種々な問題が噛み合わさる
数百、数千のコンピュータが相互に接続されている環境では、不足の結果に陥る複雑な相互作用が起こり、原因不明の性能悪化がしばしば引き起こされる。
ネットワーク性能を理解することは、科学というよりも技法の領域である。ネットワーク性能に関する実用的な理論はほとんどない。
コンピュータの問題
性能低下は、構造的なリソースの不均衡があるときにも起こる。例えばギガビットの通信回線がローエンドのパソコンに接続されている場合、貧弱なCPUは入力パケットに処理しきれず、パケットの一部はロスするだろう。取りこぼされたパケットは後で再送されるが、遅延が増し、帯域を消費し、性能を低下する。
ブロードキャストストームが起こりいっぱいになる。
多くの場合、受信者は、親切に誤り通知を送り返す。誤ったセグメントが1000のマシンにブロードキャストされたら、何が起こるだろうか。各マシンは誤りメッセージを送り返し、ネットワーク中にブロードキャスト・ストーム(broadcast storm)が吹き荒れる。
一度に押し寄せていっぱいになる
電力障害後におこるものがある。電力が復旧したとき、すべてのマシンが同時にリブートを開始する。典型的なリブーどの手順の一つに、まずDHCPサーバーに自分の身元を聞きに行き、ファイル・サーバーからオペレーティング・システムのコピーを受け取るというやり方がある。データ・センターの何百ものマシンがこの作業を一度に行ったら、サーバーは負荷に耐えきれずにハングアップするだろう。
ネットワーク性能の計測
できるだけ多くのトラフィックをできるだけ速く送信することであった。(基本的にパイプを埋める)。しかしアクセス・ネットワークの速度が上がると、パイプを埋めるためにより多くのデータが必要にあり、ですと対象のサーバーとクライアントの間のネットワーク・ボトルネックが別の場所に移動するため、アクセス・リンクの速度の計測はより挑戦的な課題となる。
さらに重要なことは、速度と体幹品質やアプリケーション性能との関係に対して、速度とネットワーク性能との関係が弱くなっていることである。
アクセス・ネットワークのスループット測定
一つは、複数のTCPコネクションを並列に使用して、アクセス・リンクの容量を埋める手法である。
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容量が大きいと予想されるコネクションは、より多数の並列コネクションを使ってテストするのである。
ホームルーターから直接アクセス・ネットワークのスループット・テストを実行する方法であり、外部要因(クライアント・デバイス、ユーザーの無線ネットワークなどによる)がスループット・テストに影響を与える可能性を小さくできる。
速度が向上し続けると、単一のコネクションから複数のインターネット宛先を並行して測定するなどの新たな手法が登場する可能性がある。これらは、特にサーバー側がネットワーク・スループットのボトルネックの原因となる場合に必要となる
QoEの測定
スループットが約500Mbpsを超えると、これらの要因はいずれもアクセス・リンクのスループットに依存するのではなく、ネットワークの他のプロパティ(遅延、ジッターなど)に依存する。
そのため最新のネットワーク性能計測は、単純な速度テストから、ネットワーク・トラフィックの観察に基づいたユーザー体感の品質の推定に移行している。
ユーザー体感品質は、ユーザーがそのサービスに満足しているかどうかによる。基準は、最終的には人間による判断であり、場合によっては、人間によるフィードバックが必要になる。