はじめに
Androidアプリ開発において、AIを活用することで開発効率を大幅に向上させることができます。本記事では、さまざまな分野で役立つAIツールを紹介します。
筆者はAIやAIツールについての専門家ではありませんが、様々なAIツールが登場する中で自分用のメモを兼ねてまとめてみました。自分に合ったAIツールを見つけるヒントになれば幸いです。
1. コード補完・生成
GitHub Copilot
GitHub Copilotは、AIがコードの補完や提案を行うツールでAndroid Studioのプラグインとしても利用可能です。KotlinやJavaにも対応しており、開発者が効率的にコーディングできる環境を提供します。言語やエディタを問わず非常に汎用性のに高いAIツールだと思います。
GitHub Copilot Chatも提供されており、対話形式でコードについて質問をしたりコードを生成したりすることができます。
無料で使える枠も十分に用意されています。
JetBrains AI
JetBrains AIはJetBrains製のIDEに統合されたAIアシスタントで、コード補完、エラーチェック、ドキュメント生成をサポートします。Android Studioでも利用でき、KotlinやJavaの開発をより効率的に進めることができます。
Fleetにも対応しています。
Gemini in Android Studio
Gemini in Android Studioは、GoogleのAIを活用した開発支援機能で、コード補完やデバッグの提案、エラーメッセージの解説を提供します。Android Studioに統合されており、開発者の生産性向上に貢献します。
発表当初はStudio Botと呼ばれていました。
Android Studioでの開発のために最適化されており、非常に使いやすいです。
例えばComposeのプレビューを生成する機能がはじめから用意されています。
プロンプトライブラリを使えばプロンプトを登録しておくことができます。
他にもコミットメッセージの生成や、クラッシュ時のスタックトレースについて質問できる機能が便利です。
2. AIエージェント
AIエージェントは、特定のタスクや目標を達成することを目的としています。一般的なコード補完ツールよりも開発者の意図を理解し、文脈に基づいたアドバイスを提供するのが特徴です。例えばLiveDataをStateFlowに置き換える際、AIエージェント型のツールを使用することでコードの書き換えが必要な箇所を順番に編集できます。
Cursor
Cursorには大きくChatとComposerという2つのモードがあります。Chatは既存のコードについて質問や検索をすることに特化しており、Composerは新しくコードを書いたり既存のコードを書き換えることに特化しています。
CursorはVisual Studio Codeをベースとしたエディタのため、KotlinやGradleのプラグインはあるものの、Android開発向けのツールとしてはやや使いづらい面もあります。しかし、それを差し引いても、Cursorの強力な補完機能はAndroid開発に役立ちます。
ちなみに日本では「カーソル」と発音されることが多いようです。
Cline
ClineはCursorと同様にAIエージェント型の開発支援ツールです。Visual Studio Codeの拡張機能になっていて、AIモデルの選択を自由に行えるなどCursorに比べてカスタマイズ性が高いです。
Junie
Junieは、JetBrainsが開発中の次世代AIアシスタントで、より高度なコード補完や開発ワークフローの最適化を目指しています。
Junieは公開前のため筆者は試すことができていませんが、タスクを依頼するとJunieが自律的に処理してくれるそうです。
また必要に応じてテストを実行しロジックが壊れていないことを確認してくれるそうです。
JunieはWaiting listに登録することで早期体験の順番待ちを行うことができます。
3. テスト
Arbigent
Arbigent は、シナリオベースのAIエージェントテストツールです。
従来のUIテストは壊れやすく、不安定でした(これマジで!)。少しでも画面の構成や端末が変わるとテストが通らなくなることは日常茶飯事だと思います。
ArbigentのようなAIベースのテストツールは使うことで、例えば「ログインして」といったシナリオを書くとAIが画面の構成要素やどのような操作をすればシナリオを達成できるかどうかを自動的に処理し、実行してくれます。
まとめ
AIツールを活用することで、Androidアプリ開発の効率を大幅に向上させることができます。コード補完、テスト自動化など、各工程で最適なAIツールを活用し、より高速に高品質な開発をしていきましょう。