#1. はじめに
画質を下げないために600dpi PNGでADFスキャンしつつ、人間系を含めた処理速度を追求する手法です。
参考にする場合には、原稿を500枚セットできるADFスキャナ1台と、もう1台以上スキャナが必要です。
当方は下記の機器で行っています。
- Canon DR-X10C カラー担当
- Canon DR-X10C グレースケール担当
- 富士通 fi-7700S(フラットベッド部を使用)
- DURODEX 200DX(裁断機)
PCはスキャナの数だけ必要なので、3台使用します。
スキャン対象と担当スキャナは下記の通りです。
- 表紙カバー:DR-X10Cカラー担当
- カラーページ:DR-X10Cカラー担当
- カバー裏(厚紙部分):fi-7700Sフラットベッド部
- 本文:DR-X10Cグレースケール担当
帯は後回しにしています。原稿ガイドを動かすのに時間がかかるので。
スキャン結果の組み合わせとチェックとフォルダ名のリネームも後でまとめて行います。(寝っ転がりながらのんびりと)
この手順だと、スキャン完了待ちでぼーっとすることがなく、1人で常に何らかの作業をしています。
表紙カバー、カラーページ、本文の順番でDR-X10Cにセットして、もう片方のDR-X10Cにもセットしてと1冊ずつ交互にセットするよりも、スキャナ設定の切り替えが減るのと複数冊連続により、早くスキャンできます。
スキャナの設定は下記のページに記載しています。
自炊(本のスキャン)向けスキャナ設定 - Qiita
同人誌のスキャンは下記のページに書いています。
同人誌のまとめ裁断、まとめスキャン - Qiita
#2. 手順
本の厚紙部分を剥がして本文を裁断して、本文を1~3冊分まとめてDR-X10Cグレースケール担当にセットしてスキャンします。
うちのスキャナの場合、グレースケールスキャンだと縦線はほとんど発生しないので、スキャン中はほとんど見ません。
その間に、表紙カバー(片面)とカラーページ(両面)をDR-X10Cカラー担当でスキャンします。
カラーページでは緑や紫等の線がたまに出るため、スキャン時に確認しながらスキャンします。
手が空いたら、次にスキャンする本を1~3冊裁断します。
DR-X10Cグレースケール担当のスキャンが終了したら、次の本をセットしてスキャンします。
さらに手が空いたら、厚紙部分をfi-7700Sのフラットベッドでスキャンします。
黒色原稿押さえパッドを使用してサイズ・傾き自動認識でスキャンするので、原稿を適当に置けます。
以上の繰り返しです。
#3. 裁断
200DX 1回で裁断できる厚さの本はそのまま裁断、入らない厚さの本はサバ折りしてそのまま突っ込んで半分裁断、その後もう半分を裁断する手抜き裁断をしています。
きれいに裁断する場合は、サバ折りした背表紙側からカッターで切るのが良いです。
#4. 実績
1時間35分で28冊、裁断とスキャン。1冊あたり3分24秒。かなり速いです。
#5. 縦線発生率
28冊スキャンで、カラー2ページで縦線(緑色っぽい目立つ線とわずかな黒っぽい線)が発生しました。
清掃は緑色の線が出たときに一度行ったのみ。
再スキャンの際、清掃せずにスキャンしても縦線が消えることがあります。また出ることもあります。
この28冊と別の時に、グレースケールでも黒い縦線や白い縦線が出たことがあります。10冊に1ページ程度。
#6. 表紙カバーのスキャンについて補足
ジャンプコミックスサイズの表紙カバーは広げてもA3に収まるため、A3フラットベッドスキャナでスキャンしています。
B6本の表紙カバーはA3に収まったり収まらなかったりで、収まらないものはADFの長尺モードでスキャンしています。
A5本の表紙カバーはA3に収まらないのでADFの長尺モードです。
300~500枚セットできる重量級ADFスキャナで表紙カバーをスキャンすると、真っ平らにスキャンされて綺麗です。
予め折り目を平らにする必要はありません。
A4小型機のADFでスキャンすると、しわが目立ちます。
#7. 帯のスキャン
帯の長さは表紙カバーと同じなので、フラットベッドでスキャンするかADFでスキャンするかは表紙カバーに準じます。
ADFでスキャンする時に、原稿ガイドを帯の幅まで狭めます。
原稿ガイドの最小幅よりも幅が狭い帯は、原稿ガイドの片側に寄せてスキャンします。原稿サイズ自動認識でスキャンすれば中央でなくても問題ありません。
さらに幅が狭くて片側に寄せると給紙失敗する場合には、中央に置いてスキャンします。
#8. DR-X10Cについて
ジャンク品のDR-X10Cを1台、動作未確認品で動かなかったDR-X10Cを2台入手して訪問修理からの引き取り修理を何度か依頼しましたが、結構直ります。
動作確認済み中古で動かなかった2台と合わせて、5台とも修理を経て動作しています。
但し、1台はカラースキャン時の色が若干変で、これは修理でも直りませんでした。
1台はカラースキャン時にごくわずかな縦線が1箇所入ります。
3台は快調です。
複数台同時に訪問修理に出すと、訪問料金税込13,200円が、1回分で済みます。
#9. 使用PC
PC性能は大して必要ありません。10年前のPC 2台でDR-X10Cを使っているわりに、フラットベッドだけ最近のPCで妙に性能が高いです。もっと性能が低いWindowsタブレットに入れ替えるかもしれません。
DR-X10Cカラー担当:NEC Express 5800/S70タイプRB いわゆる鼻毛鯖 Pentium G6950(2.8GHz、2コア2スレッド)、メモリ8GB、Windows 10
DR-X10Cグレースケール担当:自作PC Core i7-920(初代i7、2.66GHz、4コア8スレッド)、メモリ16GB、Windows 10
fi-7700S:Lenovo ThinkCentre M75q-1 Ryzen 5 3400GE(3.3GHz、4コア8スレッド)、メモリ16GB、Windows 10
#10. フォルダ名のリネーム
フォルダ名のリネームには下記のブックマークレットを使います。(自作)
GoogleのISBN検索結果から著者名とタイトルを取得するブックマークレット GetAuthorTitle - Qiita
国立国会図書館オンラインのISBN検索結果から著者名とタイトルを取得するブックマークレット GetAuthorTitleNDL - Qiita