LoginSignup
97
89

More than 5 years have passed since last update.

GitLab Container Registry

Last updated at Posted at 2016-12-09

GitLab Container Registry

GitLab Advent Calendar 2016 の九日目は Docker Image のレジストリである GitLab Container Registry の紹介をしたいと思います。

概要

ビルドした Docker Image を Docker Hub にプッシュされている方は多いのではないでしょうか?

GitLab CE/EE には GitLab Container Registry が統合されており、Docker Hub と同じように Docker Image を保管することができます。もちろんこの機能は GitLab.com でも使うことができます。

公式の Docker Hub を使ってもいいのですが、GitLab Container Registry を個人的におすすめする理由はいくつかあります。

まず第一に、社内にサーバーを立てて社内で使う Container Registry が構築できることです。(構築方法は四日目の記事、GitLab をインストールしよう! (omnibus package) をご覧ください)

第二に、GitLab.com でプライベートでも無料で使えるからです。(価格については八日目の hiroponz さんの記事、GitHub.com・BitBucket.org・GitLab.comの月額料金比較 + α をご覧ください)

第三に、GitLab に完全に統合されているからです。アカウントに GitLab のものが使えるのはもちろんですが、GitLab CI ともうまく統合されており、トークンやパスワードを設定することなしに CI から Docker Image をプッシュすることができます。面倒な操作の必要がないのももちろんですが、トークンを設定する必要がない分安心感があります。

使い方

パソコンに Docker Engine がインストールされていることとします。

GitLab.com 編

まずは GitLab.com で使ってみましょう!

GitLab.com にログインして、プロジェクトを作成してください。デフォルトで Container Registry は有効化されていますので、すぐに使いはじめることができます。

Registry タブをクリックすると、まだひとつも Docker Image が登録されていないことが分かります。しかも、使い方まで書いてあるので非常に便利ですね! (この記事の意味って一体...)

gitlab1.png

書かれている通り、まずはログインをします。GitLab.com のアカウント名とパスワードを入力してください。

$ docker login registry.gitlab.com

次に Docker Image を作ってプッシュしてみます。Dockerfile を書くのは面倒ですので、今回は別の方法を使います。

$ docker pull hello-world
$ docker tag hello-world registry.gitlab.com/masakura/docker-sample
$ docker push registry.gitlab.com/masakura/docker-sample

ページをリロードすると latest イメージが作成されました!

gitlab2.png

ちなみに Docker Image 名の右のコピーボタンをクリックすると、docker pull コマンドとセットで Docker Image 名がクリップボードにコピーされます。覚えておくと便利だと思います。

このような形で、GitLab はプロジェクトに一つだけ Docker Image を保管することができます。

GitLab CE 編

GitLab CE で GitLab Container Registry を使う場合は、機能を有効化する必要があります。有効化の方法は四日目の記事、GitLab をインストールしよう! (omnibus package) をご覧ください。

FQDN が GitLab.com と異なりますので、Docker Image 名やログインする Docker ホスト名が変わるくらいであとは GitLab.com と同じように使うことができます。

ところで、社内のサーバーに GitLab CE をインストールする場合、SSL を使わないことがよくあると思います。(個人的にはよくないと思うのですが...)

Docker Engine は SSL でない Container Registry には接続できません。以下のように接続に失敗します。証明書の購入をおすすめします。

$ docker login registry.example.com
Username: root 
Password: 
Error response from daemon: Get https://registry.example.com/v1/users/: dial tcp 192.168.42.65:443: getsockopt: connection refused

ですが、どうしても SSL を有効に出来ない場合、Docker Engine の設定の insecure-registry に Container Registry の名前を設定するとアクセスできるようになります。

Linux で Docker Engine を動作させている場合は、/etc/systemd/system/docker.service.d/local.conf ファイルを作成し、systemctl daemon-reload のあとサービスを再起動してください。

[Service]
ExecStart=
ExecStart=/usr/bin/dockerd -H fd:// --insecure-registry=registry.example.com
$ sudo systemctl daemon-reload
$ sudo service docker restart

今度は無事ログインできました!

