人工知能(AI)を使用した開発が色々増えてきましたが、よくわかっていないので今回調べてみました。
人工知能(AI)とは
人工知能(AI: Artificial Intelligence)は「人工的に作られた知能」です。
人工知能はコンピューターが人間の知能(人間の学習、推論、判断、問題解決、言語理解、感覚認識などの能力)を模倣または再現します。
人工知能(AI)の主な特徴
- 学習:データをもとに知識を蓄積し、性能を向上
- 自律性:人間が誘導することなく作業を実行する能力
- 適応性:経験から学び、環境や状況に応じて動作を調整しパフォーマンスを向上させる能力
人工知能(AI)の定義
人工知能(AI)は以下の2種類に分類されます
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特化型AI(弱いAI / ANI:Artificial Narrow Intelligence)
予め決められた課題だけを解決できることが特化型の特徴で、専門的に処理するAIです。
現在実用化されているほとんどのAI技術がこれに該当します。
(例: 音声認識、画像認識、チェスや囲碁の対局) -
汎用型AI(強いAI / AGI:Artificial General Intelligence)
システムがおかれた状況を自律的に判断し問題を解決する能力で、幅広いタスクをこなせるAIです。
現在の技術ではまだ実現されていませんが、多くの研究者が目指す目標です。
(例:ドラえもん、アトム)
さらに進歩したAIとして「人工超知能(ASI:Artificial Super Intelligence)」が将来的に登場するのではないかともいわれています。
この人工超知能は人類の知性を超えたものとされ、人間には制御ができなくなるという懸念もあります。
AIの活用例
医療:病気の診断支援、薬剤設計、患者モニタリング
金融:不正取引の検出、リスク評価、資産運用
エンターテインメント:動画や音楽の推薦、ゲームAI
日常生活:スマートスピーカー、家庭用ロボット、自動翻訳
人工知能(AI)の歴史
AIの誕生と初期の概念(1940年代~1950年代)
年 | 内容 |
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1943年 | ウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツがニューロンの動作をモデル化した論文1を発表(ニューロンの論理回路) |
1950年 | アラン・チューリングがAIの知能を測定する方法として「チューリングテスト」の概念を提案し、機械の知能を評価する基準を提示 |
1954年 | 科学技術計算に特化した世界初の高水準プログラミング言語「FORTRAN(フォートラン)」が考案 |
1955年 | アレン・ニューウェル、ハーバート・サイモン、J・C・ショーが開発した人間の問題解決能力を真似するよう意図的に設計された世界初の人工知能プログラム「Logic Theorist」 |
1956年 | ダートマス会議で「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉が初めて使用される |
1959年 | 事務処理用に開発された高水準プログラミング言語「COBOL(コボル)」が考案 |
初期のAIは、主にシンボリック(記号的表現に基づくもの)だったそうです。
AIの黄金時代と初期の成果・AIの冬(1960年代~1970年代)
年 | 内容 |
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1960年 | S式と前置記法などの関数型プログラミング言語「LISP(リスプ)」が考案 |
1961年 | 初の産業用ロボット「Unimate(ユニメート)」がゼネラルモーターズの工場に導入 |
1966年 | ジョセフ・ワイゼンバウムが開発した「ELIZA(イライザ)」が自然言語処理プログラムとして登場 |
1969年 | シャキー(Shakey)という移動型ロボットが開発され、物理環境の中で自律的に動作可能なAIロボットとして注目 |
1970年 | 「AIの冬」初期が始まる。資金不足と過剰な期待の反動で進展が停滞 |
1972年 | プログラミング言語「Prolog」がAI研究のために開発 |
1979年 | スタンフォード大学が自律車の試作機「Stanford Cart」を開発 |
1970年には専門的な知識を持つ「専門家システム(別名、エキスパートシステム)」の開発が進んだそうです。
専門家システムは人間の知性を用いなければ解けないような特定分野の高度な問題を解決するために、専門家の経験的知識をコンピューターに組み込んで、人間に代わる、あるいは人間を支援して問題解決を遂行することを目的としたシステムです。
代表的なシステムとしては1972年に開発された「Mycin(マイシン)」などがあります。
スタンフォード医学部での調査によると当時のMycinの診断結果は65%の正解率。
細菌感染の専門でない医師よりはよい結果だが、専門医の診断結果(80%)よりも悪かったそうです。
専門家システムの台頭・冬の時代(1980年代)
年 | 内容 |
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1980年 | 日本の第五世代コンピュータプロジェクトが始動(1992年終了) |
1986年 | ジェフリー・ヒントンが「バックプロパゲーション」を活用したニューラルネットワークの学習アルゴリズムを提案 |
1987年 | 第二の「AIの冬」が訪れる。専門家システムの商業的な失敗が原因 |
1980年代に発生した「AIの冬」では、専門家システムが成果を上げられなかったため、AIに対して熱が冷めました。
機械学習と応用の拡大、データと計算力の進化(1990年代~2000年代)
年 | 内容 |
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1997年 | IBMの「Deep Blue」がチェス世界王者ガルリ・カスパロフに勝利 |
1999年 | インターネットの普及によりAI研究が再び注目 |
2006年 | ジェフリー・ヒントンが「ディープラーニング」という用語を普及 |
2009年 | Googleが自動運転車プロジェクトを開始 |
1990年代には、人間の脳の神経細胞(ニューロン)の回路網を模した機械学習モデル「ニューラルネットワーク」が再び注目を集め始めました。
1997年にIBMが開発したチェス専用の「Deep Blue(ディープブルー)」が当時世界チャンピョンだったガルリ・カスパロフを破った時は衝撃的なニュースになりました。
深層学習の進化とAIの急成長(2010年代~現在)
年 | 内容 |
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2011年 | IBMのWatsonが「ジェパディ!」で人間チャンピオンに勝利 |
2012年 | AlexNetがILSVRC(画像認識コンペ)で優勝し、ディープラーニングの可能性を証明 |
2014年 | グーグルがDeepMindを買収し、「AlphaGo」を開発 |
2016年 | AlphaGoが囲碁の世界チャンピオン李世ドルに勝利 |
2018年 | BERTなどの大規模言語モデルが登場 |
2020年 | OpenAIがGPT-3を公開、自然言語生成の精度が飛躍的に向上 |
2021年 | ディープマインドがタンパク質の構造予測AI「AlphaFold」を発表 |
2022年 | OpenAIが画像生成AI「DALL·E 2」や対話モデル「ChatGPT」をリリース |
2023年 | 各種企業が生成AIを活用した商業アプリケーションを展開 |
最後に
人工知能(AI)の急成長により専門的で近寄りがたかった昔と比べ、人工知能が身近なものになって来ました。
これからAIは自律型ロボット、創造的生成(音楽、アートなど)、社会問題解決(医療、気候変動)など、多様な分野でさらに進化すると期待されています。
次回は人工知能(AI)について更に調べてみようと思います。
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A Logical Calculus of the Ideas Immanent in Nervous Activity(神経活動に内在するアイディアの論理的計算)
https://link.springer.com/article/10.1007/BF02478259 ↩