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Swift メモリリークのつまずきポイント

Last updated at Posted at 2021-03-24

メモリリークが発生していることはわかるが、その原因がわからない。

このような質問を、聞くことが多々あります。

行き詰まる方の助けになれればと思い、
今回、そのポイントをまとめてみました。

知ってる方は「あるある!!」と思っていただければ幸いです。

メモリリークって何?

tumatta.png
何かが邪魔をして、画面を閉じてもインスタンスが残ったまま消えないという現象。
これでは、メモリが解放されません。

つまり、これを繰り返していると どんどん動作が重くなり、最悪の場合 アプリが落ちます

memoryLeak.png
アプリが落ちる…

それだけは避けたいですね。
ということで…
早速、見落としやすいポイントを見てみましょう。

メモリリークのパターン・解消

メモリリークの発生箇所は、決まって2つ。

  • クロージャー (closure)
  • デリゲート(delegate)

では、何が原因?

全て 強参照 が原因です。

1. クロージャー (closure)

クロージャー とは、処理(関数)そのものを「値」として 変数に格納できる もの。
引数として使えば 、特定の処理を設定して…呼び出した後に実行したり。
とにかく便利なんです。彼。

ただ、そのままにしておくとメモリリークを引き起こします。

ご安心ください。弱参照 [weak self]全て解決します

class TestClass {
  var text = "test"
  lazy var testClosure: (() -> ()) = { [weak self] in // <- ここ
    print(self?.text)
  }
}

クロージャー を生成した際、クラス内の変数・関数を呼び出していないか( self を普通に、または暗黙的に使っていないか)をチェックしてください

もし使っていたら、[weak self] を使いましょう。

別クラスからクロージャーをセット

TestClass2 という別のクラスから、testClass にクロージャーを変数にセットします

class TestClass2 {
  var text = "test"
  var testClass = TestClass()

  func setClosure() {
    testClass.testClosure = { [weak self] in
        print(self?.text)
    }
  }
}

この場合、残念ながら 弱参照 [weak self] だけでは問題は解決しません。
別クラスのインスタンスが絡んでしまって、自動ではインスタンスが解放されなくなります
結果、TestClass が解放されません。(TestClass2 は解放される)

インスタンスを解放する前に、
処理を書いて、クロージャーを解放する必要があります。

class TestClass {
  var text = "test"
  var testClosure: (() -> ())?

  ...
}
testClosure = nil

DispatchQueue

DispatchQueueUIView.animate 等の場合は、基本的には不要です

ただ、メモリリーク以外の問題があります。
実行時点で既に self となるインスタンスが解放済みである場合、落ちます。(nilを強参照したら…そりゃね)
危なさそうな場所には、つけておいた方が無難ですね。

DispatchQueue.main.async { [weak self] in // <- ココ
    self?.image = image
}

要は、一瞬で終わらないような非同期処理のあとに、DispatchQueueを使ってるケース。
Web経由の非同期処理の後に、UIを変更する」…といった場合に必要です。
(その場合、DispatchQueue より外の問題だけど)

危なさそうな場所には、つけておいた方が無難ですね。

guard let でもっとシンプルに

testClosure = [weak self] in
  guard let `self` = self else { return }

  // 中の処理
  print(self.text)

}

普段通りの書き方ができるほか、
クラス自体がすでに解放されている場合は、処理を安全にキャンセルします。

2. デリゲート (delegate)

外側にあるクラスから処理を呼び出したい時に使う、アレですね。
その点は、もうご存知かと思います。

こちらも強参照によるもの。
デリゲートを自作する場合、そのままだとメモリリークが発生します。

ここでの ポイントは2つ です。

  • delegate を格納する場合、弱参照 weak にする。
  • delegate の protocol は、AnyObject を継承しておく。
class TestClass {
    weak var delegate: SampleDelegate?
    ...
}
protocol SampleDelegate: AnyObject {
    ...
}

これだけ。

URLSession

URLSession を使用する際にも注意。元々、デリゲート自体が強参照されています。
流石に、ここを弱参照にすることはできませんね。

ここでは、対応策が2つ ほどあります。

  • URLSession.shared を使う(こちらを使っているなら、そもそも発生しない。)
  • invalidateAndCancel() 等の 専用メソッド で、セッションを明示的に無効化する。

前者は URLSession.shared が使える場合ですね。
細かい設定は使えませんが、大抵はこちらで良いかと。

後者の専用メソッドについては、こちらの記事が参考になります。

【その他】

本記事は例の紹介です。
極力、別の話題は省いています。

メモリリークの仕組みに関しては、以下の記事が参考になります。

ARC(Automatic Reference Counting) と呼ばれる機能を、swiftは有しています。
今回の問題も、全てはこれに基づいていますね。

cheakMemory.png

また、
メモリリークが発生しているか、チェックしたい 場合はこちら。

ということでね

メモリリークのパターン(例)をまとめました!!(パターン紹介以外はほぼ記事のリンク紹介ですが)
思い当たる内容はあげましたが、その他にもある場合は教えていただけると助かります。

原因に関する詳しい事柄は、多くの方々が記事にまとめてくれていると思います。
そのため、本記事は「メモリリークから原因につなげるための記事」として書きました。

原因さえわかれば、それらの記事にたどり着けると思います。

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