はじめに
これまで数台のHyper-Vホストで運用してきた経験より、個人的な使用ガイドラインらしきものをまとめました。
ネットワーク設定
ゲスト専用ポートを用意する
NICが2つ以上ある場合、LANケーブルを2つ以上刺し、1つはゲスト専用ポートとする。
- Hyper-Vマネージャーより[仮想ネットワークマネージャー]を開く
- 「外部」の仮想ネットワークを追加する
- 追加した外部ネットワークを選択し、[接続の種類]→[管理オペレーティング システムにこのネットワークアダプターの共有を許可する]のチェックを外す
仮想内部ネットワークで止むを得ず外と繋ぎたい場合ルーティング設定を追加する
仮想内部ネットワークは閉域網とすべきだが、やむを得ず外と繋ぎたいこともある。そういうときはホストのルーティングテーブルに追加する。
- Hyper-Vマネージャーより[仮想ネットワークマネージャー]を開く
- 「内部」の仮想ネットワークを追加する
- ホストの[ネットワークと共有センター]を開く
- 作成した仮想内部ネットワークのプロパティを開く
- 仮想内部ネットワークにIPアドレスを設定する
(このアドレスがゲートウェイのアドレスとなる) - ホストにてコマンドプロンプトを開き、route add コマンドで作成した仮想内部ネットワークセグメントへのアクセスを作成した上記IPアドレス宛にルーティングする
なお、ゲスト側ではデフォルトゲートウェイに上記IPアドレスを設定すると、外にアクセスできるようになる。
仮想マシンの構成
D:\Hyper-Vに配置する
D:\Hyper-V(もしくはC:\Hyper-V)フォルダーを仮想マシンのルートフォルダーとする。
フォルダー内は次のように構成する。
D:\Hyper-V\
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+- (仮想マシン名)\
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| +- Virtual Machines\
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| | +- (仮想マシンのGUID)\
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| | +- (仮想マシンのGUID).xml
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| +- Virtual Hard Disks\
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| | +- (仮想マシン名).vhdx(vhd)
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| | +- (仮想マシン名)-(ドライブ名).vhdx(vhd) ※追加HDDが必要なら
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| +- Snapshots\
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+- (仮想マシン名)\
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| :
:
利点
- 管理する仮想マシンが分散しない
- ウイルス対策ソフトによる除外フォルダーがD:\Hyper-Vだけでよくなる
CPUコア数は最大でも2
ホストの論理CPUコア数が使えるCPUコア数の上限になるので、多くの仮想マシンが必要なら一つ一つのコア数は最大でも2つくらいに抑える必要がある。
例)
- Intel Core i7だと物理コア4+Hyper Threadingで論理コア数は8
- ホストOS用のCPUコアを残すと、ゲストで使えるのはいいところ合計6コアまで
動的メモリを活用する
「動的メモリ」を使うとRAMをそれぞれのゲストOSが必要な分だけ使うため効率が良い。
ただし、使えるゲストOSに制限がある。
- Windows 7
- Enterprise
- Ultimate
- Windows 8以降
- Windows Server
- Linux
- CentOS / RedHat Enterprise Linux
- 6以上
- Ubuntu
- 12以上
- 他
- Linux ICsが使えるバージョン
- CentOS / RedHat Enterprise Linux
仮想マシンの構築
マスター仮想マシンを活用する
新たに仮想マシンを一から構築すると手間がかかるので、必要とするOSのマスター仮想マシンを作成しておく。
新たな仮想マシンはマスター仮想マシンを「新規コピー」して作成する。
参考:[Windows] Sysprep を使用してHyper-V展開用の仮想マシンの雛形を作成する - Netplanetes
なお、「差分ディスク」を使う方法もあるので併せて検討する。
Hyper-Vの子パーティションを手早く作る
マスター仮想マシンの作成
- OS名などでマスターとわかるように新規仮想マシンを作成する
- マスター仮想マシンにOSをインストールし、最新のWindows Updateを行う
- ビルドインAdministratorを有効化し、OSインストール時に作成した管理者ユーザーを削除する
(合わせてプロファイルも削除しておく) - ネットワークは接続なし、CD\DVDメディアをアンマウントする
- sysprepツールを使い、OSを一般化してシャットダウンする
- 作成した仮想マシンをHyper-Vで「エクスポート」する
- エクスポートしたらマスター仮想マシンを削除する
マスター仮想マシンのインポート
- Hyper-V マネージャーにて「仮想マシンのインポート」を開く
- エクスポートしたマスター仮想マシンのフォルダーを指定する
- マスター仮想マシンを選択する
- [インポートの種類]は[仮想マシンをコピーする(新しい一意なIDを作成する)]を選択する
- [移動先の選択]にて、[仮想マシンを別の場所に格納する]にチェックを入れ、各フォルダーに
D:\Hyper-V\(作成する仮想マシン名)
を入力する - 仮想ハード ディスクの保存場所に
D:\Hyper-V\(作成する仮想マシン名)\Virtual Hard Disks
を入力する - インポートを実行する
- インポート後に仮想マシンの設定を開く
- [ハード ドライブ]を開き、仮想ハードディスクの[参照]ボタンをクリックする
- vhdx(vhd)ファイルの名前をマスターマシン名から作成した仮想マシン名に変更し、選択しなおして[OK]ボタンをクリックする
- 任意のネットワークアダプターを選択する
- 仮想マシンを起動し、セットアップ(ライセンス認証含む)を行う