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Backup as a Serviceを使ったNutanix環境の仮想マシンの保護

Last updated at Posted at 2024-12-04

この記事はNutanix Advent Calendar 2024向けに書いた記事となります

数年前にLCMネタを元に何回かNutanix Advent Calendarには参加させてもらっていたのですが、今回数年ぶりに参加させてもらうことにしました。

で、今回何を書こうかなと思ったのですが、直近でSaaSを使ってNutanix環境の仮想マシンのバックアップを取るべく検証をしていたので、今回そのネタを書こうと思いました。
バックアップネタはもう私が色々書かずともAdvent Calendarを見に来るようなNutanixな方々はよくご存じな話と思いますが、今回はオンプレ環境にあるバックアップソフトを使ったバックアップの話ではなく、SaaSを使ったバックアップの話になるので多分あまり見たことがないのではないのかな、とそんな風に思ってこの記事を書いてみています。

Backup as a Serviceは何を使ったのか?

Dell TechnologiesのAPEX Backup Services(通称ABS)になります。
Dellのブランド名が付いていますが、DellはOEM的に提供を受けて展開しているサービスになります。
提供元はDruvaという会社のサービスになります。
Druvaは日本ではそんなに知名度が高くないような気がするので、Druvaを初めて聞いた方も多いのでは?
OEMとしてのABSはもっと知名度が無さそうですが。。。

このDruvaがNutanix製品に対応しており、Dellのサービスとして提供しているABSについても実体はDruvaなので同様にNutanix製品に対応している、そんな状況です。
ABSはSaaSとして利用することになりますが、このSaaSはDruva社がAWS上に作ったサービスになっています。
SaaSなので、当然の話ですがAWS上で動いている各種のサービスを自分で触る必要もないですし、触ろうとしても触ることはできません。
一部しか表現されてはいませんが、環境の構成イメージがありましたので参考までにご紹介しておきます。
構成イメージ

ABSを使ったバックアップの特徴

ABSの特徴について簡単に触れておきます。
 ・AHVに対応
 ・バックアッププロキシを利用して、仮想マシンのエージェントレスバックアップを行うことができる
 ・仮想マシンのフルバックアップ・リストアが可能
 ・ディスク単位やフォルダ、ファイル単位でのリストアが可能
 ・バックアップしたデータはAWS上(S3)に保管される
 ・仮想マシンのバックアップだけでなく、クライアントPCや他のSaaS(M365やGoogle WorkSpaceなど)のデータのバックアップが可能

AOSは6.5以降のバージョンで利用可能です。
残念ながらNutanix Community Editionではサポートされていません。※動作はするかもしれませんが、未検証です

ABSを使うためのシステム要件についてはこちらに記載があります。

事前準備

まず事務的な準備になりますが、以下が必要となります。
 ・事前にABSを利用するための契約をする
(バックアップデータとして保管する容量(TB)×1年、3年、4年、5年単位での契約。従量課金ではない)
 ・契約時に管理者ユーザーを決め、バックアップデータを保管する先(S3)のリージョンを選択して、環境を準備する(Dellに準備を依頼をする)
事務的なことが終わるとABSのログインURLをガイドしてもらえるので、そちらからログインをします。
こんな画面です。
image.png

設定

実施する作業としては以下を行います。
 ・Windows上でバックアッププロキシを展開するためのツール(Phoenix Agent)を導入
 ・AHV上にバックアッププロキシを展開
 ・ABSの管理コンソールからPrism ElementないしはPrism Centralを登録
 ・Nutanix環境上の仮想マシンが認識されたことを確認
 ・仮想マシンのバックアップ設定
 ・バックアップの実行(スケジュールないしは手動実行)

この辺りの具体的な手順については、少し前に私が手順をまとめたものがあるので詳しい手順が知りたい方はこちらを見てみてください。

SaaSということもあり、オンプレ環境とクラウドとのデータの行き来が発生することになるわけですが、バックアップ・リストアが頻繁に行われるケースだとバックアップやリストアにかかかる時間やデータの転送速度が気になることと思います。
AHV上に数多くの仮想マシンが動いている場合は特に気になるはずです。
これについては、CloudCacheという機能を利用することで、懸念される点を解消することができます。
機能とはいえ、オンプレ環境にキャッシュ用のサーバーを準備することになるのですが、あくまでオプション扱いになるのでこちらが無くてもABSは利用可能です。

プロキシを立ててABSとつなぐところで手を動かす部分が多いですが、それでも一度Nutanix環境とABSとがつながってしまえばあとは放置でいいですし、バックアップジョブの設定もオンプレでバックアップソフトを触ったことがある人ならとっても簡単に設定できますし、SaaSならではの手軽さは体感できるものと思います。

おわりに

簡単ですが、SaaSを使ったNutanix環境の仮想マシンのバックアップについてお話させていただきました。
ABSはSaaSが故の利用時の手軽さがありますが、バックアップ対象が増えてバックアップデータを保管する容量が増えてくると料金が割高になる印象があります。
ですので、全部SaaSで賄おうとするのではなく、エッジや遠隔地に置いたNutanix環境、それこそ2Node構成で導入した小規模な環境のバックアップを取る、というようなケースでは価格面でも運用面でもメリットが出しやすいかなと思います。
また、ABSは上でも触れた通り、AWSを使っていますがデータを取り出す(リストア)するときのEgress Costがかかりません。
ABSは利用するときにDellと契約すると利用できますが、AWSと契約する必要はなく別途従量課金されることもないので、頻繁にバックアップとリストアをするような使い方をするようなケースでもメリットが出しやすいかもしれません。

Nutanix界隈がだいぶ賑わってきているので、色々な3Party製品がNutanixに対応してきていますよね。
普段はNutanixにどっぷり浸かった仕事はあまりできていないのですが、今後もNutanix製品や関連する製品については時々触りながら何か気づきが得られた時にはブログを書こうと思います。

以上で今回のお話は終わろうと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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