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Emacsを使って既存のファイルを編集していると,gulp.watch内でクラッシュが発生する問題の回避方法

Last updated at Posted at 2014-09-08

要約

Emacsを使って既存のファイルを編集していると,gulp.watch内でクラッシュが発生する.問題を回避するため,gulp.watchglob-chokidarで置き換えた.

この問題自体は既知の問題であり,各モジュールのGitHub IssueやStack Overflowでも記述を見かける.同じ問題で悩んでいる人の参考になれば幸いである.

もし,他の回避方法を知っている人がいれば,ぜひ教えてほしい.

本記事の内容の確認は,以下の環境で行っている.他の環境では,ここに書かれてあるように動作しないかもしれない.

  • Xubuntu 14.04 on VirtualBox 4.3.14 with Guest Additions
  • GNU Emacs 24.3.1

事の発端

Emacsを使って既存のファイルを編集していると,gulp.watch内でクラッシュする.

実行しているgulp.watchは以下のようなものだ.

gulp.watch ['path/to/**/*.coffee'], ['compile']

Emacsですでに存在するCoffeeScriptファイルを編集し,そのバッファを未保存とすると,Emacsのインターロック機能により,編集したファイルの先頭に.#を付与したシンボリックリンクが作成される.例えば,編集したファイルがpath/to/file.coffeeだとすると,path/to/.#file.coffeeが作成される.

この状態でgulp.watchが反応すると,以下のような例外が発生し,例外を捕捉していなければプログラムは停止する.

[20:35:04] Error: ENOENT, no such file or directory 'path/to/.#file.coffee'

この問題は,gulp.watchに渡すglobパターンに除外パターンを含めても回避できない.

問題の原因

原因は,gulpが間接的に依存しているgazeというモジュールの既知の問題であり,現時点のgazeの最新版である0.6.4では修正されている(0.6.4以外は未確認だが,0.6系列で修正されたのかもしれない).

しかし,gulp 3.8.7は古いgaze 0.5.1を使用しているため問題が発生している.

この問題はgulp 3.8.7だけでなく,古いgazeを使っているモジュールであればあれば発生する可能性がある.再現を確認してはいないが,恐らく以下のモジュールでも発生するだろう.

回避方法1

glob-chokidarを使って,gulp.watchを置き換える.

元ソースだと複数のglobパターンを指定できないため,すこし改造を加えた.

これをインストールする.

$ npm install git+https://github.com/masnagam/glob-chokidar.git --save-dev

その後,gulp.watchを置き換える.

watch = require 'glob-chokidar'

gulp.task 'watch', ->
  watch ['path/to/**/*.coffee'], -> gulp.start ['compile']

ここで,gulp.runではなく,gulp.startを使っている理由は以下の通り.

なお,gulp.watchと同様にonも使える.

watch ['path/to/compiled/assets/**']
  .on 'change', (path) ->
    ...

発生するイベントの種類については,Chokidarを参照.

最後に,glob-chokidarの引数について補足しておく.

gulp.wathでは,以下のように記述することで除外パターンを指定できる.

gulp.watch ['path/to/*.include', '!path/to/*.exclude'], ['task']

一方,glob-chokidarはChokidarの流儀に従い,除外パターンをオプションで指定する.

watch ['path/to/*.include'], ignored: ['path/to/*.exclude'], ->
  ...

怪我の功名?

例えば,以下のようなパターンでgulp.watchを行ったとする.

gulp.watch ['path/to/**'], ['task']

この場合,監視しているフォルダ配下に

touch path/to/new.coffee

新しいファイルを作成してもtaskタスクは実行されない.つまり,new.coffeeは監視対象とはみなされない.

new.coffeeを監視対象にしたい場合には,gulpfile.coffeeを再読み込みする必要がある.

なお,監視中のファイルの削除は検出し,taskタスクが実行される.

まとめると,以下のように振る舞うようだ.

  • gulp.watch実行時のパターンでファイルを集めて,これを監視対象とする
  • 新しくファイルを追加しても監視対象にならない
    • 監視対象に含めるためには,gulpfile.coffeeを再読み込みする必要がある

一方,Chokidarは,ディレクトリを指定した場合,その配下が監視対象となる.そのため,gulp.watchのようにgulpfile.coffeeの再読み込みが必要ない.

回避方法2

一応,上記以外の回避方法もある.npm-shrinkwrap.jsonを使う方法だ.

npm shrinkwrapもしくはnpm shrinkwrap --devを実行し,npm-shrinkwrap.jsonのgazeのバージョンを書き換える.このとき,gazeが依存しているモジュールのエントリはすべて消してしまったほうが良いだろう.

gulp 3.8.7に対して上記を行ったところ,問題は発生しなくなった.

ただ,この方法は依存関係を無視して強引にバージョンを書き換えるため,別の問題が発生する可能性を否定できない.また,npm shrinkwrapのたびに該当箇所を書き換える必要があるため面倒だ(書き換えを自動がすることは可能だろう).そのため,おすすめはできない.

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