最近、プロジェクトマネージャーの立場で営業さんに同行してプリセールス活動を行う機会が増えてきました。
初めは「技術的な観点をサポートすればいいや」ぐらいに考えていたのですが、いざやってみると契約形態や予算、社内のリソース状況など、様々な要素が絡むことでお客様からなかなかうまく話を引き出すことができないケースが発生。
これではいかんと思い、プリセールス時にプロジェクトマネージャー観点で確認が必要な最低限の要素をチェックリストとしてまとめたものがこちらの記事になります。
1回のプリセールスでは全て確認できないこともありますが、このリストを作ったことで提案に至る道筋をある程度自分の中で整理することができました。
本記事にカテゴリやトーク内容としてリスト化したものを掲載しますが、スプレッドシートに起こしたものも公開したので、見にくい場合は↓↓↓を御覧ください。
チェックリスト
以下がチェックリストになります。実際にお客様から情報を引き出す際のトーク事例も掲載しています。
NO | カテゴリ | トーク内容 |
---|---|---|
1 | 概要 | 今回の案件の概要を教えていただけますか |
2 | 背景・きっかけ | 今回、弊社にお声がけいただいた背景として、御社で感じられている課題などございますか |
3 | 業務内容 | ・ご提案にあたり、弊社がご支援する範囲や規模(人数)のイメージはございますか。 ・業務を遂行するにあたり(技術的や業務知識等)必須スキルや推奨スキルはございますか |
4 | スケジュール | 今回の案件のスケジュールを教えていただけますか |
5 | 体制 | ・今回の案件のステークホルダーにはどういった方がいらっしゃいますか ・弊社が直接コミュニケーションを行う範囲はどのような方・規模でしょうか |
6 | 就業場所 | ・働きかたは常駐 or リモート中心のどちらでしょうか ・リモート中心の場合、出社頻度/週はどれぐらいのイメージでしょうか ・出社時の就業場所(最寄り駅)はどちらになりますか |
7 | 出張 | お客様先への同行や出張はございますか。YESの場合、頻度はどれぐらいでしょうか |
8 | 機器 | 作業に必要な機器(PC等)は御社から貸与いただけますでしょうか。弊社側で用意が必要なものがあれば教えてください |
9 | 機器 | 作業に必要なPCが貸与いただけない場合、弊社で用意するPCに必要となるセキュリティ対策等に指定があれば教えてください |
10 | 予算 | お客様として今回の案件はどれくらいの金額を想定しておりますでしょうか |
11 | 競合他社 | 他にお声がけしている会社様はいらっしゃいますか |
12 | 契約形態 | (一括請負 or 派遣 or 準委任等)想定されている契約形態はございますでしょうか |
13 | 準委任 | 準委任契約の場合、御社からの作業指示は弊社の管理責任者宛に実施いただくことになりますが、問題ないでしょうか |
14 | 準委任 | 準委任契約の場合「1人月稼働の基準を160時間、精算幅を140時間〜180時間とし、月の労働時間合計が精算幅の上限を上回った場合は超過精算を、精算幅の下限を下回った場合は控除精算を行う」といったケースがございますが、どのようなイメージでしょうか |
15 | 準委任 | 御社の業務開始~終了時間は何時から何時でしょうか |
16 | 再委託 | 弊社からの再委託は可能でしょうか |
17 | 支払サイクル等 | 準委任契約ですと3ヶ月毎に契約更新、検収・支払は1ヶ月毎などが考えられますがいかがでしょうか |
18 | 成果物・作成物 | 準委任契約ですと作業完了報告書をもって検収いただくケースが多いですが、他に必要な作成物などございますか |
19 | 稼働割合 | 準委任契約で例えば「PMは月に80時間」といったご提案も可能でしょうか |
20 | 提案内容、提案時期 | 本日ヒアリングさせていただいた内容で社内検討を進めたいと思います。「ご提案できそうです」等の一次回答の期限感などございますでしょうか |
最後に
プリセールスの最終目的が「お客様から受注をいただく」と考えた場合、そこに至るまでのいくつかのプロセス(≒成果物)が存在します。主なものは「提案、見積り、契約」といったところでしょうか。
したがって、これらの成果物を作成するための情報を収集することが、チェックリストの目的となります。
まずは「提案が可能か?」を検討する必要がありますが、判断材料として以下のような項目があります。
- 案件概要
- 開発スケジュール
- 予算
- スキルセット
予算(お金のこと)は話を引き出すのは難しい面がありますが、収集した情報と社内のリソース状況を照らし合わせ「提案可能」判断できた際は、後続の各種成果物を作成するフェーズに進むことになります。