TypeScript で無条件 throw による Unreachable code 判定を回避する

たとえば、このようなコードがあるとする。

interface TestType {
  foo: number;
}

function test(data: TestType | null) {
  if (data === null) return 0;
  return data.foo;
}

デバッグやテストなどのため、test が呼ばれたらとりあえず throw したいとする。

interface TestType {
  foo: number;
}

function test(data: TestType | null) {
  throw "test"; // 追加
  if (data === null) return 0;
  return data.foo;
}

すると、以下のようなエラーが出てしまった。

Unreachable code detected.
'data' is possibly 'null'.

無条件で throw しているためその後のコードが実行されない、というのはわかる。
しかし、data === null のチェックをしているからその下の data.foo の data は null にはならないはずなのに、これが null になりうるという間違った主張をされてしまっている。
迷惑である。

そこで、これを回避する方法を考えた。

試した結果、throw を条件が必ず真になる if 文の中に入れることで、Unreachable code 判定を回避しつつ、無条件で throw を実行できそうであることがわかった。

interface TestType {
  foo: number;
}

function test(data: TestType | null) {
  if (1) throw "test"; // 追加
  if (data === null) return 0;
  return data.foo;
}

これでエラーが出なくなった。
data.foo の data が null になりうるという間違った主張もしてこなくなった。

if (true) throw "test";

では、エラーが出てしまった。

今回は、TS Playground の v5.6.2 で検証を行った。
もしも、将来のバージョンで条件 1 では恒真だとバレてしまい、エラーが出てしまった場合は、

if (!false) throw "test";
if (1 < 2) throw "test";
if (Math.sin(1) < 2) throw "test";

など、もう少し複雑な条件を試してみるといいかもしれない。(将来のバージョンなので、これらで本当にうまくいくかはわからないが)