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本記事は,京都大学人工知能研究会KaiRAのAdvent Calender 最終日の記事です。

アドカレ最終日ということで、技術的な話ではなくシメ的な話をしようと思います。

概要

本記事では、私が会長を務める京都大学人工知能研究会KaiRAの1年間の振り返りを行っていきます。

私は2023年に前会長から引継ぎ、4代目のKaiRA会長を務めさせていただいています。優秀なOperationメンバーの皆さんの力を借りながら、この1年KaiRAの運営に携わってきました。

今年はKaiRAで新しい試みを行ったことが多かった年だと改めて感じているので、その点を中心に振り返りたいと思います。

目次は以下のとおりです。

  • 輪読会
  • 論文読み会
  • Webサイト刷新
  • 11月祭
  • Qiitaアドベントカレンダー

輪読会

輪読会はKaiRAの活動の中心であり、授業期間の毎週木曜日に10人ほどのメンバーで行っています。

1. 読んだ本

今年度読んだ(読んでいる)本は以下の4冊です。

ゼロから作るDeep Learning(2023年度前期)

深層学習を最初に学ぶならまずコレ、という定番本です。この「ゼロから作る」系は説明がわかりやすく書かれており、実装も学べます。

KaiRAでは新規会員が入ってくる前期にこの本を読むことが多く、今年も本書を採用しました。

統計的因果推論の理論と実装(2023年度前期)

既存会員はすでに「ゼロから作るDeep Learning」は読破済みなので、そういうメンバー向けにもう1冊、と言う位置づけの本です。「ゼロから作るDeep Learning」と同時並行で読み進めました。

心理学や経済学などでよくある「○○を行うとはこれだけ効果があります!」といった効果測定の手法を詳しく学ぶことができ、個人的にはとても勉強になりました。

Pythonで学ぶ音声認識(2023年度後期)

YouTube等の自動字幕や、スマートスピーカーなどに応用されている技術「音声認識」についての理論と実装を学べる本です。

KaiRAでは創設以来、音声系の分野は輪読会で扱ったことがなく、これが初めての採用となりました。

自然言語処理の基礎(2023年度後期)

自然言語処理の古典的な手法からTransformerまで網羅的に扱われており、評価も高いとのことで採用しました。

また、偶然にも先述の「Pythonで学ぶ音声認識」と一部バッティングしている内容(言語モデル、ビタビアルゴリズム、前向き後ろ向きアルゴリズムなど)もいくつかありました。復習になってよかったのではないでしょうか。

2. 輪読会の進行

従来、輪読会は

  1. 発表担当者が発表
  2. 質問などある人が自発的に発言・議論

という流れで行っていましたが、今年度(の途中)からは少し工夫して

  1. 発表担当者が発表
  2. 小グループで質問事項などを洗い出す(5分間)
  3. 出た質問をSlackのスレッドにメモ
  4. 順番に回答

としました。

この方式にしたことで「質問がしやすくなった」と感じたメンバーが多くなりました。輪読会での議論も以前と比べて活発になったように思います。

ちなみにこのアイデアは、KaiRAのスポンサーであるScrumSignの北村さんが輪読会を見学された際にいただいたアドバイスをきっかけに生まれました。

論文読み会

論文読み会は、個人で読んできた論文の内容を発表する、不定期開催の企画でした。

ですが今年の前期は、前会長さん発案で2週間ごとの定期開催をすることにしてみました。

隔週月曜日にオンラインで実施し、前期の間に以下の5回開催しました。

論文読み会は基本的に挙手制で回したのですが、この5回のうち4回が前会長さん、残り1回が私の発表でした。

論文は、輪読会で読むような本と違って

  • 英語なので日本語と比べて読むのに時間がかかりがち
  • 前提知識の設定が難しい
  • (論文にもよるが)分量がやや多い

など、発表者の負担が輪読会にまして大きいことがハードルだったのかなと思いました。

あとは、そもそも論文を読む人がまだまだ少ないこともあるかなと思います。
論文の読み方、探し方、まとめ方などをメンバーに共有する機会など設けたら論文読む人が少しでも増えたりするのかな…と考えたりしています。

Webサイト刷新

KaiRAの公式Webサイトを、今年の10月にリニューアルしました。

副会長さんがKaiRA顧問の小島先生と雑談していたときの話がきっかけで、リニューアルすることになりました。

従来のサイトはどこかちょっと古臭く、活動していない感があるような印象がありましたが、リニューアル後は黒背景から白背景に変えたり、活動風景や発表スライドを掲載するなどして、だいぶ印象が変わったのではないかと思います。

WebページはGitHub Pagesで公開しており、HTML/CSSベタ打ちです。

従来のサイトでは完全ベタ打ちだったのですが、新サイトではBootstrapというフレームワークを利用しています。

ベースとなる部分は副会長さんが夜通しで作ってくれて、デザインやレイアウトは私が担当しました。

styleは基本的にBootstrapを使っていますが、一部CSSでデザインしたものもあります。例えば、こういったサイトからCSSをコピペして見出しをちょっと洒落た感じにしたりしました。

