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API完全チートシート:基本概念から実践まで

Last updated at Posted at 2025-03-13

目次

  1. APIの基本概念
    1.1. APIとは
    1.2. APIの重要性
    1.3. APIの構造と動作原理
    1.4. データ形式
    1.5. APIの設計原則
    1.6. API認証とセキュリティ
  2. APIの種類
    2.1. REST API
    2.2. RESTful API
    2.3. SOAP API
    2.4. GraphQL
    2.5. gRPC
    2.6. WebSocket API
    2.7. Webhooks
  3. API操作ツール
    3.1. API開発・テストツール
    3.2. APIドキュメンテーションツール
    3.3. APIモック・仮想化ツール
    3.4. API監視・分析ツール
    3.5. APIゲートウェイ
  4. APIベストプラクティス
  5. まとめ

1. APIの基本概念

1.1. APIとは

API(Application Programming Interface)は、ソフトウェアコンポーネント間の通信方法を定義したインターフェースです。これにより、異なるアプリケーションが相互に通信し、機能やデータを共有できるようになります。

日常の例え話:レストランのウェイターモデル

APIはレストランのウェイターのようなものです:

  • あなた(クライアント) はメニュー(API仕様)から料理を選びます
  • ウェイター(API) があなたの注文(リクエスト)をキッチン(サーバー)に伝えます
  • キッチン(サーバー) は料理(データ/機能)を作ります
  • ウェイター(API) が料理(レスポンス)をあなたに届けます

あなたはキッチンの中がどうなっているか知る必要はなく、ウェイターとのやり取りだけで欲しい料理が手に入ります。これがAPIの働きです!

1.2. APIの重要性

  • 相互運用性(かんたんに言うと:異なるシステム同士を仲良く会話させる機能): 異なるシステム間でのデータ交換を可能にする
  • モジュール化(かんたんに言うと:機能をブロックのように分けて管理できる仕組み): 機能を独立したサービスとして分離できる
  • スケーラビリティ(かんたんに言うと:必要に応じて大きく拡張できる特性): システムの一部を変更せずに拡張できる
  • 革新の促進: 既存のサービスを基盤として新しいアプリケーションを構築可能

1.3. APIの構造と動作原理

  1. エンドポイント: APIにアクセスするためのURL(例: https://api.example.com/v1/users
  2. リクエスト: クライアントからAPIへの要求
    • メソッド: GET(取得), POST(作成), PUT(更新), DELETE(削除), PATCH(部分更新)など
    • ヘッダー: 認証情報やコンテンツタイプなどのメタデータ
    • ボディ: 送信するデータ
  3. レスポンス: APIからクライアントへの応答
    • ステータスコード: 処理結果を示す数値(200成功、404未検出など)
    • ヘッダー: コンテンツタイプなどのメタデータ
    • ボディ: 返されるデータ

1.4. データ形式

  • JSON(JavaScript Object Notation): 最も一般的なデータ形式(軽量で読みやすい)
  • XML(Extensible Markup Language): 構造化データ形式(詳細な定義が可能だが冗長)
  • YAML(YAML Ain't Markup Language): 人間に読みやすい形式でJSONより簡潔(設定ファイルやドキュメントによく使用)
  • Protocol Buffers: バイナリ形式(高効率だが人間には読みにくい)

1.5. APIの設計原則

  • 一貫性: 命名規則やデータ構造の一貫性
  • シンプルさ: 複雑さを抽象化し、使いやすさを重視
  • 拡張性: 将来の変更に対応できる設計
  • ドキュメント化: 使い方を明確に説明
  • バージョン管理: 下位互換性を維持しながら進化

1.6. API認証とセキュリティ

  • APIキー(かんたんに言うと:システムを使うための特別な暗号): シンプルな識別子
  • OAuth 2.0(かんたんに言うと:アクセス許可をもらうための標準的な方法): トークンベースの認証
  • JWT(JSON Web Token、かんたんに言うと:身分証明書のようなデジタルデータ): 自己完結型のトークン
  • HMAC(Hash-based Message Authentication Code、かんたんに言うと:デジタル署名のような確認方法): リクエスト署名による認証
  • レート制限(かんたんに言うと:短時間での過剰なアクセスを防ぐ仕組み): 過剰な使用を防止

