はじめに
Japan AWS Jr. Champions Advent Calendar 11日目の記事です!
先日現地参加してきたAWS re:Invent2023にて「Amazon Q」を中心に様々な生成AI系のアップデートがありましたが、「AWSが提供する生成AI系サービスの全体像って、、?」となったので、今回まとめてみたいと思います。
各サービスの詳細については、Japan AWS Jr. Champions Advent Calendar内でも様々な方がまとめていただいているので、「まずは手っ取り早くAWSの生成AI/ML系サービスを把握したい!」という方向けに記事を書いてみました。
まずは
Amazon Bedrock
Amazon Bedrockの公式ドキュメントはこちらです。
生成AI系のアプリケーション構築のための基盤サービスになり、これから紹介する生成AI系サービスの裏でもBedrockが動いています。
Amazon Bedrock は、AI21 Labs、Anthropic、Cohere、Meta、Stability AI、Amazon などの大手 AI 企業が提供する高性能な基盤モデル (FM) を単一の API で選択できるフルマネージド型サービスです。また、生成系 AI アプリケーションの構築に必要な幅広い機能も備えているため、プライバシーとセキュリティを維持しながら開発を簡素化できます。
またre:Invent期間中にもBedrockに関する新機能の発表があり、
- Fine tuning(数種のモデルでBedrockからFine tuningが可能に)
- RAG with Knowledge Bases(Bedrockで簡単にRAGの実現が可能に)
- Guardrails for Amazon Bedrock(有害なコンテンツや説明などに対する防護線を準備)
などのリリースがありました。
Amazon Bedrockは、生成AI系のアプリケーション構築のための基盤サービスである。
Amazon SageMaker
Amazon SageMakerの公式ドキュメントはこちらです。
先ほどのBedrockは事前に構築やトレーニングされたモデルをユーザーが活用するサービスでしたが、Amazon SageMakerは機械学習モデルの開発、学習、デプロイを支援するサービスになります。
フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、ワークフローを使用して、あらゆるユースケース向けの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。
こちらもre:Invent期間中にもSageMakerに関する新機能の発表があり、
- Amaozn Sagemaker Hyperpod(基盤モデル (FM) のトレーニング時間を最大40%短縮)
- Amazon SageMaker Studio(Code-OSS Visual Studio Code Open Source ベースの Code Editor、機能が改善されて迅速化した JupyterLab、RStudio といった IDEの提供)
などのリリースがありました。
Amazon SageMakerは、機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイするサービスである。
これから紹介するAI/ML系のサービスは基本的に、上記のAmazon BedrockやAmazon SageMakerを利用した派生のサービスになります。
今回は以下のカテゴリー分けで紹介していきたいと思います。
- ビジネス向け
・ 画像/動画データ処理
・ 文書データ処理
・ 音声データ処理
・ 分析と予測
・ 検知
・ その他 - 開発者向け
ビジネス向け
画像/動画データ処理
Amazon Rekognition
Amazon Rekognitionは機械学習を使用して画像と動画の分析を自動化します。
画像データや動画データから、
などをサポートします。
文書データ処理
Amazon Comprehend
Amazon Comprehendはドキュメント内のテキストから価値あるインサイトを導き出し、理解します。
文書データから、
などをサポートします。
Amazon Textract
Amazon Textractは印刷されたテキスト、手書きの文字、レイアウト要素、データを、あらゆるドキュメントから自動的に抽出します。
手書きの文書やPDFデータを読み込み、デジタル文章に自動的に変換してくれます。
Amazon Translate
Amazon Translateは滑らかで正確な機械翻訳を提供します。
テキストをコンソール上で打ち込み、変換してくれるのはもちろんですが、
- Plain text(.txt)
