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【Rails】 Decoratorパターンとは(コードは動けば良いわけではない)

Last updated at Posted at 2021-06-12

1.はじめに

共同開発中にメンターさんから、「Decoratorについて調べてみて」とアドバイスを頂きました。
実装したい内容が実現できて安心してしまっていたので、「コードは動けば良いわけではないんだな...」と実感しました。
今回はDecoratorについて調べてみました。

2.環境

  • mac.os バージョン10.15.6
  • Ruby 2.7.2
  • Rails 6.1.3.1
  • psql (PostgreSQL) 12.6

3.MVCについて

冒頭でも少し触れましたが、メンターさんにDecoratorについてご紹介頂いたのは、「ビューのロジックに関することを、コントローラで定義してコードを書いていたから」だと思いました。

app/controllers/movies_controller.rb
def index
 #動画の一覧を昇順(1,2,3...)にする
 @movies = Movie.order(created_at: :asc)

 #動画の番号を表示する(ために必要な変数を定義) ←ビューのロジックに関すること
 @base_number = ...
end

どこにコードを書くのか曖昧だと感じたので、まずMVCについて復習も兼ねて書いていきます。

3.1 モデル(M)

データとデータに関わるビジネスロジック(アプリケーション特有の処理)をオブジェクトとして実装したもの。データベースの保存や読み込みを行う。
※オブジェクト:関連する変数(値)とメソッド(動作)をまとめて、そのまとまりに名前を付けたもの。

3.2 ビュー(V)

ブラウザに表示する画面、すなわちHTMLなどのHTTPレスポンスの中身を実際に組み立てる部分。必要に応じてコントローラからモデルなどのオブジェクトなどを受け取り、画面表示に利用する。

3.3 コントローラ(C)

ユーザーが操作するブラウザなどのクライアントからの入力(リクエスト)を受け、適切な出力(レスポンス)を作成するための制御を行う。MとVのコントロールを行う。

4.Decoratorとは

原則として、モデルにはビジネスロジック、ビューではプレゼンテーション(見た目の)ロジックを記述するとした時に、「モデル固有のプレゼンテーションロジックはどこに書けばいいのか?」という問題が発生します。

ビューに書いた場合:モデル固有の処理なのに離れて分散してしまう。重複が発生しやすくなる。
モデルに書いた場合:コードの再利用性やメンテナンス性を損なう恐れがある。モデルが太る。

そこでDecoratorパターンを使うと、モデルごとや利用シーンごとにプレゼンテーションレイヤーの実装をまとめることができます。

アプローチの例

パターン1:モデルオブジェクトをインスタンス変数として保持し、ビュー用の処理を閉じ込めたクラスを作成して利用する

:icecream:例:「アイスクリームのトッピングの処理のクラスを作り、トッピングクラスのインスタンス変数にアイスクリームのインスタンス変数を持たせる」ことでトッピングがのったアイスクリームを表現する。

パターン2:ビュー用の処理をモジュールとして定義し、ビューの文脈でモデルオブジェクトをextendして機能追加する

:pencil:モジュール:一連の振る舞いの設計図を一箇所にまとめたもの。
モジュールはオブジェクトを生成できず、includeメソッドを使ってクラスに取り込んで使用します。

includeはクラス(のインスタンス)に機能を追加しますが、extendはある特定のオブジェクトだけにモジュールの機能を追加したいときに使用します。

 class VanillaIcecream
  # CashewNutsToppingIcecreamというモジュールを取り込みたい
  include CashewNutsToppingIcecream
 end
パターン3:DraperやActiveDecoratorのgemを利用する

gemを導入し、decoratorファイルに記述するという方法です。

# Gemfileに記述
gem 'draper'

①gemを導入し、bundle install(またはbundle)を実行します。
②次に、

# generateはgでも可
# ターミナルで実行する
rails generate draper:install
rails generate decorator movie(モデル名)

を順に実行します。

③decorator.rbにコードを記入します。

movie(モデル名)_decorator.rb
class movieDecorator < Draper::Decorator
 delegate_all # movie(モデル)のメソッドを全て呼び出せる

 def base_number(メソッド名)
   # モデルのメソッドを使用することもできる

 end
end

④decoratorを用いたコードに書き換えます。
(1)コントローラ

app/controllers/movies_controller.rb
def index
 #動画の一覧を昇順(1,2,3...)にする
 @movies = Movie.order(created_at: :asc)

 #動画の番号を表示する(ために必要な変数を定義) ←ビューのロジックに関すること
 @base_number = ...
end

書き換えた後(decoratorインスタンスを作成)

app/controllers/movies_controller.rb
def index
# 複数のオブジェクトの場合はdecorate_collectionを使用する
 @movies = MovieDecorator.decorate_collection(Movie.order(created_at: :asc))
end

(2)ビュー

app/views/movies/index.html.erb
<% @movies.each.with_index(1) do |movie, i| %>
  <p class="movie-title">
     No.<%= @base_number + i %>:<%= movie.title %>
  </p>
<% end %>

書き換えた後(decoratorメソッドを呼び出す)

app/views/movies/index.html.erb
<% @movies.each.with_index(1) do |movie, i| %>
  <p class="movie-title">
     No.<%= movie.base_number + i %>:<%= movie.title %>
  </p>
<% end %>
おまけ

draperやactive_decotratorを調べている際、「ヘルパーと何が違うのか?」混乱してきたので調べたところ、こちらに違いがありました。特定のモデルに関連しているビューの描写に関するものはdecoratorということですね。

5.まとめ

「モデル固有のプレゼンテーションロジックはどこに書けばいいのか?」という問題が発生した時に、「Decoratorパターンを使い、そこに記述しましょう」ということですね。
モデル→decorator→ ビュー
とすることでモデルに関連したビューの表示をすることができました。

6.参考

1.大場寧子他, 現場で使えるRuby on Rails5速修実践ガイド, マイナビ出版, 2018.
2.Rubyのオブジェクトとは
3.draper
4.ActiveDecorator
5.decoratorを導入して、viewの記述をすっきりさせ、modelの肥大化を回避する【Day 3/30 2nd】
6.Rails Viewの表示のためにDecoratorを用意してHelperとModelを助ける
7.12. Decorator パターン
8.instance method Object#extend
9.Decoratorの役割とDraperについて
10.【入門】Draperを使ってみる

7.最後に

記事の感想や意見、ご指摘等あれば伝えていただけるとありがたいです。
読んでいただき、ありがとうございました。

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