2. APIの種類

2.1. REST API

日常の例え話:
RESTは図書館のようなものです。本(リソース)には固有の場所(URL)があり、本の貸出(GET)、新しい本の追加(POST)、内容の更新(PUT)、本の除籍(DELETE)といった決まった操作があります。

特徴:

  • REpresentational State Transfer(表現状態転送)の原則に基づく
  • HTTPメソッドを使用(GET, POST, PUT, DELETE)
  • リソース(情報や機能の単位)に焦点を当てた設計
  • ステートレス(かんたんに言うと:前回のやり取りを覚えない性質)通信
  • URLベースのリソース識別

:

GET /api/v1/users           # ユーザー一覧取得
GET /api/v1/users/123       # 特定ユーザー取得
POST /api/v1/users          # ユーザー作成
PUT /api/v1/users/123       # ユーザー更新
DELETE /api/v1/users/123    # ユーザー削除

メリット:

  • 理解しやすく実装が容易
  • キャッシュ可能(かんたんに言うと:一度取得したデータを再利用できる機能)
  • スケーラブル(かんたんに言うと:大量のリクエストにも対応できる)
  • 広く普及している

デメリット:

  • オーバーフェッチング(かんたんに言うと:必要以上のデータを取得してしまう問題)
  • 複数リソースへのアクセスに複数リクエストが必要

2.2. RESTful API

REST APIのうち、以下の制約を厳密に守ったもの:

  • クライアント/サーバー分離: 責務の明確な分離
  • ステートレス: リクエスト間で状態を保持しない
  • キャッシュ可能: レスポンスにキャッシュ情報を明示
  • 統一インターフェース: リソース識別、自己記述的メッセージなど
  • 階層化システム: クライアントはサーバーとだけ通信
  • コードオンデマンド(任意): クライアントが実行可能コードをダウンロード

特徴:

  • HATEOAS(Hypermedia as the Engine of Application State、かんたんに言うと:次に何ができるかをAPIが教えてくれる機能)の実装
    {
      "name": "山田太郎",
      "links": [
        {"rel": "self", "href": "/users/123"},
        {"rel": "orders", "href": "/users/123/orders"}
      ]
    }
    
  • 適切なHTTPステータスコードの使用
  • 適切なメディアタイプの使用

2.3. SOAP API

日常の例え話:
SOAPは銀行の窓口のようなものです。決まった手続き書類(XMLメッセージ)を使って、いろいろな処理(預金、引き出し、振込など)を厳密なルールに従って行います。

特徴:

  • Simple Object Access Protocol(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)に基づく
  • XML形式でメッセージをやり取り
  • プロトコル非依存(HTTPに限らない)
  • WSDL(Web Services Description Language、かんたんに言うと:APIの機能を詳しく書いた説明書)によるインターフェース定義
  • 厳格な型付けとエラーハンドリング

:

<soap:Envelope xmlns:soap="http://www.w3.org/2003/05/soap-envelope">
  <soap:Header>
    <!-- 認証情報などのメタデータ -->
  </soap:Header>
  <soap:Body>
    <m:GetUser xmlns:m="http://example.org/users">
      <m:UserId>123</m:UserId>
    </m:GetUser>
  </soap:Body>
</soap:Envelope>

メリット:

  • 強力な型システム(かんたんに言うと:データ型をしっかり定義する機能)
  • 標準化されたエラー処理
  • 堅牢なトランザクション処理(かんたんに言うと:一連の処理が全て成功するか全て失敗するかを保証)

デメリット:

