを行うことで、修理コストやダウンタイムを削減できる
■IT・セキュリティ
サイバーセキュリティやシステム監視はIT・セキュリティ分野での異常検知の代表例である
・異常を早期に発見
サイバー攻撃やマルウェア感染などの異常を早期に発見し、迅速に対応することで、大規模なデータ漏洩やシステム障害を防ぐ
・作業の自動化
システムが自動的に異常トラフィックや攻撃パターンを検出し、対応措置を自動化することで、手動対応を減らすことができ、システム管理者の負荷が軽減する
・ヒューマンエラーの予防
異常検知による監視業務やシステムの自己修復機能により管理者が手動で対処する場合に起こるミスを防止できる
・コスト削減
異常検知によるシステム監視の自動化は人的リソースの削減につながる
4. 異常検知の活用事例
■ねじ締め不良の検知
- 目的
- ・作業の自動化:ネジの締め工程の自動化
- ・ヒューマンエラーの予防:リアルタイムなねじ締め不良を検知
- ・コスト削減:自動化により人件費削減、資源コストの削減
- 手法
- ・自動ねじ締めを行うACサーボシステムの異常検知と回転軸のねじ締めの位置、速度、トルクなどのデータを収集
- ・データから特徴量をリアルタイムで抽出
- ・Isolation Forestを異常判定手法として用いることで、正常データからねじ締め不良の異常検知を行う
参考:https://www.omron.com/jp/ja/technology/omrontechnics/2022/OMT_Vol55_001JP.pdf
5. 最後に
今回の内容は以上です。お読みいただきありがとうざいました。
次は、(2)異常検知のアプローチです。