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社内で自動化普及活動を始めて1年で思う事

Last updated at Posted at 2021-12-22

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はじめに。

私は社内でテスト自動化の推進を担当してます。

自動化とはどんなものなのかを社内へ周知し、活用してもらうことが主な仕事です。

2年前、他業種からゲームが好きだという理由だけで、ゲームのソフトウェアテストという全く違う業界へ飛び込みました。

そんな私が入社後初めて取り組んでいることが、この「テスト自動化」であり、それを「教える」ということです。

私の初期ステータス

この記事を書く1年前の自分は「テスト自動化」という物の本質を何も知らない状態からの出発でした。

自動化 = 全部自動でプログラムが処理してくれる

…いや、そこまではいかないが「人間の手以上に万能な物」だという考えはどこか頭の片隅にあったように感じます。
「AI」や「自動化」という言葉のイメージを限りなくプラスに受け取っていたのです。

「テスト自動化」の現実

「テスト自動化」の活用方法は当初私が思っていたものとは違いました。

「全部自動でプログラムが処理してくれる」ものではなく、
リグレッションテストはもちろんのこと、テストケースをテストする過程で手間になる作業を自動化させるなど、作業を効率化するための手段(道具)であることがわかりました。

私の中の誤解が解けると同時に、同じように「テスト自動化」を誤解している人がどれほど社内にいるか気になったのです。

社内のテスト自動化の認識

まず私は、”社内調査”で大きく以下のアンケートを実施しました。

<2021/1月 にアンケート>

・社内開発ツール(全体)の利用率
・案件での利用率
・プログラミングの知識  その他…

社内のツール(全体)に対して何も知らない(わからない)と答えた人が全体の意外にも多数でした。
当時は人間の手で作業を求められる案件も多く、テスト自動化の導入への壁があったのも事実です。
なんとなくわかると答えた人でさえ、自動化といえば「効率化」するものという認識でした。

弊社では、自動化エンジニアが組んだ自動化スクリプトを、案件に所属するテストチームが受け取り使う体制をとっています。
つまりテストチームは自分達でスクリプトを組まないので、自動化についてやツールの操作方法について正しく認識している人が少数であることがアンケートで明確化されたのです。

社内の認識を変えるところから始めないといけない、私の仕事は簡単ではないな、と思った瞬間でした。

まず取り組んだこと

私が一番必要だと思ったのは「知ってもらう」ことです。

弊社は私のように他業種から転職している人がとても多いのです。
そういう人へわかりやすく教えられるのは私にしかできない事だし、使命だと思いました。

そこでメンバーひとりひとりと連絡を取り、研修・勉強会の予定を組んでいきました。
内容は大きく分けて下の2つです。

・自動化の基礎の考え方
・開発ツールの使い方

教えていて思ったこと・意識したこと

1. とにかくわかりやすく伝える

「自動化」と一つ言っても多様な使い方があり、深く説明すると専門的な用語も多くなってしまいます。

あくまで自分の役目は「私のような初心者」にわかりやすく説明することです。

・スライドは図を多くして、補足の事例説明などは口頭説明を交えて話す。
・日々のお仕事と自動化をイメージしてもらえるように、例を持ち出して話す
・もらった質問や疑問点を整理し、自身でスライドへFBする

当たり前なことのように感じますが、読み物としての資料はありましたが、それを人へ伝えるための資料は足りなかったのです。
難しい内容を誰にでもわかりやすくすることはとても大事なことだと実感しました。

私のような初心者にとって、苦手意識を感じている分野は不安も大きいです。

「わかっていて当然だ」とメンバーに要求するのではなく、目線を揃えて寄り添い、不安を取り除いてあげることが大事なのだと感じました。

私は研修の後に「いやだな」と思って終わってほしくはありません。
できれば、「難しかったけどやってよかったな」「導入を検討してみよう」と思ってもらえるように協力したいです。

教える事は、伝えたからそれで終わりではないのです。

2. 教えるときには言葉だけではなく実際に見せて伝える

私も過去に経験がありますが、”わからない” となったときに ”どこでわからないのかがわからない” となりがちです。

口頭で教えてスッとわかる人もいれば、一定の場所で止まってしまう人ももちろんいます。
ちょっとしたことだったら口頭で十分なこともありそうですが、
例えば「▲○というボタンがどこのボタンの事なのかがわからない」といったとき、画面を一緒に見ながら教えてあげた方が伝わりやすい場合もあります。

3. 自ら声をかける

相手に対して声をよくかけるように心掛けています。
学ぶ空間として、質問がしやすい雰囲気が大事だと思うからです。

人によっては、「どう質問していいかがわらない」や「わからないことが恥ずかしい」と感じていて自ら発信できない人もいます。

弊社には若い人が多く、大人しい人が多いです。
その人が声をかけることが苦手なら、私から声をかけて、少しでも話やすくなれば良いなと思っています。

安心感を持って接してもらえるようになること、それが自分の役目だと思ってます。

1年間の活動を通して思うこと

2021年の1年間で、技術系社員全体の65%に対して研修を行ってきました。
スクリーンショット 2021-12-09 113424.jpg
この研修・勉強会を受けたメンバーからは、
「以前より難しそうなイメージはなくなりました。」「取り組む際のハードルが下がった」「テスト自動化への認識が変わった」といったコメントをいただきました。

1年間でどれだけの人がテスト自動化についてベースが理解できたかは実際のところ目に見える成果としてわかることではありません。

正直、自分自身への達成感や、やった!という思いに未だ直結したことはまだ無いです。
社内浸透させるためには、まだまだ道のりが長いと思うことばかりです。

それでも、その後案件で活用したとの連絡や、質問などで声をかけてもらえると「活用してくれているんだな」と感じてとても嬉しい気持ちになります。
1人ひとりが自動化について正しい知識を身につけて、今後は活用していってもらいたいです。

そして私自身、活用していただくのに必要な協力はどんどんしていきたいと思います‼

最後に

私の仕事は今も変わらず皆さんにテスト自動化を「知ってもらうこと」です。

・とにかくわかりやすく伝える
・教えるときには言葉だけではなく実際に見せて伝える
・自ら声をかける

基本的なことですが、どんな教育の現場においても大事なことだと思います。
今後も、基本に忠実に邁進していきたいと思います。

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