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プロジェクトの「コスト」

Last updated at Posted at 2022-11-07

コスト見積の前提となる工数とは、ある作業を完了させるために必要な時間数のこと。
単位として人日人月を用いる。人日は「ひとりの担当者がその作業を終えるのに何日必要かを表す。例えば、ある作業に5人日必要なら、1人のエンジニアが作業すれば作業期間は5日間になる。同じ作業に5人のエンジニアを投入して行えば、1日で完了する計算になる。

代表的なコスト見積手法

類推見積り(類似法)

過去に行った類似するシステムの開発をもとに、新システムとの相違点などを分析して、必要な工数とコストを見積もる手法

パラメトリック見積り(係数見積り)

過去のデータと見積もる値に関わる変数との統計的な関係を用いて、数学的に工数やコストを求める。ファンクションポイント法、COCOMOなどがある。

三点見積り

項目ごとに3通りの値を予測し、それぞれ重み(期待値)を掛けて見積値を算出する手法。
幅のある3つの想定値で工数を予想することで、より正確な見積値を算出できる。

楽観値

作業がうまく進んだ場合

最頻値

いつものペースで完了できた場合

悲観値

いろいろあって進みが遅くなった場合
一般に、楽観値と悲観値の重み(期待値)は「1」、最頻値の重み(期待値)は「4』として計算し、その合計値を期待値の合計(1+1+4=6)で割って見積値を求める。
見積値=(楽観値*1+最頻値*4+悲観値*1)/6

ボトムアップ見積り(標準タスク法、標準値法)

個々の作業を洗い出し、作業ごとに一定の基準で見積もる方法。WBSの最小単位であるワークパッケージやさらに小さく作業を分割したアクティビティから工数とコストを予測して合計することで、システム全体にかかる工数やコストを算出する

LOC法(Lines Of Code:プログラムステップ法)

システム全体の機能をプログラムレベルまで分割・詳細化し、プログラムのソースコードの行数(ステップ数)
に基づいて開発工数を見積もる方法。ただし、開発環境や使用するプログラム言語が同一でないと、正確に見積もることができない

COCOMO(COnstructive COst MOdel)

予測されるソースコードの総行数に「プログラムの特性、用いるハードウェアの特性、プロジェクトマネージャーやエンジニアのスキル...]などの補正係数を掛け、工数やコストを見積もる手法。改良版のCOCOMOⅡでは、FP法などの概念を取り入れ、企画・設計や成果物の検証工程など、開発全工程の見積りが可能になった。

ファンクションポイント(Function Point)法:FP法

ファンクションとは、機能のこと。FP法では、プログラムに含まれる機能の数その機能の複雑度などから、必要なコストや工数を見積もる。機能に注目するため、非エンジニアにもわかりやすくユーザ自身が見積もることが可能な方法。 なお求められたFP値は開発規模の尺度なるが、算出したFP値に単位当あたりの標準値を掛け合わせることでコストや工数、作業期間などを定量的```に見積もることができる。

FP法の5つの機能分類

FP法では機能を5つのタイプに分類し、これをユーザファンクションタイプと呼ぶ。

外部入力

外部インタフェースファイルを受け取り、これによって内部論理ファイルの作成、更新、削除などに出力する機能

外部出力

プログラムが内部論理ファイルの作成、更新、削除などを行い、他のプログラムや装置などに出力する機能

内部論理ファイル

プログラムが扱うデータや制御情報のまとまりのこと。作成、更新、削除を、このプログラム自身が行う。

外部インタフェースファイル

他のプログラムやユーザから入力された、データや制御情報のまとまりのこと。

外部紹介

外部インタフェースファイルを参照する機能。
参照情報を単に画面の出力したり、他のプログラムへ渡すための機能で、内部論理ファイルの書き換えは行わない。

FP法の計算方法

FP法の計算は、まずプログラムに含まれた機能をユーザファンクションタイプごとに分ける。次にタイプ別の合計個数と、そのタイプの機能の複雑どによる重み付け係数をかけてFP(ファンクションポイント)値を算出。さらに他のプログラムとの関係性などを基に定義されたプログラム全体の複雑度を示す補正係数を掛け合わせ、プログラム全体のFP値を計算する。

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