$ docker login registry.example.com
Username: root
Password: 
Login Succeeded

設定の変更方法については Control and configure Docker with systemd をご覧ください。

また、Docker for WindowsDocker for Mac をお使いの方は設定画面から insecure-registry を追加してください。

でも、これらの設定を Container Registry の利用者全員にお願いするのはとても面倒ですよね! ですので、証明書を買ってきて設定したほうが楽だと思います!

GitLab CI 編

続いて GitLab CI から Docker Image を Container Registry にプッシュする方法です。GitLab.com を使います。

GitLab CI は .gitlab-ci.yml ファイルにスクリプトを用意するだけで使うことができます。さらに、テンプレートも用意されていますので、簡単に使うことができます。

先ほど作ったプロジェクトのダッシュボードに README というリンクがありますので、それをクリックして Commit Changes で保存しましょう! (中身はなしで構いません)

続いて、Repository タブの + -> New file ボタンをクリックし Dockerfile ファイルを作成してください。ファイルの内容は以下の一行だけで構いません。

FROM nginx

Commit Changes ボタンで保存します。

再度プロジェクトのダッシュボードに戻って、Set Up CI ボタンをクリックします。Choose a GitLab CI Yaml Template から Docker を選びます。

gitlab3.png

こんな感じです。

# This file is a template, and might need editing before it works on your project.
# Official docker image.
image: docker:latest

services:
  - docker:dind

build:
  stage: build
  script:
    - docker login -u "gitlab-ci-token" -p "$CI_BUILD_TOKEN" $CI_REGISTRY
    - docker build --pull -t "$CI_REGISTRY_IMAGE:$CI_BUILD_REF_NAME" .
    - docker push "$CI_REGISTRY_IMAGE:$CI_BUILD_REF_NAME"

Commit Changes ボタンをクリックしてしばらく待つと...

gitlab4.png

できました!

docker login のスクリプトで、CI でのビルドごとに生成されるトークンを使ってログインしていることが分かります。つまり、GitLab CI + GitLab Container Registry の組み合わせでは、ユーザー名やパスワードを設定する必要がなく、安全で簡単に使えることが分かると思います。

注意点

Docker Image 名は小文字のみ

Docker Image には大文字や多くの記号を使うことができません。このため、GitLab のプロジェクト名とグループ名 (もしくはユーザー名) を小文字に変換されたものが Docker Image 名に使われています。

大文字小文字だけが違うプロジェクトを作った場合、Container Registry は共有されてしまうようです。(流石に、大文字小文字だけが違うグループは作れないようですので、赤の他人に Docker Image を取られることはなさそうですが...)

Docker Image を消すと同じ Image ID のが全て消える

GitLab Container Registry から Docker Image を消すと、同じ Image ID の Docker Image が全て消えます。

パスワードを設定しておく必要がある

主に GitLab.com のお話ですが、GitHub などの外部認証を使ってログインされている方はパスワードが未設定な状態となります。パスワードを設定するまでは docker login ができないと思われます。

Docker in Docker で overlayfs を使う

GitLab CI で Docker Image をビルドする方法を紹介しました。こちらは Docker in Docker という Docker 社公式の方法を使ったものです。

ですが、GitLab のドキュメント、Using Docker Build の中の Using the OverlayFS driver でパフォーマンスの問題が言及されています。

By default, when using docker:dind, Docker uses the vfs storage driver which copies the filesystem on every run. This is a very disk-intensive operation which can be avoided if a different driver is used, for example overlay.

デフォルトではストレージドライバーに vfs が使われるためディスクに厳しく、overlayfs を使ったほうがいいと書かれています。

GitLab.com では .gitlab-ci.yml ファイルに少し書き足すだけで、overlayfs が使われるようになります。

variables:
  DOCKER_DRIVER: overlay

終わり

ちょっと長くなりましたけど、GitLab Container Registry で Docker Image を活用する方法はいかがだったでしょうか? こういったものが GitLab で完結して利用できるのはとても便利で、気に入ってしまいました!

追記

GitLab 8.14 から Support for private container registries in GitLab CI builds にあるとおり、プライベートプロジェクトの Container Registry の Docker Image を指定してビルドできるようになったようです。

プライベートプロジェクトではビルド用のカスタム Docker Image も公開したくないと思います。そういう時に非常に有用だと思います。

97
89
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
97
89