  • 複雑で冗長
  • 処理オーバーヘッド(かんたんに言うと:余分な処理負荷)が大きい
  • モバイルアプリケーションには重い

2.4. GraphQL

日常の例え話:
GraphQLはビュッフェレストランのようなものです。メニュー(スキーマ)から必要なものだけを選んで(クエリを書いて)、1回で取得できます。REST APIが「コース料理」だとすれば、GraphQLは「自分で好きなものだけ選べるビュッフェ」です。

特徴:

  • Facebookが開発したクエリ言語
  • 単一エンドポイントで複数リソースにアクセス
  • クライアントが必要なデータを正確に指定可能
  • 強力な型システム
  • リアルタイム更新のためのサブスクリプション(かんたんに言うと:データが変更されたら自動的に通知する機能)

:

query {
  user(id: "123") {
    name
    email
    orders {
      id
      totalAmount
      items {
        productName
        quantity
      }
    }
  }
}

メリット:

  • オーバーフェッチング/アンダーフェッチング(かんたんに言うと:必要なデータが足りない問題)の問題を解決
  • 複数リソースの取得に単一リクエスト
  • 型安全なAPI
  • APIの進化をクライアントに影響なく実現

デメリット:

  • 学習曲線が急(かんたんに言うと:習得が難しい)
  • キャッシュが複雑になる
  • 複雑なクエリによるサーバー負荷

2.5. gRPC

日常の例え話:
gRPCは超高速宅配便のようなものです。専用の梱包方法(Protocol Buffers)で情報を圧縮し、高速道路(HTTP/2)を使って双方向に配達します。

特徴:

  • Googleが開発した高性能RPC(Remote Procedure Call、かんたんに言うと:離れた場所のプログラムを呼び出す技術)フレームワーク
  • Protocol Buffersを使用した効率的なシリアライズ(かんたんに言うと:データを送信用に変換する処理)
  • HTTP/2をベースにした双方向ストリーミング
  • コード生成によるクライアント/サーバー実装

(.protoファイル):

syntax = "proto3";

service UserService {
  rpc GetUser(GetUserRequest) returns (User) {}
  rpc ListUsers(ListUsersRequest) returns (stream User) {}
}

message GetUserRequest {
  string user_id = 1;
}

message User {
  string user_id = 1;
  string name = 2;
  string email = 3;
}

メリット:

  • 高性能で効率的
  • 強力な型安全性
  • 多言語サポート
  • 双方向ストリーミング(かんたんに言うと:データを流れるように双方向でやり取りする機能)

デメリット:

  • ブラウザから直接使用が難しい
  • バイナリ形式のため直接デバッグが困難
  • RESTに比べて普及度が低い

2.6. WebSocket API

日常の例え話:
WebSocketは電話のような通信です。一度接続すれば、お互いにリアルタイムで会話(データ送受信)ができます。従来の方法が「手紙を送って返事を待つ」なら、WebSocketは「電話で会話する」ようなものです。

特徴:

  • 双方向リアルタイム通信
  • 単一のTCP接続を維持
  • テキストとバイナリデータの両方をサポート
  • プッシュ通知に最適

:

// クライアント側
const socket = new WebSocket('wss://api.example.com/socket');

socket.onopen = function(event) {
  socket.send(JSON.stringify({type: 'subscribe', channel: 'orders'}));
};

socket.onmessage = function(event) {
  const data = JSON.parse(event.data);
  console.log('新しい注文:', data);
};

メリット:

  • リアルタイム双方向通信
  • HTTPに比べてオーバーヘッドが小さい
  • ポーリング(かんたんに言うと:定期的に確認しに行く方法)の必要性を排除

デメリット:

  • ステートフル(かんたんに言うと:接続状態を維持する必要がある)であるためスケーリングが難しい
  • ファイアウォールや中間サーバーとの互換性の問題
  • 複雑なエラーハンドリング

2.7. Webhooks

日常の例え話:
Webhookは自動通知サービスのようなものです。例えば、郵便局に「新しい郵便物が届いたら私の携帯に連絡して」と頼むようなものです。何か重要なイベントが起きたら、自動的に知らせてくれます。

