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Privacy Warningが出たのでDNSについて調べてみた

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はじめに

公共のWi-Fiを使っていたらこんな警告が出てきました!
IMG_0855.PNG
暗号化されたDNSトラフィックって何?状態だったので、改めてDNSについて調べてみました。

DNSとは

DNS(Domain Name System)は、Webサイトの名前(例: example.jp)をIPアドレスに変換する仕組みです。
たとえば、ブラウザで https://example.jp にアクセスすると、背後では以下のような名前解決プロセスが動いています。
DNS構造図.jpg

この図のように以下の流れでドメイン名からIPアドレスを特定します。

  1. クライアントが「example.jpのIPアドレスを知りたい」とDNSに問い合わせを送る。
  2. ルートDNSはexample.jpのIPアドレスを知らないので、「.jp を管理してるDNSに聞いて」とリダイレクトする。
  3. .jp DNSもexample.jpのIPアドレスを知らないので、「example.jp を持ってるDNSはこれ」と返す。
  4. 最終的に example.jp を管理する権威DNSが「IPは (例:93.184.216.34) だよ」と返す。

通常のDNSは何が問題なのか

ここで問題になるのは、上記のやり取りが 基本的にすべて平文(暗号化なし) で行われるという点です。

つまり、DNSのクエリ(どのドメイン名を問い合わせたか)やレスポンスはそのままネットワーク上に流れてしまいます。

誰に見られてしまうのか

  • 同じWi-Fiを使っている他のユーザー
  • ネットワークの管理者
  • プロバイダ(ISP)
  • 中間者(MITM攻撃者)
    → 誰でも、通信をキャプチャすれば「どのサイトにアクセスしたか」が分かってしまう

暗号化されたDNS

この問題を解決するのが、以下のような「暗号化DNS」技術です。
DNSサーバとのやり取りをTLS(HTTPS)で包むことで、第三者から中身を見えなくしてくれます。

プロトコル 名前 概要
DoT DNS over TLS DNSのやり取りをTLSで暗号化(ポート853)
DoH DNS over HTTPS DNSクエリをHTTPS通信でカプセル化(ポート443)

どの部分が暗号化されているのか

DNS構造図-DNS構造図_暗号化.drawio.png

※赤枠で囲った部分が、DNS over HTTPS(DoH)や DNS over TLS(DoT)によって暗号化される。この部分が暗号化されることで、第三者に「どのサイトにアクセスしようとしているか」が見えなくなる。

  • クエリのドメイン名
    • DNSサーバーに example.jp を問い合わせているという情報
  • クエリ種別
  • トランザクションIDやDNSヘッダー
  • レスポンスの内容
    • 最終的に帰ってくるIPアドレス
      ** → DNSクエリとレスポンスの中身が暗号化される **

警告が出た理由

AppleのiOSやmacOSでは、OSレベルで暗号化DNS(DoH/DoT)を自動的に使おうする。
しかし、ネットワーク上でDoTやDoHの通信をブロックするような設定がされている場合、OSが検知して冒頭のような警告が出るようです。

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