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ウェブの常時 SSL 化のパフォーマンスのお話 (仮)

Last updated at Posted at 2018-03-19
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自己紹介

  • 政倉 智 (まさくら とも)
  • codeArts 株式会社
  • 趣味: バイクとか、プログラミングとか
  • html5j 鹿児島
  • 運用屋さんではありません!

ちょっとだけ

本日 SSL! SSL と連呼しますが

厳密な意味での SSL ではなく、TLS を含んだ俗称として SSL と呼びます


アジェンダ

  • SSL おさらい
  • HTML5 から見た HTTPSの必要性
  • HTTPS のオーバーヘッド

SSL おさらい


SSL の目的

以下の三つを防止する

  • 盗聴
  • 改ざん
  • なりすまし

テストに出るよ!


盗聴

Untitled(4)(1).png

中身を盗み見る


改ざん

Untitled(5)(1).png

都合のいいように内容を書き換える


なりすまし

Untitled(6)(1).png

消防の方から来ましたー


SSL の機能

  • 通信の暗号化
  • データの完全性チェック
  • 接続先の認証
  • 三つそろってはじめて安全


HTML5 からみた HTTPS


  • HTML5 でウェブはアプリのプラットフォームとして進化
  • 年々、安全に対する重要度が増している

image.png

2016/04 Chrome 50 から Geolocation API が非 HTTPS では使えなくなった


image.png

https://dynamis.github.io/webapi.link/ をもとに HTTPS 必須をマーク (漏れはあるかも...)


HTML5 を生かしたければ HTTPS は必須


HTTPS のオーバーヘッド


結論から先に

  • HTTP -> HTTPS でスループットが 1/100 まで落ちた (悪条件下)
  • HTTPS のコネクションの開始処理が重たい
  • サーバーの性能次第でレスポンスは悪化する

テスト環境

サーバー クライアント
マシン Raspberry PI 3B HP ML115 G5
CPU ARMv8 2 Core (*) Phenom II 4 Core
Mem 1GB 16GB
OS Raspbian Ubuntu 16.04 LTS
  • Raspberry PI 3B は CPU に負荷をかけると温度が上がりすぎて停止するので、起動オプションで 2 Core に制限しました

HTTP (サーバー)

flotTransactionsPerSecond.png

  • 60 秒間で 100,000 クライアントからアクセス
  • CPU 負荷は 50% 以下なのでまだ余裕ある
  • 帯域 100Base-TX で使い切っちゃみたい
  • 途中でエラーが多発しているのはちょっとわかんない

HTTPS (サーバー)

flotTransactionsPerSecond (1).png

  • F5 アタックをする人を少しずつ増やしていく感じ
  • CPU がさばけてる間は 500 リクエスト/秒以上は出る
  • さばききれなくなると 10 リクエスト/秒まで落ちる

HTTPS (サーバー) その二

flotTransactionsPerSecond (2).png

  • 60 秒間で 600 クライアントからアクセス
  • CPU を 100% 使い切っているのでちょうど限界

HTTPS (サーバー) その三

flotTransactionsPerSecond (3).png

  • 60 秒間で 600 クライアントから各 2 アクセス (SSL 接続はクライアントにつき一回だけ)
  • さっきの倍処理できている

結論 (サーバー)

  • HTTP -> HTTPS でも、CPU が十分に速ければスループットはさほど変わらない
  • CPU が不足すると、最悪の条件では 1/100 くらいまで落ちる
  • SSL の開始処理がとてつもなく重たい...

HTTP (ブラウザー)

http.png


ブラウザーの高速化の工夫

Untitled(7)(1).png

  • サーバーへのアクセスは最大 6 本同時に行う
  • Keep Alive で TCP 接続を使いまわす

http+tcp.png

  • (橙) - TCP 接続の開始に 0.70ms
  • (緑) - リクエスト
  • (緑) - 待機 (コンテンツのダウンロードが開始されるまでの無通信)
  • (青) - コンテンツのダウンロード

HTTPS (ブラウザー)

https.png

  • HTTP の時とあまり変わらない

https+tls.png

  • TCP + SSL 接続の開始に 269.87ms
  • SSL 部分だけは 269.31ms

  • 体感で分かるレベルでレスポンスが悪化する
  • 重たい接続を同時に 6 本も開始するなんて、サーバーに厳しすぎます

HTTP/2.0 + SSL

http2.png

  • 接続は一本だけ
  • その一本を多重化して使う
  • (HTML 以外は) 同時にリクエストして同時にダウンロードしてる

サーバーにやさしい! (たぶん)


読み込み時間 (ブラウザー側)

image.png

  • HTTP/2.0 + SSL は HTTP に近い性能が出ている (三回目以降は)
  • TTL が悪ければもっと差が開くと思う

参考資料など

  • HTTP/2.0 は多重化だけじゃないよ!
  • サーバープッシュ (コンテンツの押し付け)
  • ヘッダー圧縮
  • 詳しくはさくらのナレッジ を見てね!

おまけ

  • HTTP/2.0 は Google の開発した SPDY が元
  • Google さんくらいになると...
    • 常時 SSL でものすごいコストがかかるんじゃないかな...
    • プロトコルの改良で節約できたコストもすごそう...
  • 私の仕事のレベルだと、HTTP -> HTTPS の負荷は問題にならないレベル
  • SNS とか、サイトへの常駐率が高いところは負荷が問題になるはず
  • Pixiv さんは常時 SSL のためにハードウェアを更新してます

  • 常時 SSL 化の前に、CPU 使用率とロードアベレージは確認しておこう
  • サーバー側のチューニングという方法もある (今回未検証)
  • サーバーの増強よりクラウドの SSL 付 L7 ロードバランサーおすすめ
    • さくらのクラウドも SSL 対応してほしいなあ...

移行の前に WEB+DB Press を読もう!

webpress.png


まとめ


  • SSL は盗聴・改ざん・なりすましをふせぐ
  • HTML5 API は HTTPS 必須が多いので、HTTPS 化は必然
  • HTTPS 化の負荷はそこそこあるよ
  • 可能であれば HTTP/2.0 化しよう!
  • めんどくさい人はクラウドの L7 ロードバランサーがおすすめ

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近いうちにイベント公開します!
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ご成長ありがとうございました!

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