特徴:

  • イベント駆動型の通信モデル
  • 特定のイベント発生時にコールバックURL(かんたんに言うと:通知先のアドレス)に通知
  • HTTP POSTとしてデータを送信
  • 非同期処理に適している

:

// Webhookエンドポイントの登録
POST /api/v1/webhooks
{
  "event_type": "order.created",
  "callback_url": "https://myapp.example.com/webhook/orders",
  "secret": "my_webhook_secret"
}

// イベント発生時にWebhookがPOSTするデータ
POST https://myapp.example.com/webhook/orders
{
  "event_id": "evt_123456",
  "event_type": "order.created",
  "data": {
    "order_id": "ord_123",
    "customer_id": "cus_456",
    "amount": 9800
  },
  "timestamp": "2023-04-01T12:00:00Z"
}

メリット:

  • リアルタイムデータを効率的に受信
  • ポーリングの必要性を排除
  • スケーラブルな設計

デメリット:

  • 設定と管理が複雑
  • セキュリティリスク(不正リクエスト)
  • 配信保証(かんたんに言うと:確実に届くことを保証する仕組み)の実装が難しい

3. API操作ツール

3.1. API開発・テストツール

3.1.1. Postman

日常の例え話:
Postmanは万能調理器具のようなものです。APIへのリクエスト(料理)を簡単に作成し、テスト(味見)し、保存して他の人と共有(レシピの共有)できます。

特徴:

  • 包括的なAPI開発・テストプラットフォーム
  • リクエストの作成、保存、共有
  • テストスクリプトの作成
  • 環境変数とコレクションの管理
  • 自動テストの実行

使用例:

  • リクエストコレクションの作成
  • テスト自動化
  • モックサーバーの作成
  • APIドキュメント生成

サイト: Postman

3.1.2. Insomnia

特徴:

  • RESTとGraphQLに特化したAPI開発ツール
  • クリーンで直感的なインターフェース
  • 環境変数と認証管理
  • GraphQLエディタとスキーマの可視化

使用例:

  • API探索
  • GraphQLクエリのデバッグ
  • リクエスト/レスポンスのテスト

サイト: Insomnia

3.1.3. cURL

日常の例え話:
cURLは多機能な小型工具のようなものです。シンプルながら様々な形でHTTPリクエストを送れる基本的な道具です。

特徴:

  • コマンドラインベースのHTTPリクエストツール
  • ほぼすべてのOSに標準搭載
  • シンプルで強力
  • スクリプト化に適している

使用例:

# GETリクエスト
curl https://api.example.com/users

# POSTリクエスト
curl -X POST https://api.example.com/users \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"name": "山田太郎", "email": "yamada@example.com"}'

# 認証付きリクエスト
curl -X GET https://api.example.com/protected \
  -H "Authorization: Bearer eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9..."

サイト: cURL

3.1.4. HTTPie

特徴:

  • 開発者向けのコマンドラインHTTPクライアント
  • 直感的な構文
  • JSONのサポートが優れている
  • シンタックスハイライト(かんたんに言うと:コードを色分けして見やすくする機能)

使用例:

# GETリクエスト
http GET https://api.example.com/users

# POSTリクエスト(JSONデータ)
http POST https://api.example.com/users \
  name="山田太郎" email="yamada@example.com"

# カスタムヘッダー
http GET https://api.example.com/protected \
  "Authorization: Bearer eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9..."

