概要
最近、Google Deepmind社が気象予報モデルGraphCastを発表し、話題になりました。
GraphCastはGNN(グラフニューラルネットワーク)により、従来の数値予報モデルや機械学習ベースモデルの精度を上回る精度を出したモデルです。
詳しい説明は別記事にしてありますので、こちらをご覧ください。
本記事では、GraphCastが実際に出している予報を見られるサイトをご紹介します。
サイトにアクセスしてみる
気温
ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)では試験的にGraphCastの予報を公開しており、誰でも下記のサイトで見ることができます。
アクセスすると、以下のようなページが出てきました。
右側の地図がGraphCastによる予報結果が示されています。
黒い線は等圧線(正確にはジオポテンシャル高度)、色は気温を表しています。
※地図右下のアイコンを押すと凡例が出てきます。
そして、現在の設定は
- Base time=
Fri 22 Dec 2023 00 UTC
- → 2023年12月22日(金)0時(日本時間9時)時点の情報をもとに予報
- Valid time=
Fri 22 Dec 2023 06 UTC (T+6)
- → 2023年12月22日(金)6時(日本時間15時)の予報
- Area=
Europe
- → 表示されているのはヨーロッパ地域
- Level=
1000hPa
- → 1000hPaの高度(地上付近)での予報
となっています。日本付近を見たい場合は「Area」をEastern Asia
に変更します。
もう少し先の予報を見たい場合は、再生ボタンを押してみると10日先までの予報を見ることができます。
風
風の予報は下記から見ることができます。
色は風速の強さを表しています。色がついていない領域は風速10m/s未満です。
降水量
降水量の予報は下記から見ることができます。
色の濃淡は降水量の多さを表しており、地図右下のアイコンを押すと凡例が出てきます。
なお、ここでの降水量とは6時間雨量(12時間雨量) のことです。6時間か12時間かは「Interval (hr)」のところで指定できます。
また、この地図での黒線は海面気圧の等圧線を示しており、5hPaごとに引かれています。
また、積算降水量(Base timeからValid timeまでの総降水量) も下記から見ることができます。
数値予報モデルと比べてみた
せっかくなので、数値予報モデルとGraphCastの予報を比べてみました。
- HRES:解像度0.1°×0.1°
- GraphCast:解像度0.25°×0.25°
解像度が違うので不公平ですが…。
2023年12月22日0時(UTC)をValid timeとし、T+24及びT+96の予報を見てみます。
気温(850hPa)
上空1500m付近の気温で比べてみました。
赤線は平地での雪の目安となる-6℃の線を表しています(手書き)。