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カンバン方式の1週間:ストーリーで見る実践ガイド

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舞台設定:株式会社🙆🙆‍♀️🙆‍♂️イノベーション、Webアプリ開発チーム

メンバー:プロジェクトリード佐藤さん、フロントエンド田中さん、バックエンド鈴木さん、テスト山田さん、デザイン伊藤さん

月曜日:作業の可視化と計画

朝のカンバンミーティング(15分)
佐藤さんがJiraのカンバンボードを大画面に映し、チームが集まります。

「先週から引き続きこの5タスクが『作業中』ですね。今週は何を優先すべきでしょうか?」

みんなでバックログを確認し、優先度の高いタスクをいくつか「未着手(To Do)」列の上部に移動します。

明示的なポリシーの確認
ボード横の壁には「完了の定義」が掲示されています:

  • ✅ コードがリポジトリにマージ済み
  • ✅ テストが全て通過
  • ✅ ドキュメント更新完了
  • ✅ デプロイ担当者の承認済み

「先週のフィードバックで、レビュー待ちが長いという課題がありましたので、新しいルールを導入します:レビュー依頼から24時間以内に対応すること」と佐藤さん。

火曜日:WIP制限の実践

田中さんが新しいタスクを始めようとしたとき、佐藤さんが声をかけます。

「田中さん、『作業中』列を見てください。既に3つのタスクに取り組んでいますよね。WIP制限は2なので、まずは進行中のタスクを完了させましょう」

田中さん:「確かに。あのタスクはレビュー待ちだから、鈴木さんにレビューを急いでもらいます」

フローの管理の実践
チームはカンバンボードを見て「レビュー待ち」列に4つのタスクが溜まっていることに気づきます。

佐藤さん:「ここがボトルネックですね。今日は全員で1時間レビュー時間を確保しましょう」

水曜日:課題管理の統合

朝のミーティングで山田さんが報告します。

「テスト環境で新しいバグを見つけました。カンバンボードに『障害』タイプで登録しました。これは『ユーザー登録API』タスクの完了をブロックしています」

カンバンボードでの表示

  • 赤色の「障害」カードが作成され、関連タスクとリンク
  • 「ユーザー登録API」タスクに「ブロック中」のフラグが付く

佐藤さん:「優先度高なので鈴木さん、これから対応できますか?」
鈴木さん:「今のタスクが完了次第、今日中に取り掛かります」

木曜日:フィードバックループの実装

チームが30分の「カンバンレビュー」を実施します。

データの確認
佐藤さんがJiraから出力したメトリクスを共有:

  • 先週のスループット:7タスク完了
  • 今週(現時点):4タスク完了
  • 平均リードタイム:3.5日

改善点の議論
田中さん:「レビュー待ち時間が短くなりましたね」
鈴木さん:「バグ修正が多くて新機能開発が遅れています」
山田さん:「テストを早めに始めるために、開発70%完了時点でもテスト環境にデプロイしてはどうでしょう?」

チームは山田さんの提案を採用し、新しいルールとしてカンバンボード横に記載します。

金曜日:週次報告とフロー改善

進捗レポートの作成
佐藤さんがカンバンボードからフィルターを使って週次レポートを作成:

  1. 実績報告(ステータス=完了, 期間=今週)

    • 完了タスク:6件(先週比-1)
    • 注目完了機能:「画像アップロード機能」
    • 平均リードタイム:3.2日(先週比-0.3日)
  2. 予定報告(作業中 + To Do上位)

    • 来週完了予定:5件
    • 新規着手予定:「SNS連携機能」「通知システム改善」
  3. 課題報告

    • 未解決課題:2件(「ログインエラー」「画面描画遅延」)
    • 解決済み課題:1件(「API接続エラー」)

1週間の振り返り
チームは15分間の「カンバンカフェ」を実施:

  • 伊藤さん:「WIP制限のおかげで1つのタスクに集中できました」
  • 田中さん:「障害対応でフロー効率が下がりました。来週は予防に注力しましょう」
  • 佐藤さん:「1週間でスループットが安定してきました。次の目標はリードタイムをさらに1日短縮すること」

翌週月曜日:新たなサイクルの開始

先週のフィードバックを元に2つの改善を実施:

  1. バグの事前検出のため、コードレビューのチェックリスト追加
  2. 「テスト中」ステータスを新設し、開発70%地点から並行実施

カンバンミーティング
「新しいフローと明示的なポリシーで、今週はよりスムーズに進められるはずです。では、今週の優先タスクを決めましょう...」


このようにカンバン方式は特別な仕組みではなく、日々の開発活動をより「見える化」し、継続的に改善していくアプローチです。スプリントのような固定期間がなくても、週単位のリズムを作ることで規則的な振り返りと改善が可能になります。

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