サイト: HTTPie

3.2. APIドキュメンテーションツール

3.2.1. Swagger/OpenAPI

日常の例え話:
Swagger/OpenAPIは、APIの取扱説明書と実際に試せる展示会を合わせたようなものです。説明書を読みながら実際に試すことができます。

特徴:

  • REST APIの設計、文書化、テストのための標準フレームワーク
  • YAML/JSONでAPI仕様を定義
  • インタラクティブなドキュメント生成
  • コード生成機能

使用例:

openapi: 3.0.0
info:
  title: ユーザーAPI
  version: 1.0.0
paths:
  /users:
    get:
      summary: ユーザー一覧の取得
      responses:
        '200':
          description: 成功
          content:
            application/json:
              schema:
                type: array
                items:
                  $ref: '#/components/schemas/User'
components:
  schemas:
    User:
      type: object
      properties:
        id:
          type: integer
        name:
          type: string

サイト:

3.2.2. ReDoc

特徴:

  • OpenAPI仕様からの開発者フレンドリーなドキュメント生成
  • レスポンシブデザイン(かんたんに言うと:様々な画面サイズに対応するデザイン)
  • 優れた検索機能
  • 3カラムレイアウト

使用例:

  • OpenAPI仕様ファイルからの静的ドキュメント生成
  • APIリファレンスサイトの構築

サイト: ReDoc

3.2.3. API Blueprint

特徴:

  • マークダウンベースのAPI記述言語
  • 人間が読みやすい形式
  • コード例とスキーマ定義をサポート
  • 多くのツールと統合

使用例:

# User API

## ユーザー取得 [GET /users/{id}]
特定のIDを持つユーザーを取得します。

+ Parameters
    + id: 123 (number, required) - ユーザーID

+ Response 200 (application/json)
    + Attributes
        + id: 123 (number)
        + name: 山田太郎 (string)
        + email: yamada@example.com (string)

サイト: API Blueprint

3.3. APIモック・仮想化ツール

3.3.1. Wiremock

日常の例え話:
Wiremockはテスト用の偽物レストランのようなものです。本物のレストラン(本番API)がまだない段階でも、同じメニュー(エンドポイント)と似た味(データ)のものを提供してテストできます。

特徴:

  • HTTPベースのAPIのモック作成
  • リクエスト/レスポンスマッピング
  • レスポンスの遅延やエラーのシミュレーション
  • スタブ記録と再生(かんたんに言うと:実際のAPIレスポンスを記録して後で再生する機能)

使用例:

{
  "request": {
    "method": "GET",
    "url": "/api/users/123"
  },
  "response": {
    "status": 200,
    "headers": {
      "Content-Type": "application/json"
    },
    "jsonBody": {
      "id": 123,
      "name": "山田太郎",
      "email": "yamada@example.com"
    }
  }
}

サイト: Wiremock

3.3.2. Mockoon

特徴:

  • デスクトップベースのAPIモックツール
  • GUIでモックAPIを簡単に作成
  • 動的レスポンス生成
  • OpenAPIインポート

使用例:

  • テスト環境のAPIモック
  • フロントエンド開発のバックエンドシミュレーション

サイト: Mockoon

3.3.3. Prism

特徴:

  • OpenAPI仕様からAPIモックを自動生成
  • リクエスト検証
  • 例に基づくレスポンス
  • コマンドラインツール

使用例:

# OpenAPI仕様からモックサーバーを起動
prism mock api-spec.yaml

サイト: Prism

3.4. API監視・分析ツール

3.4.1. Runscope

日常の例え話:
Runscopeは、APIの健康診断医のようなものです。定期的に健康状態(可用性やパフォーマンス)をチェックし、問題があれば通知してくれます。

特徴:

  • API監視と自動テスト
  • グローバルロケーションからのテスト実行
  • アラートとインテグレーション
  • テスト結果の詳細分析

使用例:

  • APIエンドポイントの可用性監視
  • パフォーマンスのボトルネック特定
  • 本番環境のAPI品質保証

サイト: Runscope

3.4.2. APIMetrics

特徴:

  • API性能とSLA(Service Level Agreement、かんたんに言うと:サービス品質保証)監視
  • 複雑な認証をサポート
  • 詳細なメトリクスとレポート
  • 機械学習によるパフォーマンス予測

使用例:

