はじめに
皆さんこんにちは。
私も社会人4年目となり、部下もできましたし、たくさんの後輩から様々なことを相談される機会が増えました。
しかし、人によっては同じ話をしても全く違う反応を見せてきて、
「この子とは話が上手くできてないな...」
って思うことが多々出てきて困っていました。
皆さんもそんな経験ありませんでしたか?
その当時は単純に私が、もしくは相手がコミュニケーション能力不足なのかな、
って思っていましたが、実はそう言う訳ではなく、人それぞれによって特性が存在する ことを知りました。
それが DiSC理論 です。
今回はその DiSC 理論について紹介します。
DiSC 理論とは
画像参照:http://japan-item.co.jp/disc/
DiSC 理論とはアメリカの心理学者ウィリアム・ムートン・マーストンが提唱した理論です。
人の行動特性を以下の4つに分類し、行動パターンや性格を分析します。(→ は日本人の割合です)
D:主導型(Dominance) → 1割
i:感化型(influence) → 2割
S:安定型(Steadiness) → 4割
C:慎重型(Conscientiousness) → 3割
以下サイトで診断できるそうなのでぜひお試しください。
ではそれぞれの特性について特徴や関わり方、仕事との相性などを踏まえながら紹介します。
D:主導型(Dominance)
"D" は 直接的で決断が早い 傾向があります。
特徴
- 意思が強く、行動的でチャレンジ精神に富む
- 意思決定が早く、自分なりのやり方で結果をだそうとする
- 改善意識が高く、細かく指示を出されることを嫌う
- 困難やプレッシャーに打ち勝つ、強いメンタルを持っている
適切な褒め方
このタイプの人へは 成果や工夫 について褒めてあげましょう。
自ら動いた行動に対し評価してあげることによってより高い目標に向けてへチャレンジしてくれます。
適切な指導方法
このタイプの人へは 目標を高く設定 し、作業には細かい指示などはせずに任せて みましょう。
また、反省などをする際は質問による内省形式で伝えてみると良いかもしれません。
あくまで、自ら考えさせる スタンスで接してあげてください。
不適切な接し方
- 細かく指示・命令をする
- 上司の型にはめようとする
- 途中経過の細かい報告を求める
仕事との相性
このタイプの人は 決断力がピカイチ です。
意思決定が早いために、何かと停滞しがちな要件定義などの工程で活躍します。
言われたことをやるのではなく、自ら行動していくスタンスであるため意見も活発に出してくれるでしょう。
そんなこのタイプの人には作業よりもマネジメントを重点的に任せてみると良いかもしれません。
i:感化型(influence)
"i" は 楽観的で社交的な 傾向があります。
特徴
- 明るく社交的な性格で、人と接するのを好む
- 感情表現が豊かで、物事を肯定的に捉える
- 楽観的であるため、難しいことでも安易に引き受ける
- 粘り強さや緻密性に欠ける所がある
適切な褒め方
このタイプの人へは 人前で褒めて あげてください。
このタイプの人は周りからの見え方、評価を気にしています。
「周りから賞賛されている」ことを伝えることでより活発的になります。
適切な指導方法
このタイプの人へは 周りがどんな期待をしているか を踏まえて指導してあげてください。
自分が活躍している姿をイメージさせることによって高いモチベーションで仕事へ取り組んでくれます。
ただし、同じことの繰り返しや誰にでもできるようなことを依頼されるとモチベーションが下がりますので気をつけてください。
不適切な接し方
- 部下への無関心
- 必要最低限のコミュニケーションしかとらない
- 仕事に対するフィ―ドバックをしない
仕事との相性
このタイプの人は 人前で褒められることを原動力 として仕事をします。
賞賛を受けやすい作業を担当させると良いでしょう。
また、人と関わり評価されることを非常に好むので、このタイプの人には工程と言うよりもアジャイルが向いているかもしれません。
人と関わりつつ、開発したモノを実際に使用していただき、評価・意見をもらいながら進めていくため、
常に高いモチベーションを維持してくれるでしょう。
特にフロントエンドの開発ではその本領を発揮しやすいと思います。
