はじめに
この記事の執筆環境
この記事の執筆は以下の環境で行っています。
Studio 2025.0.167 STS(Community License)
言語:日本語
この記事は
UiPath ブログ発信サマーチャレンジ 2025の13日目の記事になります。
なにをするの
UiPath Friends 九州 でLTした際に作ったあいさつエージェントを少し解説します。
LT資料はコチラ
デモ動画の動いているところはコチラ
与えられた「時間」を元に、その時間にふさわしい あいさつ を返してくれる、あいさつの達人とも言えるAI エージェントと、あいさつの翻訳を行うAI エージェントの2つのAI エージェントを呼び出して、対応した「あいさつ」の生成と「あいさつの翻訳」を行った後、Gmailに通知を行う。
という Maestro で作成した Agentic Process を Autopilot for Everyone から実行するという内容となります。
解説ポイント
デモの中で「Autopilot for Everyone(A4E)からエージェントを含んだワークフローの呼び出し」の部分について、2025年7月時点では少しコツが必要な部分となっていたので、解説したいと思います。
Autopilot for Everyoneからのワークフロー呼び出し
機能紹介
Autopilot for Everyone(以下、A4E)とは、UiPath Assistant に追加された Chat GPT のようなAI アシスタントになります。Chat GPT との大きな違いは、RAGの仕組みを UiPath の中で構築できる点、UiPathで作られたオートメーション(今までに作ったロボット etc.)を呼び出せる点が挙げられます。
冒頭で紹介したデモでは、呼び出すオートメーションとして Maestro で構築した Agentic Process を呼び出そうとしています。
A4Eから呼び出すオートメーションの設定
呼び出すオートメーションは次の画面から設定ができます。
Automation Cloud > 管理 > AI Trust Layer > ツール > ツールを設定
遷移先の画面で必要事項を入力していくだけで、簡単に設定ができるのですが、ひとつ異変が。
AISATU.Agentic.Process には「あいさつの生成」に使用する「時間」を受け渡すための引数が設定してあるのですが、設定画面に引数が出てきません。
疑問に思いつつも、そのまま設定を完了したところ、やはり実行時にエラーが起きてしまいました。
対応方法
それならば。と思いついたのは、通常の RPA ワークフローで Agentic Process をラッピングしてしまう方法。
Agent Builder など、各種エージェント機能が実装されたタイミングで、「ジョブを実行[Run Job]」というアクティビティが登場しており、このアクティビティを使用することで Agentic Process も呼び出すことが可能となっています。
※ 「エージェントを実行[Run Agent]」とうアクティビティもプレビューで存在しているので、将来的には役割が分かれる可能性もあります
Studio Web を使って、実際にAISATU.Agentic.Processを呼び出すように設定してみた様子がコチラ
入力引数についてもマッピング用のGUIが開いてくれるので、設定が簡単になっています。
作成したワークフローをパブリッシュして、再度、A4Eのツール設定から呼び出しの設定を試みてみると、無事に引数設定が出てきました!
LTで流したデモ動画も、このようにして Studio Web で作成したワークフローを経由することで、Maestro で作成した Agentic Process を動かすことに成功しています。
おまけ
A4Eから定義できない理由の考察
Maestro の画面ですが、2025年7月現在では変数パネルが無いです。
今回設定したかった time という引数は開始イベントの中で定義しています。
テスト実行の際はグローバル変数パネルに出てくるのですが、これが開発画面では見ることができません。
また、Agent Builderで作成するエージェントの変数は JSON のスキーマで定義されているため、単純な値の定義にはなっていません。
👆パッと見は変数のように見えますが、
👇表示方法を変えるとこのとおり。
以上のことから、A4Eのツール定義がこの形式に対応しないことには、設定に出てこないのではないかと考えられます。
※2025年7月現在はそもそも実行時にプロセスIDエラーで実行もできないため、対応にはもう少し時間がかかりそうです。
さいごに
今回の記事は以上です。
LTの発表内容からは読み取れない部分の解説となりました。
読んでくださった皆さんもぜひ、あいさつエージェントを作って動かしてみてください。
この記事を通して、少しでも多くの方のエージェンティックオートメーションのハードルを下げられたならば、幸いです。