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【統計検定準1級】育休中に4ヶ月で合格した勉強法

Last updated at Posted at 2023-12-11

はじめに

この記事は、育休中に統計検定準1級にチャレンジし、死闘の末に合格を掴んだママの体験記になります。準1級へのチャレンジを迷われている方への後押しになればと思います。一発で合格できずに何度も受験し大変でしたが、振り返れば取り組みが甘かった点も多々ある為、ぜひ反面教師にして下さい。

スペック/合格までにかかったコスト

・学歴:国立大理系学部卒、ただし大学時代は勉強した記憶なし(バイトと遊び漬けの日々でした)
・統計学習歴:2022年8月 統計検定2級 合格。
・データ分析実務経験:ほぼ無しに近い。
・学習期間:4ヶ月
・勉強時間:約300〜400時間
・合格までの受験回数:7回目で合格

大学受験時にひと通り数学はやっていて(線形代数を除く)、データサイエンス職ではなくても4ヶ月ひたすら向き合えばギリギリ合格できました!という感じです。

育児と勉強の両立について

我ながら頑張ったと思います。
育休中ですが、24時間子育てと向き合いながらでも何とか時間を捻出する事で、1日0.5〜MAX3時間程、勉強に充てていました。夜間2回の授乳で睡眠時間が安定しない状況に加え、ラスト2ヶ月はワンオペ状態だった為、心身ともに辛い状況でした。更に海外引っ越しを予定していた為、国内にいる間の限りあるチャンスの中で合格を勝ち取りました。最終的には抱っこしながら勉強する為に、数式や暗記物を紙に書いて壁に貼って脳内で計算したりしていました。

育児については、つかまり立ちにハイハイにと猛スピードで息子が成長して目が離せず。更に離乳食を断固拒否と苦労が絶えませんでした。
育休中のリスキリングが話題になりましたが、個人の状況によると思うので無理しないでください。

欲しい支援といえばベビーシッター利用補助と受験費用の償還払いなどがあったらいいのでは、と思います。一時預かり出来る保育園を探しましたが、どこも満員。ベビーシッターは高額の為結局一人で何とかしましたね…。

試験結果

67点で合格しました。

6回不合格となり、7回目での合格でした。
渡米予定の飛行機の4日前という、非常にギリギリの戦いで何とか合格にこぎつけられたのはいい思い出です。6回目の不合格から7回目の受験日までは渡米準備に追われて10日で2時間程しか勉強出来ず、とりあえず身体だけ受けに行ったところまさかの合格。諦めた頃に受かるって事?

複数回受験について

7回も受ける羽目になるとは予想もしませんでした。しかし、ワークブックを1周終える前に敢えて初受験した事は良かったと思います。ワークブックは広範囲・難解かつ、過去問と少し問題の形式が異なります。その為、試験本番の情報が薄いまま不安な状態でワークブックを進めていましたし、難しすぎて、そもそも自分が学習を継続できるのか半信半疑でしたが、敢えて受験した事で「やり続ければいつか受験できそう!」と自信に繋がりました。

チャンスが限られている、受験費用は会社持ちという理由から勉強不足を感じていても短スパンで受験を繰り返していました。数打てば当たるのでは、という薄い期待もありましたが広範囲の為、いくらでも新しい問題に当たります!
問題の相性といえばそれまでですが、個人的には受験回毎の難易度には差があると感じました。

使用した教材まとめ

メイン

1.【書籍】統計学実践ワークブック
2.【書籍】統計検定準1級公式問題集
3.【Youtube+ブログ】とけたろう先生準1級講座 ※有料
4.【Youtube】川口雄也先生

サブ

5.【書籍】統計学入門(東大出版)
6.【書籍】多変量解析入門(通称緑本)
7.【書籍】例題でよくわかる はじめての多変量解析
8.【Youtube】データサイエンスLab.様
9.【Youtube】AIcia Solid Project様
10.【Youtube】ヨビノリ様
11.【Youtube+ブログ】とけたろう先生統計検定2級講座

1.【書籍】統計学実践ワークブック

教材というより、ここから問題が出ます。

【取り組み方】

・1周目は、章末問題に取り組み、分からない問題は30分かけても理解出来なければ、不明点をメモしつつ次に行く事を意識。
・2周目は、1周目で理解出来た問題に対しては忘れている部分を復習し、得意分野を作る事を意識
・以降は、試験本番で出来なかった部分や詰めが甘い部分を何度も復習。

【反省点】

・章末問題だけでなく例題も着手する!
・問題だけでなく本文をしっかり追う!
・ヤマを張らない!油断大敵!!

