はじめに
こんにちわ、中小企業診断士として何も活動してないまとっちです。
先日参加した理論政策更新研修(診断士が毎年1回受講しないといけない講義)で、おもしろい学びがあったので、自分の覚え書き用としてレポートを残しておきます。
顧客価値を踏まえたマーケティング戦略立案と実行支援
講演者:KUBO中小企業診断士事務所 久保正英 先生
今の自分に刺さったところだけ+自分なりの解釈を混ぜて書いています。
労働生産性について
もはや当たり前のことを言うが、日本は他国に比べて、労働生産性が低い。
👇公益財団法人 日本生産性本部:労働生産性の国際比較 2023より引用
ただし、労働生産性には2種類あり、物的生産性については、日本の製造業では概して高かったり、近年話題に上がりやすいDXでも改善することができる。そのため、今回は付加価値生産性に焦点を当てる。
労働生産性には2種類ある。
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物的生産性
👉 労働者が生み出す製品やサービスの量
(生産工程の効率化、設備投資・ITツール導入で改善) -
付加価値生産性
👉 労働者が生み出す付加価値の大きさ
(サービス価値の向上、高付加価値製品の開発で改善)
付加価値生産性を高めるためには、顧客にとっての価値を考えて、他とは異なる独自の魅力を提供することで、存在価値を創出することが大事。
存在価値を明確にする
「他のお店は、テイクアウトやネット販売でうまくいっているから、ウチのお店でもやる」といった話がコロナ禍ではよく見られたが、それでも潰れていったお店は多い。
まずは、なぜなぜの問いかけが必要。
- 本当に、テイクアウトやネット販売を、お客様が望んでいるのか
- コロナ禍になったことで、なんでお客様が来てくれなくなったのか
- そもそも、そこまでの魅力が無い、必要と思われてないのではないか
「この会社の商品やサービスが無くなると困る、あるから助かってる」「この会社の○○がオススメ!」といった、この会社だからこその存在価値が必要。
存在価値の具体例
- 機能的価値:高性能カメラ、長時間バッテリー、高速データ通信
- 感性的価値:美しいデザインやスムーズな操作感による満足感
- 意味的価値:最新/特殊モデル、環境にやさしい製品、ブランド品
存在価値が明確になっていないのに、マーケティング活動をしても失敗に終わりやすい。
主観的価値の整理
存在価値を高めるために、顧客が求めているものを明確にする。それは往々にして主観的価値(人それぞれが目的に応じて、何を重要視しているか)に起因している。
主観的価値は、実際にどんなワードで検索されているか見ることで分かる。
例えば、プロテインを買いたい人には下記ワードを検索する人もいる。
- ダイエット 👉 筋肉を付ける目的ではない
- 大豆 👉 筋肉を付けたいが、健康にも配慮したい
- バー 👉 持ち運びやすく、気軽に摂取したい
下図のように、まずは自分が提供したい商品・サービスの関連ワードとなる主観的価値を洗い出す。その中でも、まだ他の誰もやってない顧客の潜在ニーズを提供することで、存在価値を高めることが出来る。
👇KUBO中小企業診断士事務所:飲食・食品事業者の顧客ニーズより引用
売れる商品のセブンスペック
下記の7つの仕様が揃うと、概ねヒット商品になる。
①話題性、②存在意義性、③希少性、④記憶性、⑤記号性、⑥シズル性、⑦値ごろ性
👇詳しくは今回講演頂いた先生のブログに記載されています。
この中でも特に重要なのは、②存在意義性と⑤記号性。
- ②存在意義性:前章までで述べていた「存在価値」のこと
- ⑤記号性 :次章で述べます
記号消費論
記号消費論とは、「物を買う時に、実用的な価値(値段・デザイン・機能)より、その物が象徴する意味やイメージを重視してしまう」という考え方。
人間の行動には意識層と無意識層があり、記号消費は無意識層の行動。
- 意識層 :検索・比較検討を行い、値段・デザイン・機能などで判断する
- 無意識層:価値を認識せず、パッと見のイメージで、瞬間で判断する
例えば、下記が記号消費している事例。
- メニューで「大人気」「オススメ」と書いてあるものを注文してしまう
- Google評価の高い or 行列ができているお店に入ってしまう
- 商品のマスコットが有名/かわいいから、その商品を買ってしまう
マーケティングの色々
ここまでの話を踏まえて、どうやってマーケティング・集客すれば良いか?一部を紹介。
ジョハリの窓
会社は知っているけど、お客様が知らない情報「秘密の窓」を発信する(お客様が知っている情報を伝えても意味がない)。なお、その商品の熱狂的なファンであるお客様は、会社が気付いていない魅力「盲点の窓」を知っているので、その情報を聞き出して、他のお客様に「秘密の窓」として発信できるとなお良い。
※ ジョハリの窓は、自己公開とコミュニケーションを円滑にするための心理学モデルなので、本来は上記とは異なる使い方で活用されます。
👇カオナビ:ジョハリの窓とは?より引用
SNS or Webサイト
お店を探す際、近年はZ世代を中心にSNSでお店を探す人は増えているが、それでもまだGoogle検索の方が多いため、Google検索の活用に注力した方が良い。また、Z世代は口コミを参考にする割合が高く、口コミ対策も重要。
👇口コミコム:お店検索・口コミに関する消費者向けアンケート調査結果より引用
商品POP
商品名よりもキャッチコピー(存在価値や記号)を目立たせる。紹介文では、販売実績や限定性を訴求するだけでなく、お客様から寄せられた質問や、SNSやブログで紹介された内容を盛り込むことで、購買意欲を効果的に掻き立てることができます。
👇KUBO中小企業診断士事務所:食品や和洋菓子・小売店・飲食店等のPOPより引用
チラシ
お客様にメリットを感じさせるチラシにしないと、家に帰ったら捨てられてしまう。例えば、お客様の役に立つノウハウが載っていたり、抽選権や無料特典券などが付いていると、利用するまで保管しておこうという気持ちが働く。
👇KUBO中小企業診断士事務所:集客や販促を成功に導くチラシより引用
おわりに
最近、社内のマーケティング業務に関わるようになったこともあり、今の自分に刺さる内容の学びが多かったです。
やみくもにマーケティング・集客するのは効率が悪いので、まずは商品・サービスの存在価値をよく考える必要があるのかなと思いました。