S:安定型(Steadiness)
"S" は 思いやりがあり、協力的 な傾向があります。
特徴
- コツコツと頑張る粘り強さがある
- 言われたことを、言われた通りに忠実にこなす
- 協調性があり、協力的である
- 安定した状況を好み、変化を嫌う
- 慣れ親しんだ従来のやり方で、成果をあげようとする
適切な褒め方
このタイプの人へは「ありがとう」など、感謝の気持ちを伝えながら 褒めてあげましょう。
このタイプの人は自分の実績に対する評価よりも、自分の行動が間違いなかったか、迷惑をかけていなかったかのほうが気になっています。
心理的安全を保証してあげるように言葉を伝えてあげてください。
適切な指導方法
このタイプの人へは 道筋や慣例をあげながら説明してあげながら 指導してあげてください。
また、困ったときはいつでも相談しても大丈夫であることも伝えてあげましょう。
このタイプの人は安心できない環境下ではストレスが溜まりやすい傾向にあります。
安心して作業を進められるように環境を整えてあげましょう。
不適切な接し方
- 仕事を丸投げする
- 漠然とした指示を出す
仕事との相性
このタイプの人は 安定的で、コツコツと続けられる ような仕事を好みます。
慣例などがあると非常に仕事がしやすいようです。
工程で言えば、維持管理・保守であれば比較的ストレスを感じることなく仕事を進めていくことができます。
どちらかと言うとアプリなどの開発よりもインフラ向きかもしれません。
C:慎重型(Conscientiousness)
"C" は 緻密で正確 な傾向があります。
特徴
- 細かい所にこだわりを持ち、些細なミスや間違いも許さない
- データ、資料、数値を駆使して、正確さや合理性を求める
- メリット・デメリットを検討した上で、慎重に結論をだす
- 上司に対する質問が多く、納得しないと動かない
適切な褒め方
このタイプの人へは、データや事実ベース で褒めてあげましょう。
また、曖昧な褒め言葉よりも自分がしたことによって具体的に数字として何が変わったのかを伝えてあげましょう。
どうして褒められたのか納得できないと、腑に落ちずに逆効果になる恐れもあります。
適切な指導方法
このタイプの人へは、褒めるときと同様に データや事実ベース で指導してあげましょう。
なぜその作業をやる意味があるのかを具体的に示してあげないとモチベーションをあげられません。
また、何かを伝える際は細かく質問をする時間を設けてあげると良いでしょう。
すぐには質問してこない可能性が高く、じっくり考えてから質問するので待ってあげることも必要です。
不適切な接し方
- 「これお願い」「これやっておいて」など、仕事の目的や全体像を説明しないで仕事を頼む
- 考える時間を与えずに、決断をせまる
- 部下の考えやアイデアを頭ごなしに否定する
仕事との相性
このタイプの人は 与えられた作業に対して非常に正確であり、論理的、合理的な作業 を好みます。
工程で言えば、設計を任せると良いでしょう。正確且つ品質の高い設計をしてくれるはずです。
特にミスが許されないバックエンド(ビジネスロジック/ルール)の開発ではその本領を発揮しやすいと思います。
さいごに
今回紹介した DiSC 理論ですが、これはその人が一生そのタイプであるかと言われると決してそうではありません。
環境によって影響を受けたりなど変化していくこともあります。
また、一概に「相性の良い仕事を任せないといけない」と言う訳ではありません。
そして同じタイプのメンバーが集まりすぎるとこれまた大変なことになります。
相性とバランスを考慮したチームの構成を考えましょう。
今回はそのきっかけにでもなればと思います。
ちなみに私は i (D) でした。
いつも私は、
「できる/できないで物事を判断しているうちは何もできない。やったことができること。まずはやってみることから始めよう。」
って後輩たちに言っていましたが、この DiSC 理論を知って胸が痛くなりました。
きっと私のこの言葉で納得できずに苦しんでいた子も中にはいたのではないかと...。
性格や行動特性によって、コミュニケーションだけでなく仕事への取り組みかたも変わっていきます。
皆さんもぜひ周りの人がどんな人かを分析してみて、それぞれに合わせたコミュニケーション、仕事の担当のさせ方を考えてみてはいかがでしょうか。