- HTML(.html)
- ワード文書(.docx)
などをドキュメントをそのまま読み込み、翻訳してくれる点もポイントです。
Amazon Polly
Amazon Pollyは数十の言語で高品質で自然な人間の声を展開します。
入力したテキストを様々な言語や声色で読み上げることができ、作成した音声データをS3上に保存することもできます。
音声データ処理
Amazon Transcribe
Amazon Transcribeは音声をテキストに自動的に変換します。
音声データや直接録音した音声を文章に変換してくれます。
分析と予測
Amazon Forecast
Amazon Forecastは機械学習を用いて、ビジネスの成果を簡単かつ正確に予測します。
時系列データをインプットとして読み込ませることで時系列予測を行うことができ、価格や在庫の予測などのユースケースが挙げられています。
Amazon Personalize
Amazon PersonalizeはML を活用したパーソナライゼーションでカスタマーエクスペリエンスを向上させます。
入力データに対してデータに適用するトレーニングレシピを設定することで、機械学習の知識がなくても、個々のユーザーの嗜好に合わせたレコメンドを提供することができるサービスです。
Amazon Kendra
Amazon Kendraは機械学習を活用したインテリジェントなエンタープライズ検索で回答を迅速に見つけることができます。
様々なデータソースからデータを検索できるサービスでAmazon S3やGoogleドライブなどのストレージや、Salesforce、ServiceNowといったSaaSとの連携コネクターが用意されています。
検知
Amazon Fraud Detector
Amazon Fraud Detectorは機械学習でオンライン不正をより早く検出することができます。
アプリケーションのログやイベントをAmazon Fraud Detectorに送信することで、そのイベントが不正かどうかを判別し、判定結果を返却します。
その他
Amazon Augmented AI(Amazon A2I)
Amazon A2IはML 予測のヒューマンレビューを簡単に導入することができます。
機械学習の結果に対して、実際の人間によるチェックを含めたワークフローを提供するサービスです。
開発者向け
Amazon Q [NEW!!]
Amazon Qは今年のAWS re:Invent2023にて発表されたサービスで、ビジネス向けには業務支援や外部サービスとの連携、開発者向けにはコードの自動生成やトラブルシューティングなどをサポートするサービスです。
Amazon Qについては、こちらの記事で全体像を詳しく説明いただいているので、ぜひご覧ください。
Amazon CodeGuru
Amazon CodeGuruはML と自動推論を使用して、開発サイクルのあらゆる段階のコードセキュリティの脆弱性を検出、追跡、修正するサービスです。
GitHubやCodeCommitなどに保存しているソースコードをレビューし、レビュー結果を通知してくれる開発者用サービスです。
Amazon DevOps Guru
Amazon DevOps Guruは機械学習を活用したクラウドオペレーションでアプリケーションの可用性を向上します。
アプリケーションを監視し、レイテンシー増加やエラー率増加などの異常を検知します。
Amazon CodeCatalyst
Amazon CodeCatalystはAWS での計画、開発、配信のライフサイクルを高速化します。
アプリケーションの統合開発環境の立ち位置で、開発環境の提供やCI/CDを簡単に迅速に実現するための仕組み、課題管理ツールを提供するサービスになります。
Amazon CodeWisperer
Amazon CodeWispererはIDE とコマンドラインのための AI 搭載生産性向上ツールです。
コーディング時にAIによるオートコンプリート機能を提供したり、自動でコード生成を行うサービスになります。
PartyRock [NEW!!]
PartyRockは今年のAWS re:Invent2023の直前に発表されたサービスで、ローコードでBedrockを利用したアプリケーションを作成することが出来ます。
アプリケーションの概要やテーマを自然言語で入力することで、自動的にアプリケーション構築を行なってくれるサービスになります。
Japan AWS Jr. Champions Advent Calendar内でも実際にPartyRockを触れてみた方のレポートが上がっているので、是非ご覧ください。
まとめ
AWSの提供する生成AI/MLサービスの全体像を把握することができましたでしょうか。
今後もAWSからのアップデートを追っていきたいと思いますし、実際に触ってみた記事を投稿していこうと思います!