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人工知能(AI):AIチャットボットって何?

Last updated at Posted at 2024-12-15

さて、前回は人工知能(AI)の自然言語処理・音声認識・音声合成の違いについて学んだので、今回は現在開発されている技術について見て行きます。

AIチャットボットとは

AIチャットボットとは「人工知能技術を駆使して人間との対話を自動化するプログラム」の事です。
データやログを基に自己学習したAIが、ユーザーが自然言語で質問した内容に対しできるだけ的確な返答をするので、カスタマーサポートやヘルプデスクの業務代行を目的に導入されることが多いです。

AI有無によるチャットボットの仕組みについて「officebot」さんがわかりやすく書いてくださっていた記事があったので貼っておきます。

AIチャットボットの特徴

自然言語処理(NLP)を活用した会話能力
人間の言葉(自然言語)を理解し、それに応じた応答を生成
曖昧な質問や文脈を考慮して回答する能力が向上
(例:「明日の天気は?」→ 「明日は晴れの予報です。」)

24時間365日の対応
人間と異なり、休むことなく対応が可能で、夜間や休日でもサービスを提供
(例:カスタマーサポートでの質問応答や注文受付)

即時応答
ユーザーの質問やリクエストに対して瞬時に回答を提供します。待ち時間が短いため、顧客満足度を向上
(例:「今の注文状況を教えてください。」→ 「配送中です。」)

大量の問い合わせ処理
一度に複数のユーザーと同時に対話が可能で、業務の効率化に貢献
(例:ショッピングサイトで同時に数百人の質問に対応)

カスタマイズ可能
企業やサービスに応じた応答を学習させることで、特定の業務やニーズに特化したボットを構築
(例:銀行業務向けのチャットボットで口座残高の確認や振込手続き)

データ分析と学習
対話データを基にユーザーのニーズや行動を分析し、より良い応答を生成するように学習(継続的な改善)
(例:人気のある質問を特定し、事前にFAQを改善)

多言語対応
翻訳機能を活用し、複数の言語での対話が可能
(例:英語、日本語、中国語などでの問い合わせ対応)

多様なプラットフォームへの統合
Webサイト、アプリ、LINEなど、さまざまなプラットフォームで動作可能
(例: ECサイト1の問い合わせや、SNS経由でのカスタマーサポート)

AIチャットボットのAI型の分類

AIチャットボットは、使用される技術や応答生成の方法によっていくつかの型に分類されます。
以下は、AIチャットボットの主な分類です。

1. ルールベース型(Rule-Based Bot)
概要  :あらかじめ設定されたルールやシナリオに基づいて応答する
特徴  :決められた質問やフローに対応するので、シンプルでコストが低いが、柔軟性は低い
使用例 :FAQボットや予約フロー案内ボット

2.機械学習型(Machine Learning Bot)
概要 :データを学習し、パターンを認識して応答を生成する
特徴 :過去の会話データを基に学習し、柔軟性が高く多様な質問に対応可能
使用例 : カスタマーサポートで複雑な問い合わせに対応するボット

3.自然言語理解型(NLU:NLU-Driven Bot)
概要  :NLP(自然言語処理)技術を使って、ユーザーの意図を解析する
特徴  :文脈を理解し、曖昧な質問にも対応可能
使用例 :音声アシスタント(Siri、Googleアシスタント)

4.生成型AI型(Generative AI Bot)
概要 :学習したデータを基に、新しい文章を生成する
特徴 :大規模言語モデル(例: GPT、BERT)を使用し、固定の回答ではなく、柔軟に応答を作成
使用例 :ChatGPT、Google Bardなどの高度な会話型AI

5.検索拡張生成型(RAG: Retrieval-Augmented Generation Bot)
概要 :外部データや検索エンジンと連携し、リアルタイムで情報を取得して応答を生成
特徴 :最新情報に対応可能(外部データベースやAPIと統合)
使用例 :ニュース解説ボット、FAQのリアルタイム対応

6.感情認識型(Emotion-Aware Bot)
概要 :ユーザーの感情を解析し、それに応じた応答を行う
特徴 :テキストや音声から感情を読み取り、人間らしい対応が可能
使用例 :カウンセリング支援ボット、ヘルプデスク

7.ハイブリッド型(Hybrid Bot)
概要 :ルールベース型と機械学習型、または他の技術の組み合わせ
特徴 :単純な質問にはルールベースで応答し、複雑な質問には機械学習を活用(システム設計が複雑になるが、幅広い対応が可能)
使用例 :ECサイトでの顧客対応ボット(簡単な質問→ルール、複雑な質問→生成型AI)

8.独自AI型(Custom AI Bot)
概要 :特定の業務やニーズに合わせて設計されたカスタム
特徴 :独自データを基にトレーニングで、特定分野での高精度な応答
使用例 :医療診断ボット、法務相談ボット