例題に関しては、章末にはない例題もある、例題を通して理解のチェックが出来るような章もある等の理由からやるしかないです。

本文を追うというのは、文字通りで数式については数式の展開を、用語についてはしっかり定義を押さえる、等という事を指しています。例えば5章6章の確率分布は章末問題になっていない分布も関数、期待値/分散、母関数をソラで導出/暗記するレベルまで。

そしてCBT方式21問でも、満遍なく出題されます。

私の場合、上記3点全て甘く、何度も受験する羽目になりました。
それでも最終的に合格出来た私が、ワークブックの理解を深めるために使用した教材が以下に続きます。

2.【書籍】統計検定準1級公式問題集

これも統計検定そのものの過去問なので、必須で取り組むべきかとは思います。が、最終的な優先度はワークブック>過去問という取り組み方になりました。

【取り組み方】

・ワークブック1周目に着手する前に、パラパラめくり分からない用語をメモ&問題ごとにワークブックのどの章に当たるのかを分類。
・ワークブックを1章進めるごとに、分類された問題に年度横断で着手。

個人的に用語のメモや分類といった作業の先に、出題傾向を掴める事に意味があると考えました。実際、過去問内で用語に一度触れる事で、ワークブックで出てきた際により意識する事ができました。
ただ問題演習においては、過去問を極めるよりは、ワークブックを少しでも完璧にした方が合格に近づけると考えています。

【ワークブック>過去問で取り組んだ理由】

・ワークブック32章のうち過去問で一度も出題されていない章があり対策が不十分になる(2章.モーメント母関数/13章.ノンパラメトリック検定等)

これが大きいです。過去問で一度も出ていなくても、CBTでは出る分野も結構あります。

3.【Youtube+ブログ】とけたろう先生準1級講座 ※有料

この記事で最もオススメしたい教材です。

【特徴】

・有料noteを購入する事で、全講座のブログ閲覧+Youtubeの限定動画が視聴出来る
・ワークブックの章ごとに動画1本+ブログ記事の構成
・Youtube動画は丁寧に作り込まれたスライド形式の為非常に見やすい
・ゆっくりかつハッキリ口調
・ブログは、動画+αで数式の証明も豊富
・1記事ごとにオリジナル問題が1問最後についていて、実力がつく

【オススメポイント】

・とけたろう先生ご自身がワークブックやCBT試験を研究し尽くされている
・ワークブックでの理解しにくい部分がより具体例を通じて理解できる
・ワークブックの進めるべき章の順番を独自に提案している
 (ワークブックを最初から順番に進めない!)
・「ここは理解できなくても大丈夫」等、説明に緩急がある
・どのような問題が問われる可能性がある等、試験本番に対するアドバイスがある

【取り組み方】

・ブログ記事を読んだ上で、不明点を抑えつつ後から動画を観る
・記事を読む体力がない時は先に動画を観て、復習としてブログを読む
・PCで動画を視聴しながらスライドごとにスクリーンショット→パワポに貼り付け→自宅印刷し後から不明点などを書き込んでいく

【まだ語りたい】

とけたろう先生の準1級講座は、細部までこだわりと美学が感じられます。
準1級は2級と比較して数式の展開でついていけなくなる部分が多々ありますが、苦手な分野は0.75倍再生で完璧に言葉1つ1つについていけるレベルで何度も視聴したりしていました。ワークブックには無い問われ方でも、とけたろう先生の作成問題を解く・しっかりブログ記事を追うことで力が身につき、本番の得点に直結した部分もありました。

4.【Youtube】川口雄也先生

次にオススメしたい教材です。
なんと、ワークブックの章末問題1問ごとに1本の解説動画を出されています。
ご自身も統計学を独学で勉強されており、また本業が塾講師とのことで、初心者に寄り添った解説が分かりやすかったです。

5.【書籍】統計学入門(東大出版)

