コロナウイルスに隠れて、ABC予想が解決したというニュースがあまり話題になっていませんが、
望月新一教授のブログ『心の一票』の「数学界に出現している悲惨なブラックホールの物語」は、
ぜひ一読下さい。その中の、「理論が複雑過ぎるから、思い切って簡略化したい」というのは、
もろに欧米の思想であるのですが、世界は欧米人の考えるよりは少し複雑なようです。
また、「心ある壁」を構築し、維持することの重要性 を読むと、
「友好的な姿勢を保ちつつ、一定の距離を置く」ことが述べられています。
「心壁論」と、論理構造の解明・組合せ論的整理術を「心の基軸」とすることの本質的重要性には、
英語を通して記述された世界には、「色眼鏡」のように、英語圏の文化や世界観を反映した、
著しく濁っていて有害な歪みがある、と書かれていますが、まさにその通りだと思います。
さて、本題ですが、日本のITエンジニアに英語の学習をススメラレル論調がありますが、
私は、あまりエンジニアの役にたたないと思います。勉強してもネーティブスピーカや、
英語を公用語にしている国のエンジニアに勝てるわけがありません。
それなら、ITのある分野を日本語だけで囲って勝負するほうがましです。
日本人のエンジニアに求められているのは、英語を話すことではなく、海外の文献を日本語に翻訳し、
日本語でドキュメントを書き、日本語でシステム構築をし、日本語でプログラムを議論する事です。
その努力を怠ると、明日には海外に仕事を全部持っていかれることになると思います。
あと、経済学ですが、欧米直輸入で、翻訳さえ満足にできてなくてもはや、手遅れです。