結論
確率関数
f(x) = {}_{n}C_{x}p^x(1-p)^{n-x} \ \ (x = 0,1,\cdots,n)
期待値,分散
E[X] = np, \ \ V[X]=np(1-p)
母関数
G(s) = (ps+1-p)^n
期待値の導出
二項分布は,ベルヌーイ試行($X_1,\cdots,X_n$)の結果の和($X_1+\cdots+X_n=X$)が従う分布でした。
したがって,期待値の線形性(「和の期待値」=「期待値の和」という性質)を使って
\begin{align*}
E[X] &= E[X_1 + \cdots + X_n]\\
&= E[X_1] + \cdots + E[X_n]\\
&= \underbrace{p + \cdots + p}_{n \text{個}} = np
\end{align*}
分散の導出
分散も,期待値の時と同じ考え方です。
$X,Y$が独立ならば,$V[X\pm Y] =V[X]+V[Y]$なので
\begin{align*}
V[X] &= V[X_1 + \cdots + X_n]\\
&= V[X_1] + \cdots + V[X_n]\\
&= \underbrace{p(1-p) + \cdots + p(1-p)}_{n \text{個}} = np(1-p)
\end{align*}
母関数の導出
こちらも期待値・分散のときと同様,二項分布はベルヌーイ分布の和であることを利用します。
ここでは,$X,Y$が独立であることの定義:$E[XY]=E[X]E[Y]$を用いています。
確率母関数の定義:$G(s)=E[s^X]$ から,
\begin{align*}
G(s) &= E[s^X]\\
&= E[s^{X_1+\cdots+X_n}]\\
&= E[s^{X_1}\times \cdots \times s^{X_n}]\\
&= E[s^{X_1}]\times \cdots \times E[s^{X_n}]\\
&= \underbrace{(ps+1-p) \times \cdots \times (ps+1-p)}_{n \text{個}} = (ps+1-p)^n
\end{align*}