あとは、フォントや行間だけで意外とサイトの印象が変わったりするので、ちゃんと調整しました。

  • フォント:Noto Sans JP
  • 行間:1.8

詳しい経緯などについては、副会長さんが書いたこちらの記事で書かれていますのでぜひご覧ください。

11月祭

毎年KaiRAは京都大学の学園祭である「11月祭(通称:NF)」に出展しており、今年も出展しました。

11月祭の概要

会場では、会誌販売AIデモ体験を行っていました。

会誌は過去最長の計102ページ(10万文字以上)にものぼり、AIデモも計7つ用意できました(将棋AIも用意していましたが不具合で動かせませんでした…)。

  • 引き分けオセロAI
  • フェイク画像判定AI
  • 歌詞からアーティスト判定AI
  • どの芸能人に似てるか判定AI
  • 手書き文字認識AI
  • Diffusionモデルのサンプリングデモ
  • 自分の顔の動きに合わせて画面上のキャラが動くデモ

多くのデモはこちらの特設ページで試すことができますので、ぜひご覧ください!

準備について

今回は準備にかなり力を入れ、協力してくれた13人のメンバーたちのおかげで大成功だったと思います。

近年ChatGPTや画像生成AI等々のおかげで、世間一般の人からのAIへの注目度が高まっており、今年のNFはそれを意識した構成にしました。具体的には、

  • ChatGPT
  • 画像生成
  • ゲームAI(将棋、オセロ)
  • 説明可能AI
  • AIの歴史

のプロジェクトを立ち上げ、会誌の作成やデモの開発に取り組みました。

会誌は書いて終わりではなく、メンバー同士で記事を読みあい、内容や表現、誤字などについてレビューを行いました。

「ここはもう少し説明が必要」「ここは間違っている」などといったフィードバックを受けることができて勉強になりますし、逆に他のメンバーが書いた記事をレビューする際には、各人のいろいろな文章の書き方を知ることができてそれはそれで楽しかったです。

プロジェクトの管理はNotionで行いました。
プロジェクトの計画をまとめたり、会誌のレビューなどを管理するのに便利でした。

また、会誌の書き方などのマニュアル的なものを作成して「ドキュメント」としてまとめるなどしました。

image.png

11月祭当日

KaiRAは吉田南1号館3階という場所で、ひっそりとやっていました。

場所が目立ちにくい&平日ということもあり、1日目はなかなかお客さんが入りませんでした。会誌も1日目終了時点で2割も売れず、大量の売れ残りを覚悟しました。

しかし2日目は一転、休日効果でお客さんがかなり増えました。
看板やビラを作成し、宣伝にも出歩きました。
会誌の売れ具合も良くなり、AIデモ体験も盛り上がりを見せました。

会場には本当に様々な方が足を運んでいただき、KaiRAを宣伝する良い機会にもなりましたし、来場者の方とAIについてお話をすることもできて非常によい経験ができました。

いつもスポンサーとしてお世話になっている「Rist」の社長・広報の方や、先日eスポーツ大会の集計作業におけるAI活用の公開討論会でお世話になった「eスポーツ×生成AI 技術イノベーション研究会」の鈴木さんや、VCファンド「Skyland Ventures」CEOの木下さん、「Aidemy」CEOの石川さん、「Kaggleに挑む深層学習プログラミングの極意」や「プログラミングコンテストチャレンジブック(通称:蟻本)」の著者である秋葉さんにもご来場いただきました!!

来年は

今年はいろいろなデモを出してネタ切れの恐れもありましたが、最近のAIの進化や守備範囲の広さを見ていると、まだまだ見せられるものはたくさんあると思います。

来年は生成系のデモを増やしたり、他のAI分野などにも踏み入れていきたいですね。

Qiitaアドベントカレンダー

この記事がまさにQiitaアドベントカレンダーの記事なのですが、KaiRAとしてアドカレに参加したのは今年が初めてです。

目標は「25日すべて埋めること」としていましたが、無事に全マス埋まりました🎉🎉

中でも副会長さんが書いてくれたこちら↓の記事は反響が大きく、KaiRAのカレンダー記事の中で最多いいね・ストック数でした。

また、今年KaggleのBengali.AIコンペで3位となりKaggle Winners Callを受けたメンバーによる貴重な記事もあります!

この他にも、実装や論文解説などの記事がたくさんありますのでぜひご覧になってください!

最後に

簡単ではありますが、今年1年間のKaiRAの振り返りを行っていきました。

近年AI界隈が盛り上がりを見せており、これをきっかけに興味を持ち「AI/機械学習を学びたい!」と思っている方も多くなってきているのではないでしょうか。

KaiRAでは自主ゼミ形式の勉強会を中心に活動を行っており、そんな学生たちの学びを支えるサークルです。もし興味をもっていただけたら、KaiRAで私たちと一緒に勉強しましょう!

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