普段は Nested の vSphere クラスタを構成し、いろいろとイジったりしているが、細かいネットワークの挙動や多ポートのスイッチの設定についてはどうしても動作確認できず困っていた。
当然、豪勢な L3/L2 スイッチ群を用意できれば良いのだが、簡単に揃えられるわけではないので EVE-NG というエミューレターを使用する。
インストール周りについてはそこそこ情報があるのだが、構築については情報があまりなかったのでメモ代わりに残しておく。
EVE-NG をインストールする
OVF をダウンロードし、普通に ESXi 上にデプロイすればよい。ここは先人の知恵を借りる。
EVE-NGを使って仮想NW環境を用意する~1. インストール編~
オブジェクトを追加する
EVE-NG では各 OS やスイッチの ISO を読み込ませることで Lab へ当該オブジェクトをデプロイすることができる。
ISO インポートの方法にややクセがあり、
- EVE-NG の
/opt/unetlab/addons/qemu/
配下に各オブジェクト用のディレクトリを作成 - ISO を
cdrom.iso
という名前で配置する
というものになる。
VyOS の作成
スイッチの ISO イメージについては各ベンダから正規に入手するか、実機から入手するなどの方法が必要となり、ややハードルが高い。
※要はネット上に転がっている(?)ものなどを使用するのは違法なのでやめましょう、ということ
どうしても Cisco スイッチの挙動を確認したい ... という場合は頑張って入手するしかないが、単に物理的なスイッチの挙動に近いものを再現できれば良いだけなら OSS のソフトウェアルータである VyOS で十分事足りる。
VyOS のサイト
VyOS の ISO をダウンロードしたら EVE-NG の VM 上に転送し 公式の手順 に沿って準備をする。
/* 専用ディレクトリ作成 */
root@eve-ng:~# mkdir /opt/unetlab/addons/qemu/vyos-1.4
root@eve-ng:~# cd /opt/unetlab/addons/qemu/vyos-1.4
/* cdrom.iso という名前で ISO をコピーする */
root@eve-ng:/opt/unetlab/addons/qemu/vyos-1.4# mv ~/vyos-1.4-rolling-202307280757-amd64.iso cdrom.iso
/* VyOS 用のディスク(KVM の qcow2 形式)を任意のサイズで作成 */
/opt/qemu/bin/qemu-img create -f qcow2 virtioa.qcow2 16G
ESXi の作成
ESXi も ISO をダウンロードし、同様の手順(公式の手順)でイメージ配置を行う。
こちらは ESXi にデプロイした EVE-NG の上に、更にネストする形で作成するものになる。
/* 専用ディレクトリ作成 */
root@eve-ng:~# mkdir /opt/unetlab/addons/qemu/esxi-7.0u3g
root@eve-ng:~# cd /opt/unetlab/addons/qemu/esxi-7.0u3g
/* cdrom.iso という名前で ISO をコピーする */
root@eve-ng:/opt/unetlab/addons/qemu/esxi-7.0u3g# cp ~/VMware-VMvisor-Installer-7.0U3g-20328353.x86_64.iso cdrom.iso
/* ESXi 用のディスク(KVM の qcow2 形式)を任意のサイズで作成 */
root@eve-ng:/opt/unetlab/addons/qemu/esxi-7.0u3g# /opt/qemu/bin/qemu-img create -f qcow2 hda.qcow2 32G
EVE-NG 上でデプロイ
上記の方法でイメージを配置すると [左ペイン]>[Add an object]>[Node] で VyOS や ESXi が青字になり、選べるようになっている。
それぞれ CPU やメモリなどを指定し、Save を押下する。
※ESXi は QEMU Nic を vmxnet3
に変更することをお勧めします
右クリックで Start/Stop することで通常の VM と同様に起動・停止することができる。
※各アイコンをクリックすることでコンソールを開くことができるが、そのままだとまともに動作しないので、公式サイトから Windows 用のクライアントをインストールすることを推奨
公式サイト -> Windows Client Side