2級の学習時に購入したものの、当時難解で活用しきれなかった本です。
準1級範囲うち一部しか扱われていませんが、載っている部分は解説が丁寧で、ワークブックの理解を深めるのに重宝しました。

【取り組み方】
確率分布、重回帰分析、モーメント法、最尤法等で本文を読みました。

6.【書籍】多変量解析入門(通称緑本)

ネットの合格体験記でも使っている人が多かった為購入。
説明がワークブックより分かりやすい。

【取り組み方】

ワークブックの章ごとに、該当する部分を読み、例題などに着手。
ただし、線形代数の扱いに不慣れだった私はこの本よりも次の本の方が取り組みやすかったです。

7.【書籍】例題でよくわかる はじめての多変量解析

タイトルにある通り例題を通して概念の理解が深まる本です。

【取り組み方】

ワークブックの章ごとに、該当する部分を読み、例題などに着手。
6の【書籍】多変量解析入門(通称緑本)と比較して、数字で問題が作られている部分が多く、より初心者向けかと思います。

【反省点】
多変量解析は、何度も受験した私の場合得点率が最もバラついた分野でした。サブに留めずに、ワークブックの本文が読めるようになるまで、これらの入門書で重点的に学習すべきだったかと思います。

8.【Youtube】データサイエンスLab.

どちらかというと2級向けの動画が多いですが非常に助けられました。

【特徴】
・10分前後のコンパクトな動画
・数式を追うというより視覚的な説明が分かりやすい
・「何故〜〜〜なのか」といった原理がわかる

【オススメ動画】
直交表
判別分析
マハラノビス距離

9.【Youtube】AIcia Solid Project

書籍も出版されており、著名なお方かと思います。試験対策というよりは、概念の理解の補助として活用しました。ご自身がデータサイエンスを楽しんでいる様子が動画から伝わり、楽しく視聴させていただきました。

【オススメ動画】
【ベイズ統計その①】条件付き確率と Bayes の定理【時間の流れを意識せよ!】
【ベイズ統計その②】この推定、もっとももっともらしいってよ…!【最尤推定のお話だよ!】
【ブラックショールズ方程式への道①】ランダムウォークとブラウン運動【確率微分方程式の基礎】

10.【Youtube】ヨビノリ

大学数学・大学物理を予備校風の授業形式で解説されている方です。

線形代数の再生リストを全て視聴し、数学の知識を補完しました。
解説がとても分かりやすい。

【オススメ動画】
【大学数学】線形代数入門①(概観&ベクトル)【線形代数】
 全26本あります。

11.【Youtube+ブログ】とけたろう統計検定2級講座

最後にとけたろう先生(※再)です。
2級講座は無料で提供されており、自分自身2級受験時にお世話になりました。

【特徴】
前述した準1級講座と同形式です。
2級講座で非常に分かりやすかった為、準1級講座は迷いなく購入しました。

【取り組み方】
ブログの章末問題に取り組み、完璧を目指す。

仮説検定等、準1級の試験でも2級範囲は出題されますので、2級範囲を潰すにはとけたろう先生のブログの問題がオススメです。過去問でもいいと思いますが、重複がない・過去問を包含している点でとけたろう先生のブログで1周+足りなければ確率分布のみ2級過去問 というように取り組みました。

最後に

こんなに大変だったのか、と体験記を書きながら当時を振り返りました。
勉強法については最初から固めすぎずに、Xで同時期に勉強されている方々と情報交換しながら進める事で、最後まで学習を続けられたと思います。

Xでは同じ様に奮闘し合格されている方が多く、不明点を教えて頂いたり、鼓舞し続けて下さったりと皆さん本当に優しいです。Xで関わって頂いた方々、本当にありがとうございました!諦めそうになった時は、是非学習の記録をXでポストし、仲間を見つけることをオススメします!!

2級の1つ上にあたる準1級、難解なだけあって勉強する価値は大いにあると思いました。学習に苦しんでいた際、「最終的に受からなくても価値ある勉強だ」と言い訳しそうになりましたが、試験である以上、最終的には結果が全てだと思います。満点を取らなくても6割で合格できますし、逆に合格しても本番の6割強しか理解していなかったという事なので、今後も頑張って行きたいと思います!
 
乱文ですが、最後までお読み頂きありがとうございました。

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