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むかしむかし、あるところに
Moziいさんと、Moばあさんがおりました。
Moziいさんは、2011年、Githubというソースコード山でBoot to Geckoプロジェクトのリポジトリを作り
Moばあさんは流通チャンネル川で、市場に出て行くコードの洗濯(選択)をしておりました。
Moばあさんが川で洗濯をしていると
川上から大きなビジョン(あるいは野望)がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
(この間、実に2年足らずのハイスピードで流れてきました)
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Moばあさんが持ち帰って切ってみると
なかから元気なGonk、Gecko、Gaiaの3つの主要なソフトウェアレイヤーが出てきました。
そしてそれらはみるみるうちに悪魔合体してFirefoxOSが生まれたのです!
"html5としてWebアプリと同じように実装すればFirefoxOS用スマッホンアプリが作れる!"
と言ったこれまでスマホアプリに携わってなかったWebエンジニアに非常に大きなインパクトを与えて誕生したFirefoxOSは、各社にいろんなアプリを作られてすくすくと育ちました。
なかでもLINE, Twetterがちゃんと使えてスマッホンとしての役割を果たしていた事と、たしかオムロン社が日本語IME作ってくれたのがありがたかったです。オムロンさん、ありがとう。
私はこれでフリック入力を学んだw
3
そんなある日、FirefoxOSは言いました。
「Moziいさん、Moばあさん、世間ではiPhone鬼とAndroid鬼が市場を独占してるとのことです。
ちょっと一石投じてきます」
Moziいさんは「狐がかわいいオープンソースOS1」の旗を作って持たせました。ふぉくすけがデザインされていました。
MoばあさんはFirefoxOSを各所に組み込んでもらえるようプロモーションを欠かしませんでした。そしてモバイル業界から絶大な反響をもらいました。
FirefoxOSが鬼退治にeBayを歩いてると、向こうのスペインやアメリカのショップからZTE Openがやってきました。
「FirefoxOSさん、お腰につけたFirefoxOS、一つインストールさせてくださいな」
「あげましょうあげましょう。
あなたは技適とってないから、PCと繋いで開発機とするならあげましょう」
こうしてZTE Openは開発機という名目で主にeBay経由で輸入されました。
FirefoxOSがYahooショップを歩いてると、今度は中国のT2Mobileの方向からFlame端末がやってきました。
「FirefoxOSさん、お腰につけたFirefoxOS、一つインストールさせてくださいな」
「あげましょうあげましょう。
あなたは技適とってるのに技適マークを刻印してないから、いちど返品して技適マークをつけてくれたらあげましょう」
こうしてFlame端末は、中国からの輸入ルートを伝って日本のECサイト(主にYahooショップ)経由で、一度回収事件などがありましたがちゃんと輸入販売されました。
ちなみにこちらが実物です。
※ 左がFlame、右がZTE Openです。背面デザインが今でもイケてるカッコイイ。
FirefoxOSが歩いてると、今度はKDDIショップの方からFx0端末がやってきました。
「FirefoxOSさん、お腰につけたFirefoxOS、一つインストールさせてくださいな」
「あげましょうあげましょう。
あなたはギーグ向けと言われてるけど、ギーグはすでにFlame端末を買っちゃってるから、多分買われないと思うよ。東京湾にしずめられないように注意してね」
こうしてFx0端末も一応ついてくることにしました。
※画像はWikipediaより引用 : https://ja.wikipedia.org/wiki/Fx0
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そして一向がAppleGoogleヶ島につくと
そこには、Android鬼とiPhone鬼がおりました。
「市場独占はやめるんだ!」
FirefoxOSたちは果敢に鬼に挑みましたが、鬼との戦いは厳しく、最終的にモバイル開発は終了となりました。
ジョブスのカリスマ性が牽引する洗練されたデザインには追いつかなかったし、
一方でオープン信者のAndroid開発者達のほとんどは、ユーザーがほとんどいないFirefoxOSへの開発にシフトするよりも、現行のユーザーと市場規模を大事にしたのです。そりゃそうだ。(諸説ございます)
5
こうしてFirefoxOSはスマートフォン市場を撤退しました。
その後クローズするまでにIoTに舵をとり
パナのスマートTV用OSに3代に渡って搭載されましたとさ。
さようなら、すべてのFirefoxOS!
...もっと流行ってほしかったです!(感想)
(おしまい)
あとがき
定期的にFirefoxOSが懐かしくなるので、記憶が生きているうちに書きました。
当時iPhoneはまだソフトバンクからしかでておらず(※)<=docomoキャリアでした。
AndroidはなんかEcripseばりのAndroid Studioの動作がもっさりしてるのがどうも相性に合わなくて、
スマートフォンを買い渋っていたところに、FirefoxOSのスマートフォンが入手できるようになったので、eBayで輸入したところからハマりました。
本当に当時のスマートフォンアプリってどうやって作るんだー???時代だったところに、
htmlでアプリ作れるってのが本当に衝撃的で
あ、これなら私もアプリ作れるかもしれんと思ったりしました。
購入初日徹夜して電卓アプリ作ったぞい。
※ 2013年7月にZTEOpen端末発売
2013年の9月からiPhoneドコモ発売 ・・・2ヶ月の差でしたが私はFirefoxOSを買ったのです。
IME入れるのにも苦労して、しばらくローマ字と英語でLINEしてましたw
友人から、あいつすぐローマ字でLINEしてくんねんけどなどとネタにされてたりしましたw
いろいろアプリ開発の勉強とかしてた矢先にFirefoxOS開発終了の話がながれてきたときは悲しかったです(泣)
周囲でもだれも使っている人がいなくて結局孤軍奮闘みたいな感じだったですけど
それでもFirefoxOSと一緒に開発してた青春時代はいつまでもわすれられませんね...
またMozilla発のオープンな開発プラットフォーム的なものが出てきたら開発してみたいです。
参考
この挿絵はAdobe Fireflyによって作成されました。