ICMP インターネット制御メッセージ・プロトコル
インターネットの動作はルーターによって監視されている。ルーターの処理において何か想定外のことが起こった場合には、その事実がICMP(Internet Control Message Protcol:インターネット制御メッセージ・プロトコル)によって送信元へ知らされる。
主要ICMPメッセージの種類
あて先到達不能(DESTNATION UNREACHABLE)メッセージ
ルーターが
あて先の場所を特定できない
場合や、DFビット付きのパケットが小さなパケットしか扱えないネットワークを追加する必要があり、転送できない場合に使用される
TIME EXCEEDED(時間超過)メッセージ
パケットのTtL(生存期間)
カウンタが0になり、パケットが破棄される時に使用
される。これはパケットがループに陥っている
場合や、設定されたカウンタの値が小さすぎる
場合に、それらを示す兆候となる。
PARAERER PROBLEM(パラメータ問題)メッセージ
ヘッダー・フィールド内で不正な値が検出
されたことを表す。この問題は、送信元ホストか、転送を行ったルーターのIPソフトウェアにバグがあることを示している。
SOURCE QUENCH(送信元抑制)メッセージ
パケットを送信しすぎているホストに対して送信を抑制させる
ために使用されていた。このメッセージを受け取ったホストは、自身の送信速度を下げる
。ただし、輻輳が起こった場合には、SOURCE QUENCHメッセージそのものが輻輳をさらに悪化させる
ことや、メッセージに対してホストがどのように対応すればよいかが明確でないことから、現在ではほとんど使用されない
。
REDIRECT(リダイレクト)メッセージ
パケットのルートが正しくないとルーターが判断した時に使用
される。ルーターは、このメッセージを用いることで、送信元ホストに対してより良いルートへの更新を促す
ECHO(エコ-)メッセージ、ECHO REPLY(エコー応答)メッセージ
あて先へ到達可能か、またあて先ホストが起動しているかを調べる
ために送信される。エコー・メッセージを受け取ったあて先ホストは、エコー応答メッセージを送り出す。
これらのメッセージは、インターネット上にホストが存在し、起動していることを確認するpingコマンドで用いられる
TIMESTAMP REQEST(タイムスタンプ要求)メッセージとTIMESTAMP REPLY(タイムスタンプ応答)メッセージ
要求メッセージの到着時刻とそれに対する応答時刻が応答メッセージに記録される点が異なる。この機能は、
ネットワークの性能を計測
する際に使用される
ROUTER ADVERTISEMENT(ルーター・アドバタイズ)メッセージ、ROUTER SOLICITATION(ルーター要請)メッセージ
ホストが近隣ルーターを見つける
ために使用される。ホストが、ローカル・ネットワーク外へとパケットを送信できるルーターのIPアドレスを、少なくとも一つは知っておく必要
がある。