  • SLA遵守の確認
  • API性能のトレンド分析
  • 地域別のレスポンスタイム測定

サイト: APIMetrics

3.5. APIゲートウェイ

3.5.1. Kong

日常の例え話:
Kongは空港の管制塔のようなものです。すべてのトラフィック(API呼び出し)を一箇所で管理し、適切な目的地(サービス)に誘導します。同時にセキュリティチェックやトラフィック制御も行います。

特徴:

  • オープンソースAPIゲートウェイ
  • プラグインによる拡張機能
  • マイクロサービスとの統合
  • 高性能と低レイテンシ(かんたんに言うと:応答の遅延が少ない特性)

使用例:

  • ルーティングとロードバランシング(かんたんに言うと:トラフィックを適切に分散させる技術)
  • 認証と認可
  • レート制限
  • API監視とロギング

サイト: Kong

3.5.2. Amazon API Gateway

特徴:

  • AWSのマネージドAPIサービス
  • AWS Lambdaとの統合
  • 段階的なデプロイとカナリアリリース(かんたんに言うと:一部のユーザーにだけ新機能をテスト提供する方法)
  • APIキー管理とスロットリング(かんたんに言うと:過剰なアクセスを制限する仕組み)

使用例:

  • サーバーレスアーキテクチャの実現
  • マイクロサービス間の通信管理
  • 第三者向けAPIの公開

サイト: Amazon API Gateway

3.5.3. Apigee

特徴:

  • GoogleのAPIマネジメントプラットフォーム
  • 高度な分析と可視化
  • デベロッパーポータル
  • API製品化と収益化機能

使用例:

  • 企業APIの管理
  • APIエコシステムの構築
  • APIポリシーの一元管理

サイト: Apigee

4. APIベストプラクティス

  1. バージョニング(かんたんに言うと:APIの異なるバージョンを管理する方法): APIの変更による互換性問題を管理

    https://api.example.com/v1/users
    https://api.example.com/v2/users
    
  2. ページネーション(かんたんに言うと:大量のデータを小分けにして取得する仕組み): 大量のデータを扱う場合の分割

    GET /api/v1/users?page=2&per_page=100
    
    {
      "data": [...],
      "pagination": {
        "current_page": 2,
        "per_page": 100,
        "total_items": 1240,
        "total_pages": 13
      }
    }
    
  3. エラー処理: 一貫性のあるエラー形式

    {
      "error": {
        "code": "validation_error",
        "message": "入力データが不正です",
        "details": [
          { "field": "email", "message": "有効なメールアドレスを入力してください" }
        ]
      }
    }
    
  4. レート制限: APIの過剰使用を防止

    HTTP/1.1 429 Too Many Requests
    X-RateLimit-Limit: 100
    X-RateLimit-Remaining: 0
    X-RateLimit-Reset: 1618517006
    
  5. CORS対応(Cross-Origin Resource Sharing、かんたんに言うと:異なるドメイン間でのデータ共有を許可する仕組み): クロスオリジンリクエストを適切に処理

    Access-Control-Allow-Origin: https://example.com
    Access-Control-Allow-Methods: GET, POST, PUT, DELETE
    Access-Control-Allow-Headers: Content-Type, Authorization
    

5. まとめ

APIは、異なるソフトウェアコンポーネントが共通の言葉で会話するための「通訳」のようなものです。日常生活で例えるなら、レストランのウェイターや郵便配達人、空港の管制塔など、情報や機能を橋渡しする役割を果たします。

それぞれのAPI種類には特徴があり、REST APIは一般的でシンプル、GraphQLは必要なデータだけを効率的に取得でき、WebSocketはリアルタイム通信に向いています。これらを適切に選ぶことで、効率的なシステム構築が可能になります。

また、API開発・テスト・ドキュメント作成・監視のための様々なツールを理解することで、APIの管理とメンテナンスが容易になります。

このチートシートが、APIの世界をナビゲートする羅針盤となり、実践的な知識として役立つことを願っています。


APIに関する詳細な情報は以下のリソースも参考になります:

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