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文系エンジニアがエンベデッドシステムスペシャリストに合格した方法

Last updated at Posted at 2019-08-15

記事の内容について

H31年度4月、平成最後の情報処理技術者試験・エンベデッドシステムスペシャリスト試験を受験し、合格することができました。受験の経緯、勉強方法、受験を通じて得たものについて述べます。

受験の経緯

私は10年前、SESでプログラマとして仕事を始めたころに、基本情報技術者試験とソフトウェア開発技術者試験(当時)に合格しました。その後、3度高度試験(システムアーキテクト、データベーススペシャリスト)を目指しましたが、途中で断念してばかりでした。
受験の主な目的は、合格することでなく、勉強して知識とスキルを広げるきっかけにしたい、普段の業務と異なる刺激を脳に与えたいといった思いがあります。
なお私は文系出身で、実務で組み込みをやった経歴はありません。「揚力」とか「ノイズ」といった用語は初見でした。

勉強した内容

教本

教本はワンシーズン以上前のものを、中古で買いました。

  • うかる!情報処理教科書 エンベデッドシステムスペシャリスト 2017~2018年版(2016年9月発行。2シーズン前のもの)
  • うかる!情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2018年版(2017年9月発行。1シーズン前のもの)

時間

試験4ヵ月前の1月から開始して、毎日1h~1.5h。仕事から帰ってきてからすぐやりました。
模試を行う日は1日5H。期間中の合計は150hくらい。

勉強方法

月日 内容
1/10 受験申込
教本を読む。ハードウェア、入出力等知識がない箇所から知識を身に付ける。
1/14 AM模試一回目(本番と同じ制限時間で行い、感触をつかむ。)
1/21 AM模試二回目
合格点に達しなかったため、気が引き締まった。
2/2-2/10 AMⅡの問題を1日20問解く。計180問(※1)
2/11-3/3 PMⅠまたはPMⅡの問題を1日1問(計18問)解いて、答え合わせをする。
ここが一番しんどかった。
3/4-3/8 解いたPM問題を見直し(※2)
3/9 全体模試一回目
昨年度の問題を公式Webからダウンロードして行った。
3/10-3/17 引き続き、PM問題を見直し(※2)
3/18 問題選択でソフト・ハードのどちらでいくか検討し、ソフトに決めた
回答を見直した結果、正解率にばらつきが少なかったため。
3/19-3/25 引き続き、PM問題を見直し(※2)
3/26-3/30 AMⅠの問題を1日60問解く。計300問(※1)
AMⅠよりⅡを先にした理由は、序盤の元気があるうちにしんどい方を済ませたかったから。
3/31 全体模試二回目
一昨年度の問題で行った。本番と同じ時間割、解答用紙も本番同様のものを使う。
4/1-4/7 模試で解いた問題を見直し。
公式Webから問題集に載ってない過去問をダウンロードして読む。
4/8-4/20 AMⅠとAMⅡの見直し(※1)
4/19 休養日
4/21 試験(※3)
※1:AMⅠとAMⅡ問題は、一定期間内に出題された問題は出ないというセオリーがあるので、余計な過去問まで勉強してしまわないよう気を付けてください。解けた問題だけを除外していき、解けなかった問題、解けたけどマグレだった可能性がある問題は、繰り返し解きます。過去問は解答選択肢もマルっとそのまま出題されますので、解法の調査、理解に時間がかかりそうで、興味がない問題については、問題文と解答を合わせて暗記してしまうとよいでしょう。私の場合、以下の問題は内容を理解しないまま暗記したところ、実際にH31AMⅡの問15に出題されました。
IMG_20190815_0001.jpg
※2:PM試験は最初まったく歯が立ちませんでした。以下はH26PMⅠのICレコーダの問題に対する私の答え合わせです。字は汚くて読めないかもですが、ほとんど不正解で、真っ赤っ赤ということが分かると思います。1の(1)の問題は「どんな時間を考慮しないといけないか」なのに「~の時間」という答え方になっていないし、2の(1)の(b)は「~すべきタスクを答えよ」なのに「~タスク」という答え方になっていません。題意に対してズレた答え方で、国語力の弱さが深刻です。他にも、問題文で既に明らかになっている情報を解答文に書いてしまったり、特段話題になっていない点について一所懸命述べようとしていたりしました。また、知識はまるで足りておらず、ICレコーダの例だと「バッファ」も「ウォッチドッグタイマ」も理解できていませんでした。
IMG_20190813_0001.jpg

上記の課題に対して、見直しにおいて、なぜ質問を見失ったのか、問題文のどこを理解せず、何が曖昧なまま読み進んでしまったのか、紙に書き出して振り返りました。こういった考え方を正すプロセスに最も時間をかけたことが、合格につながったと思います。
下記はH27PMⅠの自動釣銭機の問題の見直しメモです。黒字で自分の考えをまとめながら問題を理解し、「自分はここが理解できていなかった」と気付かされた点を赤字で書いています。同じ問題について、初めて解くようなつもりになって数回ずつ書きました。
IMG_20190715_0018.jpg
※3:試験当日は1,500円くらいの栄養ドリンクを持って行き、お昼の休憩で飲みました。PMⅠ、PMⅡで最後まで全力を出し切れるよう万全にしたかったからです。結果、安心材料になって十分役立ったと思います。

試験結果

AMⅠは74.8点でした。勉強量からすると、妥当な結果だと思います。AMⅡは84点で、覚えた過去問がたくさん出たので高得点でした。AMはセオリー通り過去問を覚えたことでクリアできました。
PMⅠは65点、PMⅡは71点でした。PMは出た問題と自分の相性があると思うので、これが高かったのか低かったのか判断しにくいところです。
es成績.PNG
年号が令和に変わってから、合格証書が送ってきました。IT企業の面談室の壁によく掲げてあるやつです。会社にコピーを提出すると数万円の報奨金や手当がもらえる企業は多いようです。
IMG_20190715_0005b.png

技術者として得たもの

  • 国家試験合格という満足感。脳がまだ元気だという安心感。
  • 実務での応用。自分がこんなに日本語を正しく理解できず、題意をつかめていないことに気付かされました。改善すれば、普段の要件定義や打合せで活かせると思います。
  • Qiitaの記事をひとつ書けた。
  • 課題としては、ソフトの問題を選択してクリアしたが、ハードの方はあまりレベルアップできず終わってしまったこと。合格できたので、もう一度勉強する気にならないです。少しモヤモヤ感が残りましたが、この仕事に付き物とも感じています。
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