ラックへのルータ等装置の搭載図の書き方や設計にはガチガチのルールがありません。
正直、常識の範囲であ考えて適当に搭載しても大体なんとかなると思います。
ただ何でもよいと言われると初めての方は逆に困りますし、仕事でやる以上設計ポリシーを聞かれた時にそれなりの理屈を述べないといけません。
そこでラック搭載図を書く際に最低限注意したほうが良いことをまとめてみました。
1.ラック搭載図の書き方
1-1.ラック搭載図は何で書けばいい?Excel(エクセル)?PowerPoint?
職場で前例があるなら、とりあえずそれに従うのが無難でしょう
あえていえばExcelがお奨めです。
1UをExcel(エクセル)の1セルとすれば高さの縮尺の調整が楽です。
PowerPointに資料をまとめる時もキャプチャを貼り付ければいいです。
2.ラック搭載図の設計
2-1.装置の幅・高さを確認しよう
搭載する装置のサイズ(幅x高さx奥行き)を気にする必要がります。
19インチラックや通信装置は、大体EIA(米国電子工業会)という規格に沿ってつくられています。
そのためルータ・SWやサーバなど装置の幅はあまり気にしなくて大丈夫です。
装置のスペック表を見て44cmぐらいであればラックのマウントフレームに付けられると考えてよいでしょう。
高さについても装置のスペック表で大概U数が記載されているためそのまま記載すればいいです。
2-2.装置の奥行きに注意!!
大概のラック搭載図は前面から見た2次元の図になるかと思います。
そのため奥行きについて見逃しがちなので注意しましょう。
EIAではラックの幅や1Uの高さは決まっていますが奥行きは決まっていません。
だから装置の奥行きを確認したうえで適切な奥行きのラックを手配しなければいけません。
また装置の前後は通信線や電力線を接続するスペースも確保しておく必要があります。
2-3.装置の重量を確認しよう
装置の重さに耐えられるラックや別売りの棚・タイプレールを用意しましょう。
装置の重さはシャーシのほか増設する予定のラインカードも考慮しましょう。
装置によってはシャーシの2倍ぐらいの総重量になることがあります。
棚・タイプレールが何Kgまで上に搭載できるかは搭載荷重で確認しましょう。
2-4.保守スペースを確保しよう
装置の排熱や運用後の装置交換(保守)などを考慮して、一般的には装置同士をくっつけて搭載することはありません。
かといって装置同士を空けすぎては1ラックに収納できる装置の数が減ってしまいます。
上記のバランスを取りながらとなりますが、装置同士の間隔は最低でも1Uは空けたほうがよいでしょう。
2-5.0系・1系は別ラックに分けよう
冗長化構成のNWなどであれば装置は0系・1系でラック分けたほうがよいでしょう。
NWの設計ポリシーによりますが、0系・1系の装置は別ラックに分けてリスク分散する設計が一般的かと思います。
2-6.同系統の装置はまとめよう
上記の奥行きまたは配線・電力などを考えると同じ機種・役割の装置は近い場所に配置したほうがよいでしょう。
また将来、装置増設の予定がある場合は増設用スペースも意識して搭載場所を決めましょう。
以上
上記の条件はこれを守れば問題ないという条件ではありません。
装置搭載の叩き台を作る際に考慮したい最低限の初歩的条件となります。
実際には電力・空調なども考える必要があります。
ただ上記を考慮してラック搭載図のたたき台は作れると思います。