目次
1. はじめに
システムエンジニアの業務効率を飛躍的に向上させるシンプルながら強力な方法を紹介します。この手法は、日次・週次・月次などの定例会議と非定例会議、そして日常のタスク管理を VSCode のワークスペース機能を使って統合的に管理するアプローチです。
2. 基本コンセプト
このシステムの核となるのは、以下の4つの主要ディレクトリです:
WorkSpace/
├── 会議/
│ ├── A会議/
│ ├── B会議/
│ └── C会議/
├── タスク/
│ ├── Aタスク/
│ ├── Bタスク/
│ └── Cタスク/
├── 会社/
│ └── ...(好きに構造化)
└── 宝箱/
└── ...(良かった資料等を投入)
各ディレクトリには日付形式のファイル(例:yyyymmdd.md
)を作成し、VSCode のワークスペース機能を用いて統合的に管理します。
3. システムの詳細
3.1. 会議の管理
会議ディレクトリの下に各会議のサブディレクトリを作成し、開催日ごとに日付形式のファイルを作成します。
会議/
├── A会議/
│ ├── 20250416.md
│ └── 20250409.md
├── B会議/
└── C会議/
会議の前日に、翌日の会議用のファイルを作成し、以下のような内容を記入しておきます:
# A会議 2025/04/16
## 進捗(やること・やったこと)
- プロジェクトXの実装が80%完了
- テスト環境の構築完了
## 課題(相談)
- DB接続に関する問題が発生、解決策を相談したい
- リソース不足の懸念
## 共有(報告・連絡)
- 新機能のリリース日を5/1に決定
- チームメンバーの休暇予定
3.2. タスク管理
タスクディレクトリの下に各タスクのサブディレクトリを作成し、日ごとの進捗や予定をファイルに記録します。
タスク/
├── Aタスク/
│ ├── 20250416.md
│ └── 20250415.md
├── Bタスク/
└── Cタスク/
3.3. 会社関連情報
会社ディレクトリには、業務に関連する各種情報を好きな構造で整理します。
3.4. 宝箱
「宝箱」ディレクトリには、有用な資料や参考になる情報を随時追加していきます。後で参照したい情報を保存するナレッジベースとして機能します。
4. 実践的な活用方法
4.1. 会議準備の効率化
明日の会議を確認し、各会議ディレクトリに明日の日付のファイルを作成します。以下の内容を記入しておきます:
- 何を話すか
- 議論すべき内容
- 相談したいこと
これにより、会議での発言内容を事前に整理でき、会議の生産性が向上します。
4.2. 日報作成の効率化
タスクファイルに日々の進捗を記録することで、日報作成が容易になります。進捗(やること、やったこと)、課題(相談)、共有(報告・連絡)といった要素ごとに整理しておけば、日報や朝会での報告内容を簡単に準備できます。
4.3. VSCodeの検索機能の活用
Ctrl+P
を使用することで、特定の日付のファイルを一括検索できます。例えば「20250416」と入力すれば、その日に関連するすべてのファイルを瞬時に検索できます。これにより、特定の日の会議内容やタスク状況を素早く把握できます。
4.4. 優先順位付けの明確化
会議ファイルを確認することで、各会議の重要度や優先順位を判断できます。内容が薄い会議は優先度を下げるなど、効率的な時間配分が可能になります。
5. 実装手順
- VSCodeのインストール(既に使用している場合はスキップ)
-
ディレクトリ構造の作成
- 会議、タスク、会社、宝箱の4つの主要ディレクトリを作成
- 各主要ディレクトリに適切なサブディレクトリを作成
-
ワークスペースの設定
- VSCodeで「File」→「Add Folder to Workspace」で各ディレクトリを追加
- 「File」→「Save Workspace As...」でワークスペースファイルを保存
-
拡張機能のインストール
- Markdown All in One(Markdown編集機能強化)
- Office Viewer(Excel、PDFなどのプレビュー)
- その他必要な拡張機能
6. メリット
このシステムを導入することで以下のメリットが得られます:
- 情報の一元管理: 会議、タスク、参考資料などすべての情報を一箇所で管理
- 検索性の向上: 日付ベースの命名規則により、特定の日の情報を瞬時に検索可能
- 会議準備の効率化: 会議内容を事前に整理することで、会議の生産性が向上
- タスク管理の簡素化: 日々のタスクを構造化して管理することで、優先順位付けが容易に
- 日報作成の負担軽減: 日々記録した情報を活用して、日報作成が簡単に
7. まとめ
VSCodeのワークスペース機能を活用したこのディレクトリ管理システムは、特別なツールを必要とせず、エンジニアが日常的に使用する環境内で情報を効率的に管理できる点が最大の強みです。日々の会議準備やタスク管理に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。
この方法を導入することで、「明日の会議で何を話すか」「タスクの優先順位はどうすべきか」といった日常的な悩みから解放され、業務効率が「爆上がり」します。