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NetBoxを使った構成管理入門:初心者向け完全ガイド

Last updated at Posted at 2024-09-10

はじめに

本記事の目的

本記事では、NetBoxをデプロイし、構成管理を始めるための具体的な手順を提供します。初めてでもNetBoxを簡単に導入し、ネットワーク管理を効率化できるようサポートします。

本記事の対象者

NetBoxを使って構成管理を始めたい初心者の方を対象にしています。わかりやすい手順で、実際のデプロイメントをサポートします。

NetBoxとは?

NetBoxは、ネットワークとデータセンターの構成を効率的に管理するオープンソースのツールです。以下の機能を提供します。

  • 資産管理(Asset Management)
    ネットワークデバイス、サーバー、ラック、ケーブル、IPアドレスなどの物理的および論理的資産を一元管理できます。予約機能も備えています。

  • IPアドレス管理(IPAM)
    IPアドレス空間の効率的な管理と追跡を支援します。これにより、IPアドレスの使用状況を把握しやすくなります。

  • ケーブル管理
    物理ケーブルの接続状態や管理をサポートします。これにより、ケーブルの配線状況を可視化できます。

  • レイアウトと容量計画
    ラックやデバイスの物理的配置を可視化し、電力や冷却などの容量計画をサポートします。

  • トラブルシューティングと監査
    変更履歴の保持や担当者の管理を行い、トラブルシューティングや監査の助けになります。

  • 自動化のサポート
    APIを通じて他のシステムやツールと連携し、データ登録やポートの自動アサインなどを自動化できます。

環境

本記事は、事前に準備した以下の環境を用いて実施しています。

  • AWS EC2
    使用しているOSはUbuntu 24.04です。
    EC2を使用する場合、構築したNetBoxにアクセスするために、パブリックIPアドレスを確認しておく必要があります。

  • Docker
    NetBoxのデプロイは複数の方法が存在しますが、導入が簡単なため、本記事ではDockerを利用します。
    以下のコマンドでDockerをインストールします。

    
     ### Add Docker's official GPG key:
      sudo apt-get update
      sudo apt-get install -y ca-certificates curl
      sudo install -m 0755 -d /etc/apt/keyrings
      sudo curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg -o /etc/apt/keyrings/docker.asc
      sudo chmod a+r /etc/apt/keyrings/docker.asc
    
      ### Add the repository to Apt sources:
      echo \
        "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/docker.asc] https://download.docker.com/linux/ubuntu \
        $(. /etc/os-release && echo "$VERSION_CODENAME") stable" | \
        sudo tee /etc/apt/sources.list.d/docker.list > /dev/null
      sudo apt-get update
    
      sudo apt-get install -y docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-buildx-plugin docker-compose-plugin
    
    

NetBoxのインストールと設定

NetBoxをインストールします。

NetBoxのリポジトリをクローン

GitHubからNetBoxのDockerイメージをクローンします。
本記事作成時点では、NetBoxの最新バージョン4.1.0を使用しています。

git clone -b release https://github.com/netbox-community/netbox-docker.git
cd netbox-docker

ymlの修正

docker-compose.override.ymlに記載する形で、ポート番号の設定を追加します。

tee docker-compose.override.yml <<EOF
services:
netbox:
  ports:
    - 8000:8080
EOF

このとき、ポート番号の設定(8000の部分)は、使用していない任意のポートに設定します。

Docker ComposeでNetBoxを起動

編集が完了したら、NetBoxを起動します。

sudo docker compose pull    
sudo docker compose up -d

起動できないとき

起動時に、下記のように、netbox-docker-netbox-1のコンテナが起動に失敗することがあります。

image.png

この時は、一度すべてのコンテナを停止し、再度起動することで、解決します。

 sudo docker compose down 
 sudo docker compose up -d

NetBoxのユーザ作成

NetBoxを利用するには、ログインユーザを作成する必要があります。

以下のコマンドを実行し、ログインユーザを作成できます。

docker compose exec netbox /opt/netbox/netbox/manage.py createsuperuser

ユーザ作成の別手段
以下の方法でもログインユーザが作成できます。

次のコマンドを実行し、netbox-docker-netbox-1のコンテナのコンテナIDを確認します。

sudo docker ps

確認したコンテナIDを使用してコンテナにアクセスし、ログインユーザを作成します。

sudo docker exec -it <コンテナID> /bin/bash
./manage.py createsuperuser

動作確認

ブラウザでIPアドレスと指定したポートにアクセスし、NetBoxが正常に動作しているか確認します。

前手順で作成したログインユーザでログインすることができます。

NetBoxでの構成管理の基本操作

NetBoxの基本的な構成管理操作は、直感的なGUIを通じて簡単に行えます。例えば、以下の操作が可能です。

image.png

  • デバイスの登録
    ネットワークデバイスやサーバーを「デバイス」セクションで登録します。デバイスの名前やタイプ、ラック位置などを入力できます。

  • IPアドレスの管理
    「IPAM」セクションでは、IPアドレスの範囲やアサイン先を管理できます。新しいIPアドレスを追加し、各アドレスの使用状況を追跡できます。

  • ケーブルの接続管理
    「接続」セクションで、物理ケーブルの接続状況を管理します。どのポートがどのデバイスに接続されているかを可視化できます。

  • ラックの配置
    「ラック」セクションで、ラックの配置やデバイスの取り付け位置を管理します。ラックのサイズやデバイスの取り付け位置を確認できます。

これらの操作は、NetBoxの画面で簡単に行えるため、視覚的に構成管理がしやすくなります。

まとめ

本記事では、NetBoxをデプロイし、構成管理を効率化する方法を解説しました。NetBoxは、ネットワークやデータセンターの構成を一元管理できる強力なツールです。特に初心者にとっても使いやすい操作性を提供しています。以下が重要なポイントです:

  • NetBoxをセットアップ
    Dockerを利用してNetBoxをデプロイしました。

  • 基本的なNetBoxの機能
    資産管理、IPアドレス管理、ケーブル管理など、多機能で構成管理を簡素化します。

  • NetBoxの操作方法
    デバイス登録やIPアドレス管理など、直感的なGUIで構成管理が可能です。

NetBoxを活用することで、ネットワークインフラの管理が大幅に効率化され、視覚的に把握しやすくなります。今後の構成管理に役立ててください。

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