対象読者
- 「パスワードの使い回しは危険だ」と理解している
- ブラウザのパスワード記憶機能はなるべく使いたくないが、何個もパスワードを覚えるのはイヤだ
結論
- 自分で覚えやすいパスワードを1つ作る
- そのパスワードをいろいろな方法で暗号化したものを諸々のWebサービスで利用する
つまりこの方法なら、1つだけパスワードを覚えさえすればいいのです。
わざわざ何個もパスワードを覚える必要はなく、ただそれを暗号に変換してやるだけです。
なのであとは暗号化の方法ですね。ここからは、簡単な暗号についてご紹介します。
暗号の種類
ここでは、代表的な古典暗号
- シーザー暗号
- アトバシュ暗号
- スキュタレー暗号
の3つを解説します。
シーザー暗号
シーザー暗号は、元の文字を3文字分辞書順でズラすことで暗号とする手法です。
つまり、アルファベットの場合
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
を、それぞれ
XYZABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVW
に置き換えるということです。
例えば、
JAPAN
という文字列をシーザー暗号に変換したいなら、
J → G
A → X
P → M
N → K
のように、アルファベット順で3文字前に来るアルファベットに変換します。
すると、
JAPAN → GXMXK
と変換できます。
数字の場合も同様に変換することができます。
0123456789
をそれぞれ
7890123456
と変換すればよいですね。
ちなみにこのシーザー暗号は、Wikipediaによると
「暗号理論上、もっともシンプルで、広く知られた暗号のひとつ」
と言われており、簡単に暗号に変換できます。
アトバシュ暗号
アトバシュ暗号は、元の文字を辞書の逆順に対応する文字で置き換えます。
アルファベットの場合、
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
をそれぞれ、
ZYXWVUTSRQPONMLKJIHGFEDCBA
と、逆位置のアルファベットで置き換えるということです。
数字なら
0123456789
をそれぞれ、
987654210
と置き換えればよいでしょう。
スキュタレー暗号
スキュタレー暗号は、あの「ピタゴラスイッチ」でやっていた「ピタゴラ暗号棒」と全く同じものです。
(画像引用元:「ピタゴラ暗号棒」アメブロ https://ameblo.jp/bluelapislazuli77/entry-12102353664.html)
要は、ある一定の間隔でとびとびに文字を配置していけばよいのです。
例えば、
おはようございますはじめまして
という文字列をスキュタレー暗号にしたいとします。
そのときは、これを例えば
おはようご
ざいますは
じめまして
と5文字ごとに改行して書き下します。
これを横(→)ではなく縦(↓)に読んでいけば、
おざじ はいめ よまま うすし ごはて
となります。2文字飛ばしで読めば解読できるようになっています。
パスワードっぽい文字列で説明すると、
JAPAN12345
というパスワードを
JAP
AN1
234
5
と書き下し、縦に読むと
JA25AN3P14
となります。
※
そういえば「プチリョンコ」「パタトクカシーー」のやつも同じ原理ですね。「プチリョンコ」を1文字飛ばしでよむと「プリン」「チョコ」がでてきて、「パタトクカシーー」も同様に「パトカー」と「タクシー」が出てきます。
まとめ
暗号名 | アルゴリズム |
---|---|
シーザー暗号 | 3文字分ズラした文字で置き換える |
アトバシュ暗号 | 逆位置の文字で置き換える |
スキュタレー暗号 | ピタゴラ暗号棒(一定間隔で文字を配置する) |
参考サイト
- 「シーザー暗号」フリー百科事典 Wikipedia 日本語版 最終更新=2021年8月4日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E6%9A%97%E5%8F%B7 - 「古来より伝わる暗号の初歩 ~アトバシュ暗号とは~」ラインセグメント日記 2017年05月24日
https://line-segment.seesaa.net/article/450135591.html - 「スキュタレー」 フリー百科事典 Wikipedia 日本語版 最終更新=2021年11月3日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%BC - 「【古典暗号】種類と特性のまとめ」 俺が人生を楽しむためのITブログ 2019年10月24日
https://oretano.com/old-currency