実際につくってみよう
シリーズ第3弾の今回は、いよいよ実際に機体を組み立てて、PIDチューニングをしてそれっぽく飛ぶところまでやっていきます。
※第1弾:準備編
※第2弾:プログラム解説編
うまく行かなかったり手際が悪いところも含めて制作の流れを説明します、組み込み初心者の私が悪戦苦闘しながらなんとか作っていく様を楽しんでいただけたら幸いです…
1.ESC・バッテリープラグはんだ付け
まずはフレームの基盤にESCとバッテリーの端子をはんだ付けします
こんな感じです、これでバッテリーから各ESCへ電圧がかかります
2.フレーム組み立て
フレームを組み立てていきます、写真ではわかりませんがネジには緩み対策としてロックタイor緩み止め剤付きネジを使用しています
3.ジャイロをマウント
フレームの中央にジャイロを超強力両面テープで取り付けます。
この際、ジャイロ中央のチップ左上にあるドットが機体の中心になるように取り付けます。
このドットがセンサーの基準点?だそうです
そして配線
4.Arduino・受信機取り付け
エンクロージャーと黄銅スペーサーを用いてジャイロの上にArduinoを、そしてその上に受信機を取り付けます
5.回路パーツはんだ付け
Arduinoに取り付ける回路パーツをつくっていきます。
コレはキャリブレーションやバッテリーの状況を示すためのLED
コレはバッテリーからArduinoへ印加する電圧を分圧するための抵抗と逆流防止のダイオード
下手ながら1つ1つはんだ付けしていきます。
組み込み初心者の完全はんだ付け素人なのでクオリティには目を瞑ってください…これから精進しますので…
6.トラブル:ネジサイズが違う…
ここで1つ目のトラブル発生です。
エンクロージャーの取り付けに使った黄銅スペーサーで、そのまま上部のプレートを脚へ固定するつもりでしたが、ネジサイズが違いました…
黄銅スペーサーはM3なのですが、脚の方はなんとM2.4でした。なんつー中途半端なサイズ…
というわけで最寄りのホームセンターへダッシュしてM2.4のネジとスペーサーを入手して再度取り付け
7.ESC・モーター固定
トラブルもなんとか解決したので、引き続き作業を進めていきます。
電源端子をはんだ付けしただけでプラプラしていたESCをフレームへ固定します
モーターも取り付けしていきます
8.バッテリーマウント
バッテリーは下プレートの下に取り付けます。
回転モーメントを小さくするためにも上・下プレートの間にいれるのが良いのかもしれませんが、それだとバッテリー交換しづらくなってしまうので今回はこっちにしました。
マジックテープとバンドでしっかり固定します
充電も忘れずに
9.トラブル:通電しない…
さあ準備は整いました、いよいよバッテリーを繋いで通電チェックをしていきます、緊張の瞬間…!
…Arduinoは沈黙を保っています(悲
なぜだ、なぜだ…とこれまでの作業記録写真を見ていると…
ダイオード、逆についとるやんけ…!!
というわけで、付け直しました。電子工作1年生にしてもあまりにもお粗末なミス…
無事通電!初めての機械からの反応でした、この瞬間がたまらない…
10.セットアップ確認
今回のドローン製作で用いているBrokking.netのArduinoプログラムには、フライトコントローラーのプログラムだけでなく、センサーや受信機のセットアップ用のプログラムとESCキャリブレーション用のプログラムも含まれています。
まずはこのセットアップ用のプログラムを用いて、受信機からの信号やジャイロによる角度変化が検知できるかどうかを確認します。
ArduinoとPCをUSBで接続し、シリアルモニタからデバッグ結果を確認して作業を進めます
11.トラブル:ESC動作不良
ここでまたしても、そして今回最大のトラブルが…
セットアップが無事終了し、ESCのキャリブレーションを始めたところ、4つのモーターのうち1つが回転しないというトラブルが発生。
しかもその回転しないモーターから白煙が…(絶望
ESCもメチャクチャ熱くなってました。
原因を特定するべく、
・別のモーターに付け替える
・ESCに印加されている電圧を確認
・ESC〜モーター間の接続不良検証
などの検証の結果、どうやらこのESCが不良品らしい。
新品の、しかも天下のDJI製なのに…
嘆いても仕方ないので、前回DJI NAZA M-V2で作った機体で使ったESCを4つ全てひっぺ剥がし、今回の機体へ移植することに。
再度キャリブレーションの結果、4つとも無事動きました!
3つある端子を入れ替えて回転方向をあわせた後にたるみがないよう配線を固定します
12.ペラなしでの動作検証
プロペラを外した状態でスロットルを上げ、機体を傾けたり送信機から入力して各モーターの回転数が適切に変化していることを確認します。
結果、それっぽく回転数が変わっていることが確認できました
13.PIDチューニング
ここからが仕上げのPIDチューニングです。
まずはP・I・DのうちP以外を0にして、Pの値を機体が振動し始める(オーバーシュートする)ところまで少しずつ上げていきます。
動画が無くてスミマセン…あと部屋が汚いのは勘弁してください…
振動し始めたポイントから80%の値で仮値として設定します。
同様の作業をI、Dでも行い、振動しないベストなポイントを探っていきます。
…といっても、もちろん激しく振動しているのは論外ですが、正直ちょっと変えたぐらいでどの程度変化したのかよくわからない…6畳の自室でちょっと浮かせる程度だからわからないのかもしれません、今度ドローン練習場を借りてもうすこしダイナミックに飛ばしてみたい。
そうこうしてそれっぽく各ゲインを設定した結果が、以下の動画になります…!
いかがでしょうか?
それっぽくスムーズに飛んでますし、多少急激にスロットルを変化させて上昇・下降させても振動しないので、割と安定性はあるのかなぁと思います。
というわけで、以上でとりあえず機体製作は完了です!
かなり手際も悪くお粗末で、特に配線が貧弱すぎてコレ一回でも墜落したら即アウトじゃね…?なんて気がしますが、初めてなので今回はコレで良しとします。外では絶対に飛ばさず、安全が担保された屋内でのみ飛ばすので…
こんな適当なドローンですが、それでもイチから作って出来たときの喜びは何物にも代え難いものでした。
プログラムのことがそれなりに理解できて、且つものづくりや空を飛ぶものが好きな方はぜひチャレンジしてみてください!
次回は、もしチャンスがあれば屋内のドローン練習場で飛ばしてみて、その結果をレビューしようと思います!
【引用】
・YouTube:Joop Brokking
・HP:Brokking.net
◯第1弾:準備編
◯第2弾:プログラム解説編