#Quantum Development Kit : Q# 開発環境をインストールして検証する (翻訳/実践)
12月11日に Microsoft Quantum Development Kit (QDK) の free preview 版がリリースされたことを受けて、先に、本家サイトのドキュメント "What is Quantum Computing?" を 「QDK: 量子コンピューティングとは何でしょう?」 として翻訳しておきました。
このドキュメントは量子コンピューティングと QDK の基本概念を説明しています。
次のステップとして、他にも基本概念を説明したドキュメントは多々ありますが、
少し実践的に Q# の開発環境を整えて簡単な量子テレポーテーション・サンプルを動かしてみたいと思います。
具体的には、"Installing and Validating the Q# Development Environment" を翻訳した上で忠実に実行していきます。
動作検証は Windows Server 2016 で行ないました。非常に簡単ですので、興味があれば是非お試しください。以下のステップを全部なぞっても 30 分程度しかかかりません :
- (まだ持っていないのであれば) Visual Studio 2017 Community Edition をインストール。
- QDK をインストール。
- Github レポジトリのサンプルを取り込んで実行する。
なお、ドキュメントの通りにやれば問題なくインストールができますが、文章だけでは分かりにくい箇所もありましたので、画面のスナップショットも併せて載せておきました。
##要件
- Quantum Development Kit と共にインストールされる、Microsoft の量子シミュレータは Advance Vector Extensions (AVX) を利用し、そして AVX が有効な CPU を必要とします。Q1 2011 (Sandy Bridge) またはそれ以後に出荷されたインテル・プロセッサーは AVX をサポートします。早期の CPU へのサポートは評価中で、詳細は後で発表するかもしれません。
- Quantum Development Kit と共に含まれるシミュレータは、実行するために Microsoft Windows の 64-bit インストールを必要とします。
- Visual Studio 2017
もし Visual Studio をインストールしていないのであれば、Visual Studio 2017 Community Edition を無料でダウンロードできます。
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Visual Studio ダウンロード・ページ に行きます。
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"Visual Studio Community 2017" の "Free download (無償ダウンロード)" ボタンをクリックします。
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ブラウザのダウンロード・フォルダにナビゲートして名前が "vs_community" で始まる、実行ファイルの上をダブルクリックします。ファイル名は一様ではない数字のシークエンスを含むでしょう。
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重要! 特定のワークロードのためのツールを選択するためのオプションが提示された時には、Universal Windows Platform development と .NET desktop development のためのボックスをチェックしてください。
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ワークロードを選択した後は、インストールを完了するために "Install" をクリックします。
※ 訳注: 以下の画像は、上の 4. の指示どおりに選択したところです :
##Q# 開発環境を作成する
Microsoft Quantum Development Kit をインストールします。
- Microsoft Quantum ページへブラウズして左上の "Download now" ボタンをクリックします。
- Visual Studio マーケットプレースの Quantum Development Kit ページで、"Download" をクリックします。
- ブラウザがダウンロード (ファイル) を "Open" あるいは "Save" のどちらを望むか尋ねてくるので、"Open" をクリックします。
- セキュリティ・ソフトウェアが確認ペインを提示するかもしれません。"Allow" またはブラウザにより使用される同等な用語をクリックします。
- Quantum Development Kit extension が Visual Studio 2017 内にインストールされます。
##貴方の環境を検証する
このセクションでは量子サンプル & ライブラリをクローンして、貴方の Q# 環境が正しくインストールされて構成されているか検証するためにサンプル・アプリケーションを実行します。
####1. Microsoft QDK Samples and Libraries GitHub レポジトリをクローン
a. Visual Studio をオープンします。
b. "Team Explorer" の "Connect" ビューをオープンします (Team > Manage Connections)。
c. "Local Git Repositories" の下の "Clone" を選択して "https://github.com/Microsoft/Quantum.git" を入力します。
d. レポジトリをクローンするために "Clone" をクリックします。
e. レポジトリはローカル・コンピュータにクローンされて、Visual Studio はライブラリとサンプルが導入された右の方の Solution Explorer にスイッチします。
※ 訳注 : 上の手順で Solution Explorer のペインが出現しています :
####2. QsharpLibraries.sln ソリューションをオープン
- この時、"Install Missing Features" ペインで促された場合には、必要なフィーチャーのインストールを許可するために "Install" をクリックしてください。これは殆どの場合、幾つかのサンプルにより使用される F# とツールです。
※ 訳注 : QsharpLibraries.sln ソリューションのオープンが完了した画面です :
####3. teleport サンプルプログラムを実行することにより貴方の Q# 環境を検証
a. QsharpLibraries ソリューションの "Samples > 0.Introduction" フォルダの TeleportationSample プロジェクト上を右クリックして、"Set as Startup Project" 上を左クリックします。
b. ソリューションを実行します (F5 キー)。もし teleport が動作して出力が次と同様であれば (各ラウンドで送られた各種 True/False 値で成功した teleportation を 8 ラウンド持ちます)、貴方の Q# 環境は Q# 開発をサポートする準備ができています :
Round 0: Sent True, got True.
Teleportation successful!!
Round 1: Sent False, got False.
Teleportation successful!!
...
Round 6: Sent True, got True.
Teleportation successful!!
Round 7: Sent False, got False.
Teleportation successful!!
※ 訳注 : TeleportationSample の実行画面です。上手くいったようです!
以上