AIチャットボットのAI型の分類の比較表

上記のAI型の分類を表にしてまとめてみました。
それぞれ特色が異なる事がわかりますね。

柔軟性  応答方法 主な用途
ルールベース型 固定ルール FAQ、単純な案内
機械学習型 中~高 学習済みパターンに基づく カスタマーサポート、複雑な対話
NLU型 意図や文脈を解析 音声アシスタント、文脈のある対話
生成型AI型 非常に高 新規文章を生成 高度な会話型AI、文章作成支援
RAG型 検索情報を活用し生成 FAQのリアルタイム対応、ニュース解説
感情認識型 感情を考慮した応答 カウンセリング、感情的顧客対応
ハイブリッド型 非常に高 技術の組み合わせ ECサイト、複雑な多段階業務
独自AI型 中~高 特定分野に特化した応答 医療、法務、業務特化型チャットボット

AIチャットボット提供企業例

OfficeBot(オフィスボット)

企業や自治体における問い合わせ対応の効率化や、業務プロセスの改善に対応
AI型:検索拡張生成(RAG)型

Support ChatBot(サポートチャットボット)

多言語にも対応しているため、外国人のお客様を相手にする企業におすすめ

カスタマーサービス向けのソフトウェアを提供する企業例

Zendesk(ゼンデスク)

AI型:ルールベース型、機械学習型、自然言語理解型、検索拡張生成(RAG)型を組み合わせたハイブリッド型の構成
概要:顧客対応を包括的にサポートするクラウドベースのソフトウェア
主な機能:チケット管理、知識ベースの構築、AIチャットボット(Answer Bot)
特徴:多言語対応、柔軟なカスタマイズ機能

Intercom(インターコム)

AI型:検索拡張生成(RAG)型、機械学習型、自然言語処理(NLP)型を組み合わせたハイブリッド型の構成
概要:チャットボットと人間のサポートを組み合わせたカスタマーコミュニケーションツール
主な機能:AIエージェント(Fin)による対応、ユーザー行動分析、ライブチャット、メール統合
特徴:顧客行動を元にしたパーソナライズ対応

Salesforce Service Cloud(セールスフォースサービスクラウド)

AI型:機械学習型、自然言語理解(NLU)型、生成型AI(Generative AI)型、検索拡張生成(RAG)型を組み合わせたハイブリッド型の構成
概要:Salesforceプラットフォーム上で動作するカスタマーサポートソリューション
主な機能:チケット管理、自動化ワークフロー、AI(Einstein)を利用した応答支援
特徴:CRMと統合されており、営業・マーケティングとの連携が容易

機械学習型・独自AI型・検索拡張生成(RAG)型の違い

AIチャットボットのAI型の分類の中でも比較対象でよく出てくる3つの違いを表にしてみました。

特徴/型 機械学習型 独自AI型 検索拡張生成(RAG)型
概要 データを基にパターンを学習し、柔軟な応答を提供するAI 特定の業務や分野に最適化されたAI(カスタマイズ性が高い) 外部データをリアルタイムで取得し、それに基づいて応答を生成するAI
知識の取得方法 トレーニングデータから学習 企業独自のデータを活用して学習 外部データベースや検索システムから必要な情報を動的に取得
応答の生成方法 モデル内の学習済みデータを基に生成 カスタマイズされたアルゴリズムやドメイン知識を基に生成 検索で取得した情報を基に生成
利点 柔軟性が高く、複雑な質問にも対応可能。 大量のトレーニングデータで性能が向上 特定分野に特化した高精度な応答を提供。 企業の競争優位性を向上 最新情報やリアルタイムデータに対応可能。 大量の知識を保持せずに幅広い質問に対応
欠点 高品質なトレーニングデータが必要。 文脈理解や専門性のある質問に限界がある 開発コストや時間がかかる。 柔軟性は汎用モデルより低い 検索結果や外部データの品質に依存。 外部データの取得に時間がかかる場合がある
主な用途 カスタマーサポート。一般的な会話型AI 医療、金融、法務、製造などの専門分野。 特定業界における専門的な対話や分析 FAQのリアルタイム対応。 製品情報検索、ニュース、法令解説
応用例 ChatGPT(学習データによる応答生成) 医療診断AI、カスタマイズされた企業向けボット ChatGPT with Browsing、Bing Chat
柔軟性 高い 中程度(特定用途に最適化) 非常に高い
カスタマイズ性 データセットによる制御 非常に高い 中程度(検索ソースに依存)
リアルタイム対応 不可(モデルのトレーニング後は静的) 一部可能(リアルタイム処理のアルゴリズムを組み込む必要あり) 高い
導入コスト 中〜高(検索エンジンや外部システムの構築コストによる)

AIチャットボットの参考例

日常で使用しているAIチャットボットはどんなものがあるのか2つ例にあげています。

クロネコヤマト

AIチャットボットを活用し、LINEのトーク画面で再配達の依頼や受け取り場所の変更などを自動対応。

楽天

楽天市場でのカスタマーコンタクトにAIチャットボットを導入することで、配送状況や返品などを自動応答。

スクリーンショット 2024-12-12 19.24.56.png

最後に

今回は自然言語処理(NLP)を活用したAIチャットボックスについて調べてみました。
今後も作ることはないと思いますが、これから更にAIチャットボットの活用場所が増えていくんだろうなという印象でした。

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